辻希美さんのブログより引用
今の時期、秋の花粉症のピークを迎えています。原因となっている花粉は、ブタクサ、ヨモギ、カナムグラ、夏から続いているイネ科など。春のスギ花粉症に次いで多くの人が秋の花粉症に悩んでいます。
どうもそのおひとりが元モーニング娘。でタレントの辻希美さんのようです。
9月14日、ご自身のオフィシャルブログ「のんピース」の中で「私ブタクサ花粉???」という内容の投稿を公開しました。
くしゃみや鼻水が止まらず、花粉症の薬を飲んでなんとか症状を抑えたようですが、そのあと副作用の眠気に襲われたようです。
その日に訪れた美容室の人から「今ブタクサ凄いよ」といわれて、辻さんはブタクサ花粉症であることを強く疑い始めた様子。春のスギ花粉症も患っているようで、「せめて花粉症は春だけが良かった。できれば春も卒業したぃ」と書き込んでいます。
ブタクサとは?その他の秋の花粉は?
ブタクサは秋の花粉症の原因となる植物のひとつです。ブタクサをはじめ、秋の花粉症の原因となる花粉の種類は複数あります。
■ブタクサ
ブタクサはキク科の一年草で、北アメリカ原産の外来種です。7月~10月頃に黄色い花をつけます。草の高さはだいたい50〜150cmです。ブタクサとオオブタクサがあります。オオブタクサはブタクサより高く2~4mになります。
ブタクサは北米軍が持ち込んだことから「マッカーサーの置き土産」とも呼ばれています。日本ではスギ、ヒノキについでブタクサが原因の花粉症患者が多いと言われていますが、”輸入元”の米国では花粉症といえばブタクサがメインで全人口の5~15%がブタクサ花粉症との統計があります。
ブタクサ花粉は飛散距離が数10cmと短いことが特徴です。ブタクサ花粉は風にのって遠く飛ぶことはないため、ブタクサに近寄らないことが一番です。
またブタクサ花粉の大きさはスギ花粉の半分程度と粒子がとても細かく気管支などにに入りやすいため注意が必要です。
■ヨモギ
ヨモギはキク科の多年草で、日本全国に自生してます。特有の香りがあり草餅にも使われる身近な植物です。お灸のもぐさ(艾)もこのヨモギからできています。とても繁殖力が強く、ブタクサ同様秋の花粉症の代表植物です。
■カナムグラ
繁殖力が強い雑草で、茎にたくさんトゲがあり、他の植物にからみながら成長していきます。道端や荒地などの日当たりの良い場所に生育します。日本全国に生えていますが、関東を中心に秋にたくさん飛散します。
■イネ科
ススキ
イネ科の花粉症はピークが2回あり、1回目は5月~6月のイネの田植えのシーズン、2回目が8月~9月の刈り入れのシーズンです。
花粉症の原因となるイネ科の植物はたくさんあります。カモガヤは5~7月、ハルガヤは4~7月、ギョウギシバは6~8月、アシやススキは8月~9月に花粉が飛散しています。
芝生にもイネ科の雑草は含まれており、欧州ではイネ科の花粉症のメインです。今年の夏は異常気象で気温が上昇したため欧州各国で例年より花粉症患者が増えたと報道されています。
秋の花粉症の症状は?
秋の花粉症の特徴は、
・原因となる植物の種類が多い
・スギ花粉と比べて原因花粉のサイズが小さめ
ということです。
スギ花粉は日本では花粉症の代名詞であり、スギ花粉のシーズンに花粉症に似た症状が起これば自分は花粉症だと気づきやすいですが、秋の花粉症は原因花粉がひとつでないことも影響してか、社会的な認知がスギ花粉症ほど広まっていないため、自分が花粉症であることに気づかないことも少なくありません。
また、秋の原因花粉の大きさがスギ花粉と比べて小さいことから、花粉が鼻の粘膜でブロックされずに口や喉まで入り込んで炎症を起こし、咳やのどのイガイガを発症することがあります。それが風邪の症状と似ているため、自分が風邪をひいていると間違えてしまうこともあります。
それでは間違えやすい秋の花粉症と風邪の症状の見分け方をご紹介しましょう。
秋の花粉症と風邪の症状の見分け方
■咳のタイプで見分ける
•「コホン」という乾いた軽いタイプ⇒花粉症
•「ゴホン」という痰(たん)が絡んだような重いタイプ⇒風邪
秋の花粉症では咳や喉のイガイガが起こることもあります。
「コホン」と乾いたタイプの咳は、気管支のけいれんや気道の炎症が原因といわれていますが、花粉症が原因の咳も一般的にこのタイプになります。
「ゴホン」という痰が絡んだようなタイプの咳は、喉の奥で炎症が起こっているためで、風邪の症状であったり、場合によっては気管支炎や肺炎の可能性もあります。咳がおさまらないときには早めに診察してもらう方がいいでしょう。
■鼻水のタイプで見分ける
•透明でサラサラな鼻水⇒花粉症
•黄色味がかった粘り気のある鼻水⇒風邪
花粉症の鼻水は涙と成分がほとんど同じであるため、無色で粘り気のないサラサラとした鼻水、いわゆる「水っぱな」で、水のような鼻水が止めどなく流れ出て、いくらかんでも次から次へと鼻水が出てきます。
一方、風邪の鼻水は白~やや黄色い色でねっとりと粘土があるものになります。風邪の鼻水には細菌やウイルスを退治した白血球が混じっているからです。
■くしゃみのタイプで見分ける
•1日に何度も出る⇒花粉症
•頻度はさほど高くない⇒風邪
一般的に風邪の場合にはくしゃみが出ても頻度は高くありません。それに対して花粉症の場合には1日に何度もくしゃみが出ます。厚生労働省のガイドブック『適切な花粉症治療のために』によると1日のくしゃみの回数が21回以上の人は花粉症の重症度レベルの中でも最重症度といわれています。
■熱で見分ける
•平熱〜微熱⇒花粉症
•微熱〜高熱⇒風邪
花粉症では高熱が出ることはほとんどなく、熱が出る場合でも微熱レベルです。
■目のかゆみで見分ける
•目のかゆみがある⇒花粉症
•目のかゆみがない⇒風邪
風邪の場合、目がかゆかったりヒリヒリすることはありません。花粉症でも目のかゆみなどの症状がないこともありますが、目のかゆみがあるときは花粉症と疑う方がいいでしょう。
咳が出るときの花粉症の市販薬は?
