【花粉症治療】花粉症対策に必見!薬の種類や治療法とは?最新情報も掲載

花粉症対策 基本3つ

日本では国民の4人にひとりがスギ花粉症で悩んでいるといわれていますが、次いで多いのがブタクサの花粉症の人です。ブタクサに加え、ヨモギ、カナムグラ、そして稲刈りのシーズンとも関係してイネ科の植物による花粉症もピークを迎えます。この時期、花粉症対策は欠かせません。

その花粉症対策には3つの基本があります。それは、

1 花粉症を予防する

2 花粉症の症状を薬で抑える

3 花粉症を根本的に治す

の3つです。

今回は、秋の花粉症のシーズンに基本となる花粉症の薬の種類や根治を目指す治療方法についご説明していきます。

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花粉症薬の種類とは?

花粉症の治療薬は対症療法として発症してしまった症状を緩和したり、発症しないように抑制する目的の薬です。

今回は以下の3つのタイプの花粉症の薬についてご説明します。内服薬、点鼻薬、点眼薬の処方薬、市販薬の代表的なものをご紹介しています。

1.ヒスタミンなどの遊離抑制薬(抗アレルギー作用の薬)

2.受容体拮抗薬(抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬)

3.ステロイド薬

薬の種類の説明に入る前に、花粉症のメカニズムを理解しておきましょう。

花粉症のメカニズム

①体内に異物(花粉)が侵入すると免疫のしくみがそれを排除するか受け入れるか判断します。

②排除すると判断すると、その異物(花粉)に特有のIgE抗体などの抗体を作り始めます。IgE抗体はマスト細胞とよばれる細胞にくっついて待機しています。この状態を「感作」といい、まだ発症する前の段階です。

③再び同じ異物、すなわちアレルゲン(花粉)が体に入ってくると、IgE抗体が反応して、その結果、マスト細胞からヒスタミン、ロイコトリエンなどのアレルギー原因物質が放出されます。

放出されたヒスタミンなどは鼻や喉などの粘膜にある受容体を刺激します。するとくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの反応がおこります。

つまり、花粉のようなアレルゲンを、くしゃみで吹き飛ばしたり、鼻水・涙で洗い流したり、鼻づまりで中に入れないようにする「体の防御作用」が花粉症などのアレルギー症状なのです。

花粉症の治療薬の種類

1.ヒスタミンなどの遊離抑制薬(抗アレルギー作用の薬)
花粉の飛び始め、発症前から飲むのがおすすめ

肥満細胞からヒスタミンなどのアレルギー物質が遊離するのを抑制する薬です。上記の花粉症メカニズムでいうと③の現象(原因物質ヒスタミンなどが放出されること)を抑制するための薬です。ヒスタミンが放出されなければ症状はおこらないので、ヒスタミンが放出される前、すなわち花粉の飛び始めや症状が発症する前から飲むとよいでしょう。
特徴としては副作用が少なく眠くなりにくいですが、効果がマイルドな分即効性は期待できないこともあり、症状がでる2週間程度前から服用することをすすめています。

●内服薬:

・処方薬に「インタール」「リザベン」「ソルファ」「ケタス」「ロメット」「アレギサール」など。

・市販薬に「アレギサール鼻炎」などがあります。

●点鼻薬:処方薬に「インタール点鼻液」「ソルファ点鼻液」など。

●点眼薬:

・処方薬に「インタール」「エリックス」「アレギサール」「ペミラストン」「リザベン」「ケタス」「ゼペリン」など。

・市販薬に「アイフリーコーワAL」など。

2.受容体拮抗薬(抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬)
すでに発症した症状を抑えるのにおすすめ

ヒスタミンやロイコトリエンなどのが粘膜に結合して刺激するのを阻害します。上記の花粉症メカニズムでいうと④の現象(放出されたヒスタミンなどが鼻や喉などの粘膜にある受容体を刺激)を防ぐ目的の薬です。すでに発症してしまった症状を抑制・緩和する効果が期待できます
抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬などがあります。

