【漢方】花粉症に効くおすすめの漢方薬とは?漢方で上手に花粉症対策

花粉症薬 漢方薬

つらい花粉症には薬で対処する対症療法が中心になります。その薬は主に西洋医学に基づくものです。西洋医学の薬は効き目が早く症状の緩和に向いています。それは症状の原因とをいわば「攻撃」するためで、効き目の副作用として本来は攻撃する必要のない健康なところまで及んでしまうことがあります。

もともと江戸時代までの日本では中国から流入してきた中医学に日本ならではの論理を付加した「日本漢方」が発展していました。明治時代にいったん衰退してしまいましたが、最近になって西洋医学では100%解決できない体の悩みに対して「漢方医学」が見直され、両者の特徴をうまく組み合わせた治療法や健康法が広がっています。

花粉症の対策においても、一般的な治療薬だけに頼らず、漢方薬を取り入れて、発生してしまった症状の緩和やそもそもの根本的な体質改善を目指す患者の方も増えているようです。

そこで今回は、「漢方医学の基本的な考え方」、「漢方医学で花粉症はどう診る?」、「花粉症向けおすすめの市販の漢方薬」などについてご紹介します。

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1.漢方医学の基本的な考え方

漢方医学の根本には『気の思想』と『陰陽論』という考え方が横たわっています。

気の思想とは

『気』とは我々の周りに普遍的に存在するエネルギー、目には見えないエネルギーと言い換えることができます。”元気の気”、”病気の気”そして”天気の気”といえばわかりやすいかもしれません。

漢方医学では、”気”の一部が液体化して体を形成し維持しているととらえています。赤色の体液を”血”、無色の体液を”水(または津液)”とよび、体の特徴や病気の状態を『気・血・水』の三要素で把握していきます。

気が基本的要素であるということは、体だけでなく心も気によって支えられていると考えます。これを『心身一如』といって、西洋医学が体という物理的側面をフォーカスするのに対して、心と体を不可分のものとして把握しようとする漢方医学の特徴的な考え方です。

陰陽論とは

古代中国の哲学者は自然界に存在する事象の中に『陰』と『陽』の二面性があり、その間には不可分の相互的作用があることを発見しました。例えば、天と地、昼と夜、男と女、最近のはやり言葉でいえば入口と出口(2017年9月現在のはやり)などです。この考え方が発展して、”虚実”、”表裏”、”寒熱”などの二元的に病気を把握する方法ができあがりました。

病態は流動する

漢方医学のもうひとつの特徴は、病態が固定的なものでなく、常に流動すると考える点です。初期の症状、ピークの症状、回復時の症状が、陰から陽、陽から陰へと、移り変わる。西洋医学がやや固定的に病態を診断・治療するのに対して、漢方医学は病態の変化を観察して、その状態にあった治療法を展開します。

漢方薬を用いる

漢方医学の治療薬としては『漢方薬』を用いることが特徴です。漢方薬には天然の植物の種、葉、茎、根などを乾燥させるなどの処置をして刻んで用いたり、貝殻や昆虫を用いることもあります。これら天然素材を”生薬”といいます。

生薬を単独で用いた薬もありますが、一般的には複数の生薬を決まった分量比で用います。この配分に先ほど述べた陰陽論などが適用されています。例えば、陽性の病態には寒薬を、陰性の病態には温薬を配合した漢方薬を用いるといった具合です。

証とは何か

漢方医学の診断のことを『証』といいます。患者のその時の状態を、気血水、陰陽、虚実、寒熱、表裏、五臓、六病理などの基準で計ることです。証がわかること、すなわち診断が下されると、それに連結している治療薬としての漢方薬が導きだされます。これを『方証相対』とよんでいます。

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2.漢方医学で花粉症はどう診る?

漢方医学の治療では、今起こっている症状を抑える治療と根本的な体質改善のふたつの面からアプローチします。花粉症におきかえると、鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの症状を治す治療とアレルギー体質を改善する治療になります。

花粉症は『水毒』

花粉症の症状は、大量の鼻水、鼻づまりや涙などを体内の水分バランスの異常ととらえて、それを『水毒』とよんでいます。水毒とは必要なところに水分が少なく、特定のある部分にたくさん溜まっている状態です。花粉症の時期にむくんでしまうという人もいますが、これもまさに水毒の現れです。 花粉症の治療では、水分の偏在を解消し、水分バランスを整える「利水剤」を用います。

症状が治まってきたらアレルギー体質改善へ

ある程度花粉症の症状が治まってきたら、アレルギー体質の改善を試みます。それには冷えや水の滞り(とどこおり・むくみ)や瘀血(おけつ・血液の滞り)を改善し、体の免疫力を高める漢方薬を用いることが多いようです。

3.花粉症向けにおすすめの市販の漢方薬

花粉症のために用いられる漢方薬の特徴は、花粉症の治療によく用いられる抗ヒスタミン薬が副作用に眠気があるのに対して、眠くなる成分が入っていないことです。また、漢方医学では花粉症は水毒ととらえているので、余分な水分を排泄する効果が期待できる薬であることです。

■小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

【第2類医薬品】ツムラ漢方小青竜湯エキス顆粒 24包

花粉症向けの漢方薬といえば小青竜湯です。

冷えた鼻などを温め、余分な水を体から排出することで、花粉症など鼻炎の症状を改善します。花粉が飛び始める直前や飛び始めの頃、すなわち症状がひどくなる前から飲み始めるとよいといわれています。

■葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)

【第2類医薬品】「クラシエ」漢方葛根湯加川キュウ辛夷エキス錠 96錠

花粉症の症状がひどくなった状態、例えば鼻水がサラサラな水というより、やや白くてネバネバしたものになったり、鼻づまりが起こってきたときにすすめられています。

■麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)

【第2類医薬品】麻黄附子細辛湯サンワロンM顆粒30包

体力が虚弱で冷え症の人で、サラサラの鼻水がとまらないような花粉症の人にすすめられる薬です。体を温める機能が弱い人では、体の中から冷えを生じます。このような、「中からの冷え」に対して麻黄附子細辛湯が使用がすすめられるそうです。

■荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)

【第2類医薬品】荊芥連翹湯エキス錠Fクラシエ 180錠

鼻づまりがひどく、黄色いネバネバした鼻水がでるような慢性的なアレルギー性鼻炎にすすめられる薬です。鼻炎が慢性化し体の状態が熱を帯びているととらえて、それを冷ます効果がある薬とされています。

■補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

【第2類医薬品】ツムラ漢方補中益気湯エキス顆粒 24包

補中益気湯は体を元気にする漢方薬です。胃腸の働きを高め、体をバリアする働きである免疫力を強化して、アレルギー体質の改善を目指す薬です。

4.漢方薬で上手に花粉症対策

漢方医学はオーダーメイド医療といわれることがあります。同じ病名でもひとりひとりの病態は異なるものととらえたり、同じ人でも時間の経過とともに病態が移り変わるとされているので、個々の病態に相対的にあった治療を施します。

従って、花粉症の治療や予防に漢方薬を検討している人は、ぜひ漢方医や専門の薬局に相談し、自分のオーダーメイド治療法をアドバイスしてもらってください。

また、漢方薬は副作用がなく安全というイメージがありますが、副作用が全くないわけではありません。西洋医学の処方薬や市販薬と一緒に服用してはいけない組み合わせもあります。もし市販の漢方薬を飲んで変だなと思ったら、早めに医師に相談してください。

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【参照】

ツムラHP

クラシエHP

「入門漢方医学」日本東洋医学会学術教育委員会編集