花粉症が原因の咳には、花粉によるアレルギー反応を抑える成分が含まれる咳止め液が役立ちます。また、鼻炎などのアレルギー症状を抑える内服薬も効果的です。
■アレルギー症状を抑える咳止め液
市販の咳止め液の中で花粉症の咳を抑える効果を期待できるものは、気管支の収縮やアレルギー症状を和らげる抗ヒスタミン薬が入っているものです。
以下の4つの咳止め液の中にはどれにも抗ヒスタミン薬のクロルフェニラミンマレイン酸塩が配合されており、花粉症などのアレルギーが原因となっている咳を鎮静する効果があります。ただし、この薬を服用するときは、抗ヒスタミン剤を含有する内服薬等などを同時に服用しないでください。またこれらの咳止め液を飲むと眠気があらわれることがあるので、車などの乗物や機械類の運転操作は避けるようにしてください。
どれもインターネット通販で購入できます。
- 15歳以上の大人で1日最大6回、計30mlまで服用可。(4時間以上間隔をあけて服用)
- 30mlの中にクロルフェニラミンマレイン酸塩が12mg含まれています。
- 鎮咳作用のあるソヨウを配合して咳を鎮める効果を高めています。
♦新ブロン液エース
- 15歳以上の大人で1日最大6回、計60mlまで服用可。(4時間以上間隔をあけて服用)
- 60mlの中にクロルフェニラミンマレイン酸塩が12mg含まれています。
- 爽やかな服用感のメントールが配合されたシロップ剤です。
♦ジキニン液D
- 15歳以上の大人で1日最大6回、計60mlまで服用可。(4時間以上間隔をあけて服用)
- 60mlの中にクロルフェニラミンマレイン酸塩が6mg含まれています。
- 鎮咳、去痰に定評のあるシャゼンソウエキスやクレゾールスルホン酸カリウムも配合されています。
♦アネトンせき止めZ液
- 15歳以上の大人で1日最大6回、計60mlまで服用可。(4時間以上間隔をあけて服用)
- 60mlの中にクロルフェニラミンマレイン酸塩が12mg含まれています。
- さわやかなレモンティー風味の液剤です。
■アレルギー症状を抑える内服薬
♦アレグラ
「アレグラFX」は抗ヒスタミン成分のフェキソフェナジン塩酸塩が配合されています。フェキソフェナジン塩酸塩はアレルギーが発症する原因となるヒスタミンの刺激を受け取るレセプター(受容体)の働きを抑えることで、鼻炎などの症状を緩和します。1日2回朝と晩の服用で効果が1日中持続します。
アレグラFXの特徴は眠気の副作用が少ないことで、薬に添付されている説明書ににも車の運転や機械の操作に関する注意書きがありません。
インターネット通販で購入できます。
♦アレジオン20
「アレジオン20」には処方薬と同量の抗ヒスタミン成分であるエピナスチン塩酸塩が含まれています。くしゃみ、鼻水などに強い効き目を発揮する一方で眠くなりにくい特徴もあります。アレグラFXと比較すると、効き目が強いのはアレジオン20、眠くなりにくいのはアレグラFXと言われています。1日1回の服用で1日中効果が持続します。
インターネット通販で購入できます。
その他おすすめの内服薬については、以下の記事をご参考にしてください。
【鼻炎薬7選】効き目と眠気で選ぶ、9月の花粉症におすすめ市販内服薬7選
おわりに
秋の花粉症は春よりも知られていません。季節の変わり目の風邪の症状と似ていることも花粉症かどうかをわかりにくくしている要因です。しかし実は患者の数が増えているのではないかという報告もあります。
もしこの時期、咳、鼻水、くしゃみなどにお悩みの方は、辻希美さんのお話をきっかけに、ご自身の症状も秋の花粉症なのかもしれないと疑ってみてください。
秋の花粉症は原因となる花粉が多数あるので、はっきり原因をつきとめるにはアレルギー検査が必要です。症状がひどくならないうちに、医師に相談してみてください。