【花粉症とは】《書評》基本的なことを知りたい方におすすめ。「子どもの花粉症・アレルギー性鼻炎を治す本」永倉仁史(監修)

「子どもの花粉症・アレルギー性鼻炎を治す本」永倉仁史(監修)

講談社 2016年2月発行

花粉症などのアレルギー疾患に悩む子どもが増えている。子どもの症状を和らげたり、完治を目指すには、大人が病気のメカニズムや原因、予防や治療方法について理解し、子どもと一緒になって病気に向き合っていくしかない。「子どもの花粉症・アレルギー性鼻炎を治す本」は大人が子どもの花粉症やアレルギー性鼻炎に対処していくための基本的、入門的なガイドブックとして活用できる。

監修の永倉先生はこの分野の第一人者

監修の永倉仁史先生は、平成7年より文部科学省委託「スギ花粉症克服に向けた総合的研究」に参加。スギ・ヒノキ花粉症に対する疫学的調査・基礎・臨床応用の研究に協力し、全国でスギ・ヒノキ花粉症の調査にあたってこられた。そして現在、スギ・ヒノキ花粉症に対する最新の治療法として、ペプチド療法、経口減感作、抗IgE抗体、人工暴露装置などの研究に従事している、この分野の第一人者のおひとりだ。

永倉仁史先生のプロフィール

どんな内容構成?

この本は以下のような内容構成になっている。花粉症やアレルギー性鼻炎の基本的知識を得るには十分な内容だ。また、見開き2ページでひとつのテーマをイラスト入りで解説しているので、わかりやすい。

☑子どもの花粉症の見分け方

☑花粉症やアレルギー性鼻炎とはどんな病気か

☑乳幼児期から始めたい花粉・ダニ対策

☑内服薬・点鼻薬・点眼薬の使い方

☑根治を目指す舌下免疫療法とは

舌下免疫治療法を詳しく解説。2018年には5歳から治療が可能にも。

最後の章で詳しく紹介している舌下免疫療法は2014年から保険適用となり、根治を望める治療法として活用されているが、現在は対象年齢が12歳以上。しかし、この本によると、2018年には5歳から使える医薬品が臨床試験を終えて実用化される見込みのようだ。(2016年1月現在)
また、永倉先生が勤務されていた東京慈恵医科大学では、2016年冬から農研機構が開発したスギ花粉米(スギ花粉のアレルゲンの目印となる成分だけを遺伝子組換え技術でお米に入れたもの)の臨床研究を行っているが、これが近い将来実用化されれば、お米を食べることで舌下免疫療法と同じような効果を期待できるといわれている。
子どもも大人もアレルギーからの解放が可能になる新しい食品や医薬品が少しでも早く登場することを願うばかりだ。

子どもの花粉症は発症した年齢が低いほど治りにくい

子どもの花粉症は発症した年齢が低いほど自然に治ることは少なく、放置しておくとむしろ悪化するそうだ。大人と違うから見落としがちでもある。子どもの花粉症を心配したり悩んでいる大人にとって、まずは花粉症のことをきちんと正確に理解することが第一歩だが、この本はそのための入門書といえる一冊だ。