「れんこんの成分は花粉症のサプリメントに使われるほど価値がある」という話を聞いたことはありませんか?れんこんは漢字で「蓮根」と書くようにハスの地下茎が肥大化したもので、見た目はちょっと地味ですが、その成分はさまざまな病気の予防や緩和に効果があるとされています。れんこんの流通量が増えるのは10月から3月にかけてですが、比較的1年中手に入りやすい食材です。
ここでは、『れんこんの成分と効果・効能』『花粉症への効果』『花粉症におすすめのレシピ』をご紹介します。
1.れんこんの成分と効果・効能
れんこんの原産地は中国もしくはインドで、食べる習慣をもっているのは日本と中国だけといわれています。内部に空洞があり、輪切りにすると穴が多数空いていることから、「先を見通す」ことに通じ縁起が良いとされ、正月のおせち料理やお祝いの席のお料理に用いられるようになりました。
旬は10月から3月ごろですが、現在は下処理されたものが1年中売られています。
れんこんは大半が水分ですが、その中にはビタミンCを豊富に含み、食物繊維、カリウム、鉄、亜鉛などのミネラルも含んでいます。
また、れんこんはタンニンという成分も多く含んでいます。
タンニンはポリフェノールの一種で、炎症を抑える働きや止血作用、のどの痛みや鼻水などを抑える働きもあります。筆者はやったことはないのですが、風邪や鼻炎による鼻づまりや鼻血の場合にれんこんをおろした汁を直接鼻腔に差しても良い、という説もあるようです。
タンニン以外のポリフェノールも豊富に含まれており、活性酸素の害を退け、アレルギー疾患の改善に役立つ抗酸化作用があります。
- ビタミンC:抗酸化作用・骨形成・美肌・貧血改善・血圧正常化など
- 食物繊維:腸の機能強化・免疫作用正常化・便秘予防など
- タンニン:抗炎症作用など
- 色素成分のポリフェノール:抗酸化作用など
れんこんにはさまざまな効果・効能があることがわかりました。それでは、れんこんは花粉症にはどんな効果があるのでしょうか?
2.花粉症への効果
埼玉医科大学短期大学・名誉教授の和合 治久教授がれんこんエキスの研究成果を発表しています。それによると、れんこんは他の野菜に比べて、アレルギー症状の原因となるIgE抗体の過剰生産を抑える働きがあることがわかりました。
日本アレルギー応用研究所HPより引用
IgE抗体の産生を抑制する作用で花粉症が起こるのをブロックする効果を期待でき、炎症を抑えるタンニンも含まれているため、起こってしまったくしゃみや鼻水などの症状を緩和する効果も発揮するといわれています。
約10倍に凝縮されているので、スプーン1杯でもれんこんの栄養がタップリ!
3.花粉症におすすめのレシピ5選
それでは、れんこんを使った花粉症におすすめのレシピを紹介しましょう。
花粉症にロズマリン酸の効果が期待される「しそ」、消化酵素たっぷりの「大根」、抗酸化成分が豊富な「玉ねぎ」、ネバネバ成分がたっぷりの「モロヘイヤ」と、「れんこん」との、”最強タッグ”のレシピ”です。
■簡単和風サラダ☆レンコンの梅シソ和え
軽く茹でたれんこんと、包丁でたたいた梅干し、細かくちぎったしそをごま油であえるだけ!
■大根とれんこんと鶏肉のスープ
だし汁に鶏肉を入れて煮たところに、れんこん、大根を入れ、調味料で味付け。ねぎを加えてできあがり。
■おうち居酒屋、モロヘイヤと蓮根の梅土佐和え
れんこん、モロヘイヤをそれぞれ軽く茹でたあと、細かく刻んで、練梅や鰹節などと混ぜていただきます。
■れんこんと玉ねぎのサラダ
スライスしたれんこんと玉ねぎを油であげて、ドレッシングで混ぜてできあがり!
4.おわりに
れんこんは酢水につけるあく抜き作業などが面倒、と敬遠する人もいますが、豊富な栄養成分や花粉症緩和などの効果効能が期待できること、また何と言ってもシャキシャキの歯ごたえは、捨てがたい魅力です。
れんこんの旬の時期は10月から3月ですが、1年中手に入る身近な食材です。ブタクサ、ヨモギ、カナムグラ、イネ科など秋の花粉症や春のスギ・ヒノキ花粉症対策のために、毎日のおかずの一品に加えてみてはいかがでしょうか。
上記のレシピ以外にも、れんこんは油と相性が良いため、天ぷら、きんぴら、油炒めなどに向いています。また酢との相性もよく、ピクルス、マリネなどにしても美味しく食べられますよ。