【花粉症対策】《書評》『花粉症・アレルギーを自分で治す70の知恵』やってみようと思うものが必ず見つかる本

主婦の友社 2017年2月28日発刊

自分もやってみようと思うものが必ず見つかる「花粉症・アレルギーを自分で治す70の知恵」はそんな花粉症予防ガイドブックだ。

監修の水嶋丈雄氏は1981年に大阪医科大学を卒業して医師となり、その後西洋医学をベースに東洋医学を取り入れた治療法を確立して医療法人水嶋クリニックの院長となる。患者ひとりひとりにあった治療法を指導することをモットーとし、食事療法、気功療法にも精通している。最近では花粉症、アトピーなどのアレルギー疾患だけでなく、認知症治療にも力を入れている。

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♦本の構成

【目次】

Part 1 アレルギーを正しく理解する

Part 2 特効食材でぜんそく・アトピー・花粉症を治す

Part 3 食べて飲んでぜんそく・アトピー・花粉症を治す

Part 4 手作り化粧水でアトピーを治す

Part 5 手軽な動作とツボ刺激でぜんそく・アトピー・花粉症を治す

Part 6 漢方薬でぜんそく・アトピー・花粉症を治す

基本は自律神経を整え腸の働きを良くすること

免疫システムは自律神経と腸に大きく影響を受けている。よって自律神経のバランスを整えたり、腸の働きを良くすることが免疫システムを正常化しアレルギー体質の改善につながる。これが水嶋医師の基本スタンスであり、治療法の原点のようだ。

自律神経は血管や内臓などの働きを調整している。手足のように自分の意志でコントロールできないものだ。自律神経には昼間主体で興奮時に優位になる交感神経と夜や休息時に優位になる副交感神経の2種類がある。ストレスがたまると交感神経が過度に活発になり、自らの組織を破壊。肩こり、頭痛、高血圧などにつながる。一方、副交感神経が優位になると免疫過剰になり反応しなくていい抗原にまで過敏に反応。花粉症、アトピー、ぜんそくなどが発症する。つまり自律神経のどちらかに偏らないようにバランスをとることが大切だ。

腸は「第二の脳」といわれるほど多くの神経細胞と免疫系機能を持っている。免疫系機能はウィルスやがんに冒された細胞を直接たたく細胞性免疫と、抗原抗体反応で小さな分子の侵入を防ぐ液性免疫に大別される。細胞性免疫の主役はTh1細胞、液性免疫の主役はTh2細胞で、この2つのバランスが肝心なのだ。Th2細胞が活発になり過ぎると免疫はたんぱく質に過剰に反応して、花粉症、アトピー、ぜんそくなどのアレルギー疾患にかかりやすくなる。

そこでこの本では、自律神経と腸の働きをバランスよく整えるために、食材、食事、運動、マッサージそして漢方など生活の中で比較的簡単にできる知恵やコツを幅広く紹介する。

花粉症に効く知恵やコツとは?

本の中で花粉症に効く知恵やコツとして紹介しているものから、いくつかピックアップして概略を紹介してみよう。

特効食材:れんこん

花粉症の症状を緩和する特効食材のひとつが「れんこん」。体内でつくられる抗体のひとつ「IgE抗体」が外部からの異物に過剰に反応し「ヒスタミン」という炎症物質が放出されるとアレルギー症状が起こる。れんこんはIgE抗体の抑制にすぐれていると本では解説している。
またれんこんには「タンニン」という物質が含まれているが、タンニンは炎症を抑える働きがある。

つまり、れんこんはアレルギーが発症することを抑制し、起こってしまった炎症を抑えるというダブルの効果が期待できるのだ。れんこんの成分は花粉症予防のサプリメントにも使われているらしい。

簡単レシピ:もずく納豆

もずくのぬめりはフコイダンという成分。フコイダンは整腸作用、免疫力調整、コレステロールや血糖値低下作用などたくさんのすぐれた機能をもつ。このもずくの効力をさらに高める食べ方が「もずく納豆」だ。

納豆は言わずと知れた腸内細菌を整える発酵食品であり、最強の「ぬめり食品コンビ」だろう。

「もずく納豆」の作り方は簡単。ふたつをよく混ぜ合わせるだけ。ぬめりが出てネバネバしたら好みでタレをかけて完成だ。

簡単レシピ:杉のお茶

「杉のお茶」は杉の葉を乾燥させて煎じたもの。杉の葉を軽く水洗いしてフードプロセッサーなどで細かくする。それを丸1日天日干しにする。ティーパックなどに入れて飲む。

杉の葉にはテンピン油が豊富に含まれている。このテンピン油の中にある杉の抗原を体にとることで免疫寛容を起こし、スギ花粉症の症状を抑えていくのだ。

これは舌下免疫療法などと同じ原理に基づいているが、民間療法になるので、花粉症の症状がひどい人は口からとるのは避ける方がいいかもしれない。この本では入浴剤としての使い方も紹介している。

手軽な動作:鼻呼吸運動

鼻で呼吸すると鼻毛や粘膜がフィルター代わりになり花粉などの体内への侵入を防ぐ。口にはそのようなフィルターがない。また鼻の中の副鼻腔で空気を温めて湿気を与えて肺に送る。その結果、肺の粘膜に空気がうまくなじみ血液中に酸素がいきわたりやすい。自分は違うと思っていても実は無意識に口呼吸に頼っていることが多いものだ。そこで鼻呼吸をマスターしてアレルギー症状を緩和させる。

やり方は、口と肛門をきゅっと閉めて約10秒かけて鼻から空気を吸いお腹をへこませて胸に空気を入れる。口を閉じたまま同じく10秒かけて鼻から息を吐いて力を抜く。これを8回1セットで1日1セット以上行う。ヨガの胸式呼吸法とも似ている。

お気に入りがきっと見つかる

以上のように、紹介されている知恵やコツはどれも身近な食材、手軽なレシピ、ちょっとした空き時間でできる動作ばかり。それをひとつひとつを見開き2ページにまとめており、写真や画像もたくさん活用してわかりやすく説明している。

おすすめされている70のすべての知恵やコツに興味がわかなくても、やってみようと思えるものがいくつか必ず見つかるだろう。
また本は花粉症などのアレルギー症状に悩む人を対象にしているが、そうでない人にも毎日の生活習慣改善の参考になる。