8月28日(月)「今日のつぶやき」は、まんじゅうさんの「みかんの皮にこんな効果があったとは。来春はこれを飲もう」のつぶやき。
まんじゅうさんが花粉症対策に来春飲もうを言っているのは、愛媛大学とらくれんが共同開発した”ミカンのチカラ『ノビレチン』とヨーグルトのチカラ『β‐ラクトグロブリン』の『N+ドリンクヨーグルト』”のことのようです。
愛媛大学の研究を基に産学官連携によって商品開発されたN+ドリンクヨーグルトの花粉症抑制効果について実際に効果ありとの論文発表。左側は眼の充血、右側は痒みです。みかんの皮にこんな効果があったとは。来春はこれ飲もう。https://t.co/2yoLXKcKwf pic.twitter.com/LO08WWpY8S
— まんじゅう (@manju_kowa_i) August 9, 2017
ヨーグルトに含まれる乳酸菌が免疫バランスを調整する効果があることはかねてより注目されていますが、ミカンの皮と乳タンパクにも花粉症抑制に効果があるようです。調べてみましょう。
ミカンの皮のノビレチン成分で花粉症抑制
ミカンの皮に花粉症に効果がありそうとその機能性に着目して研究を手掛けたのは、愛媛大学農学部附属食品健康科学研究センターの菅原卓也教授です。
愛媛大学の「最先端研究紹介 infinity」のページに2014年1月24日「食べるテクノロジーを愛媛から」というタイトルで菅原教授の研究成果が紹介されています。
それによると、
温州ミカン果皮に多く含まれるフラボノイドの一種であるノビレチンには花粉症の症状を緩和する効果があるとともに、牛乳の成分であるβラクトグロブリンと一緒に摂取することによって、その効果が高まることを明らかにしました。図2は、ヨーグルトと温州ミカン果皮をスギ花粉症モデルマウスに摂取させることによって花粉症の症状(くしゃみの回数)が相乗的に低減されたことを示しています。この研究成果をもとに、地域の食品企業と連携した商品の開発がすでに始まっています。
図2
この成果は2015年3月の日本農芸化学会でも発表されました。そこではマウスの実験だけでなく、スギ花粉症患者男女13人計26人に、温州ミカン果皮を配合したヨーグルトの症状和効果を結膜抗原誘発試験により検討した結果を発表。ヨーグルト150ミリリットルにすり潰したミカンの皮を混ぜたものを1日1回飲ませ、2週間後に花粉症の原因物質を両目に点眼し、30分後の症状を見たところ、飲み始める前と比較してかゆみなどの自覚症状が大きく低下。結膜炎の指標になる眼球表面の温度上昇も、約半分に抑えられたということです。
ノビレチンがヒスタミンをブロック
ミカンの皮にある成分のノビレチンに花粉症抑制機能があるようですが、具体的にどういうメカニズムなのでしょうか。
体の中に花粉などの異物が入ってくると排除するメカニズム「免疫」が働き始めます。その物質が次に入ってきたときにそれを排除するために、その物質だけに反応する「IgE抗体」を作るのです。このIgE抗体ができた状態を「感作」といいます。IgE抗体は「肥満細胞」という細胞の表面にくっついて体内に存在しています。
感作された状態では何の症状もおこりませんが、同じ物質が再び体内に入ってくると、IgE抗体がそれを捕まえます。捕まえたという信号によって、肥満細胞が活動を始めて細胞の中にある「ヒスタミン」や「ロイコトリエン」という化学物質(ケミカルメディエーター)を放出します。その結果、くしゃみ、鼻水、目のかゆみといった炎症、すなわちアレルギー症状(花粉症)がおこります。
つまり、ヒスタミンの放出を抑えることができれば、花粉症の症状が緩和されます。
「おいしいヒミツ」で菅原教授がインタビューを受けていますが、そこで先生はこう述べています。
「そこで、登場なのがミカンの皮なんです」
「IgEをたくさん持っていたとしても、細胞が受ける刺激を弱めてヒスタミンの放出を抑えてやれば症状が緩和されます。ミカンの皮にあるノビレチンという成分が刺激をブロックしているんです」
「ノビレチンなんですけど、皮と実だと圧倒的に皮の方に多くあります。温州みかんだとほぼ皮にしかない。ミカンジュースを飲んでもノビレチンは摂れないです。皮ごと食べないとね」
ミカンの皮にはヒスタミン放出を抑えるノビレチンが豊富に含まれており、さらに牛乳やヨーグルトの乳タンパク成分であるβ‐ラクトグロブリンと一緒に摂取することによって、その効果が高まる、という仕組みのようです。
共同開発でこんな製品が
菅原教授らの愛媛大学の研究成果をもとに、らくれんがヨーグルトドリンクを製造販売しています。
ネットでも販売しているようです。
N+ドリンクヨーグルト
また、ヨーグルト以外でも、愛媛大学とクロレラ本社とが「健康習柑ピールdeゼリー」を共同開発して販売しています。
ノビレチンとβ‐ラクトグロブリンが入っている愛媛産みかんの果皮入りゼリーです。
おわりに
以上ように、ふつうミカンを食べると捨ててしまう皮に花粉症抑制機能があるようです。野菜でも果物でも実よりも皮に栄養が豊富に含まれているあらわれのひとつですね。そしてヨーグルトや牛乳の乳タンパク成分であるβ‐ラクトグロブリンと一緒に摂取することで効果がアップするということ。ジューサーなどを持っていいる人はヨーグルトと皮ごとみかんを混ぜて花粉症対策オリジナルジュースを作ってみてもいいかもしれません。
まんじゅうさん、参考になるつぶやき、ありがとうございました!