■抗ヒスタミン薬は、第一世代と第二世代があります

第一世代は即効性はあるのですが、副作用が出やすく、眠気や口の渇きなどが発現しやすくなっています。第二世代は、副作用が少なく、眠気が起こりにくいと言われています。

●内服薬(第一世代抗ヒスタミン薬)

・処方薬に「ポララミン錠ペリアクチン錠」など。

・市販薬では、「エスタック」「カイゲン」「コルゲンコーワ」「レスタミンコーワ」「パブロン鼻炎カプセルSα」などがあります。



●内服薬(第二世代抗ヒスタミン薬)

・処方薬に「アレグラ」「アレジオン」「ジルテック」など。

・市販薬に「アルガード」「アレグラ」「アレジオン」「スカイナーAL錠」「ザジテン」「クラリチンEX」などがあります。

「クラリチンEX」も第二世代の抗ヒスタミン薬ですが、クラリチンEXに配合されている「ロラタジン」は抗ヒスタミン薬でありながら、ヒスタミンの放出を抑える抗アレルギー作用もあわせもつという特徴をもっています。よってクラリチンEXは花粉症が発症する前から飲み始めることをすすめられています。市販薬としてドラッグストアなどで購入できますが、まだインターネットなどの通販で購入はできません。2017年9月19日には水なしで素早く溶けて飲みやすいタイプの「クラリチンEX OD錠」を発売するようです。

クラリチンEX OD錠

市販の内服薬(抗ヒスタミン薬)を効き目と眠気で比較

花粉症薬おすすめ 相関図

●点鼻薬:

・処方薬に「リボスチン」「ザジテン」など。

・市販薬に「ザジテンAL」など。

●点眼薬:

・処方薬に「ザジテン」「リボスチン」「パタノール」「アレジオン」など。

・市販薬に「ザジテンAL」「ロートアルガードクリアブロックZ」「AGアレルカットM」など。

■抗ロイコトリエン薬

ロイコトリエンは、鼻粘膜の炎症や腫れを引き起こすため、鼻づまりの原因となります。抗ロイコトリエン薬は、ロイコトリエンの働きを抑制することで、鼻づまりなどの症状を緩和します。処方薬に「オノン」など。

3.ステロイド薬
市販薬でステロイド薬があるのは点鼻薬のみ

ステロイド薬は、副腎皮質ホルモン剤とも呼ばれており、炎症や痛みの抑制、アレルギー反応などを抑える働きがあります。効果は強力なのですが、その分副作用も強く、種類が多いのも特徴です。また、長期間使い続けると、感染症、依存症、副腎機能の抑制、胃潰瘍・十二指腸潰瘍などのリスクが高まります。

●内服薬:処方薬に「セレスタミン」「プレドニン」など。

●点眼薬:処方薬に「フルメトロン」「オドメール」「リンデロン」など。

●点鼻薬

・処方薬に「アラミスト」「ナゾネックス」「エリザス」「フルナーゼ」「リノコート」など。

・点鼻薬にのみステロイド薬の市販薬があります。

「ナザールαAR0.1%」「コンタック鼻炎スプレー」「コールタイジン点鼻液a」など。

花粉症を根本から治療する

花粉症の処方薬や市販薬は症状を抑えることができても、根本的に治すことは難しいとされています。それに対して、花粉症を根本的に治すことを目指す治療方法があります。それは免疫療法(減感作療法)と手術療法です。

免疫療法(減感作療法)

アレルギーの原因物質を極めて薄い濃度から少しづつ体に取り入れて、抵抗力をつける治療法です。

「スギ花粉症に対する舌下免疫療法」とは

「スギ花粉症舌下免疫療法」は花粉症の原因であるスギ花粉エキスの舌下液を、ほんのわずかに持続的に舌の下に投与します。それによって体がスギ花粉を異物として攻撃しないように慣れさせていくわけです。これまで注射による花粉の接種が中心でしたが、2014年から舌下免疫療法が保険適応になり、注目されています。

