【花粉症対策】《書評》最新事情をバランスよくまとめる。週刊東洋経済「花粉症・アレルギーに克つ」2017年2月25日号

週刊東洋経済は、春のスギ花粉飛散ピークシーズンに合わせて「完治も夢ではない 花粉症・アレルギーに克つ」というテーマで特集を組んだ。花粉症やアレルギーに対する最新の医学的知見、予防・治療法、対策グッズなどをバランスよく紹介している。また、大人と子供のアレルギーを分け、それぞれの知っておくべき情報を同じ程度の紙面を割いてまとめており、花粉症やアレルギーが老若男女問わない国民病である現状をよく表している。全体で26頁と週刊誌の特集としては大型の取り上げ方と言ってよく、この点でも国民の関心の高さがうかがえる。

完治も夢ではないのか

花粉症患者のほとんどが、対症療法とよばれる療法に頼っている。病院の処方薬や薬局の薬を飲んだり、外出時のマスク装着、室内の空気清浄機利用といったことだ。しかし、花粉飛散の多寡に症状の重軽度が左右され、場合によっては毎年症状が悪化することもあり、根治を願う要望は年々強くなっている。

この特集では、近年注目されている舌下免疫療法を詳しく取り上げることはもちろん、免疫の働きが過剰になったときに制御する「Treg細胞」を発見し、ノーベル賞に最も近い人のひとりと言われている坂口志文さん(大阪大学特任教授のアレルギー治療の方法論をインタビューを通して紹介している。また、臨床研究の段階に進んでいる、コメを食べてスギ花粉症状を緩和する「花粉米」にも言及している。

電子版も。手に取りやすい一冊

東洋経済では、この特集だけを電子化したオンデマンドペーパーブックも発刊している。同内容のキンドル版もあり、価格が216円とリーズナブルになっている。花粉症やアレルギーの最新事情をまとめて知る上で役立つ一冊である。

特集の概要

全体26頁の構成は以下の通り。

【特集】完治も夢ではない 花粉症・アレルギーに克つ

PART1 花粉症

    根治目指す舌下免疫療法

  花粉米 高まる期待

  鼻炎治療薬との賢い付き合い方

  林野政策の本気度

  花粉症の民間療法

  INTERVIEW│渡辺賢治 慶応大学漢方医学センター教授

  花粉対策最先端(グッズの紹介など)

  INTERVIEW│坂口志文 大阪大学特任教授

PART2 大人のアレルギー

  これってアレルギー? Q&Aで丸ごと解説

  国民病対策に国も本腰

  突然発症する食物アレルギー

  放置すると怖いぜんそく

  7割が原因不明のじんましん

PART3 子どものアレルギー

  治療と予防の最前線

  食物アレルギーの新常識

  学校給食の試行錯誤

  アナフィラキシーと戦う

  食物経口負荷試験を実施する病院一覧

  誤解だらけのステロイド