具体的には、自分でスギ花粉エキス舌下液を1日1回舌の下に投与し、2分間待った後飲み込みます。これを毎日3年間程度継続します。

この治療法を始めるにあたって注意するポイントがあります。“花粉飛散シーズンには行わない”ということです。花粉が飛んでいる時期に開始するとスギ花粉との接触量が増えてしまうため、花粉症の症状が悪化する恐れがあるためです。従ってスギ花粉が飛散しない、6月から11月の間に治療を開始しないといけません。

現在は12歳以上が対象ですが、2017年9月8日の厚生労働省の薬食審医薬品第二部会においてこのスギ花粉症舌下免疫療法の「舌下錠」が了承されました。このあと約1か月で正式承認される見込みです。12歳以上の患者を対象にしていた舌下液の製剤と比べ、より低年齢での投与も可能になるようです。舌下錠はこれまでの舌下液の製剤は冷蔵保存が必要だったのに対して室温保存が可能になります。1日1回1錠。舌下に1分間保持したあと、飲み込みます。その後5分間はうがいや飲食を控えます。舌下液の製剤と同様に3年程度の継続した投与が必要だとしています。

シダトレン(舌下液)

期待される「花粉米」

新し免疫療法として期待されているのが「スギ花粉米」です。「スギ花粉米」とは、遺伝子組換え技術でスギ花粉を改変させたたんぱくを蓄積させたお米のこと。このお米少量を毎日、数週間から数か月食べるだけでアレルギー症状が減少すると期待されています。このお米は農研機構が開発したもので、現在2つの病院で臨床研究が行われています。花粉症クエストでは「スギ花粉米」について、詳しくレポートしていますので、参考にしてください。

花粉ワクチンも

アステラス製薬がアメリカのベンチャー企業からスギ花粉ワクチンのライセンスを取得しました。このワクチンは「DNAワクチン」というもので、スギ花粉の成分を作り出すDNAを我々の人体の細胞に一時的に入れます。これにより一定期間、身体の中でスギ花粉成分が持続的に作り出され繰り返しワクチンを投与するのと同じ作用が得られるという仕組みです。「プラスミドベクター」という技術による遺伝子導入のため一定期間後には導入された遺伝子は分解されて無くなってしまうので安全性は高いといっています。数回のワクチン投与で根治が期待できるそうです。

2016年12月のアステラス製薬の広報発表によると、日本における第I相試験が完了した段階のようです。

*第Ⅰ相試験とは、3つの段階がある治験の最初のフェーズ。少数の健康な成人に対し初めて薬を投与するもので、主に安全性を確認するために行う試験です。

手術療法

「粘膜下下甲介骨切除術」という粘膜を残す代わりに骨を除去することでアレルギー反応をブロックする効果を狙う治療や、「後鼻神経切断手術」というアレルギー症状の発症に関与する神経(後鼻神経)を切断する手術もありますが、重篤な通年性のアレルギー症状の方がメインの対象の治療です。
花粉症では手術で鼻の粘膜を一部除去したり、鼻の粘膜にレーザーを照射し、アレルギーを起こす場を減らそうという治療が一般的です。レーザー照射は症状が相当改善するようですが、効果の持続は数年と限られているようです。

おわりに

秋の花粉症対策の原因花粉であるブタクサやイネ科などはスギ花粉と比べて小さく遠くに飛びにくいとされています。従って近づかないことが一番なのですが、この時期の花粉症の原因物質が複数にまたがっているため、どの植物が原因でアレルギー症状が起こっているのかわかりにくいという特徴があります。

原因をつきとめるには血液検査によるアレルギー検査をするしかありません。保険適用もでき、病院によって異なりますが5000円程度の費用がかかるようです。

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参照:

「鼻アレルギー診療ガイドライン2013年版」

岩野耳鼻咽喉科サージセンター