【食物アレルギー解説】ピーナッツアレルギーに乳酸菌が効く!?オーストラリアの研究結果に注目

ピーナツアレルギー

時事通信によると、オーストラリアでピーナッツアレルギー治療法の研究の結果、治療後4年たってもピーナッツへの耐性が維持されていることがわかった。

【シドニー時事】オーストラリアの研究者らは16日、ピーナツアレルギー克服に道を開く可能性がある治療法を開発したと発表した。ピーナツアレルギーは、死に至るアナフィラキシーショックを引き起こす恐れがあり、関係者には朗報となりそうだ。
メルボルンの小児医療研究所マードック・チルドレンズ・リサーチ・インスティチュートが臨床試験を実施。ピーナツアレルギーを持つ子供たちに1年半にわたり、免疫強化の効果があるとされる乳酸菌の一種「ラクトバチルス・ラムノサス」と少量のピーナツを徐々に量を増やしながら摂取してもらった。
その結果、被験者の82%がピーナツ耐性を獲得。耐性を持った子供の8割は、臨床試験終了から4年が経過した今でも、ピーナツを問題なく食べられるという。 【時事通信社】

欧米に比べると日本ではまだなじみが薄い「ピーナッツアレルギー」ですが、食の欧米化に伴い患者が増える傾向にあります。

ピーナツアレルギーとは

ピーナッツアレルギーは幼児期になりやすいアレルギー症状です。牛乳や卵のアレルギーとは違い、耐性を獲得しづらい(成長しても食べられるようになりにくい)という特徴もあります。そばアレルギーと並んで、アレルギー反応が強く出やすく、アナフィラキシーを起こす頻度が高いことでも知られています。

ピーナッツは豆類であり、木の実類(アーモンド、クルミ、カシューナッツ、くりなど)や種実類(ごま、松の実、ひまわりの種、マスタードなど)ではありません。そのため、ピーナッツにアレルギーがあっても、木の実類や種実類をすべて除去する必要はないといわれています。ただし、カシューナッツ、ピスタチオ、アーモンド、くるみ、マカデミアナッツとピーナッツは交差反応がでる可能性あるので注意が必要です。

交差反応:アレルゲンのタンパク質の構造が似ているため、体の免疫が間違えて反応して攻撃してしまうこと。

ピーナッツアレルギーの症状

ピーナッツアレルギーは、そばアレルギーと同様に、アナフィラキシーショック等の重篤な症状を引き起こすリスクが高いという特徴を有しています。皮膚の症状だけでなく、喘息や喉の腫れによる呼吸困難といった呼吸器の症状が多くみられます。また、腹痛、下痢、吐き気、嘔吐などの消化器症状も起こしやすいです。

ピーナッツは食べた15分以内に口周辺にだけアレルギー症状(唇の腫れ、口の周りの湿疹など、喉のかゆみ)が現れる「口腔アレルギー症候群」の原因となりやすいことでも知られています。この場合は自然と症状が和らぐことがほとんどですが、時に重症化することもありますので、注意してください。

  • 皮膚のかゆみや乾燥
  • 喉の腫れやかゆみ
  • 喘息
  • 発疹
  • 蕁麻疹
  • 腹痛や下痢
  • 吐き気や嘔吐
  • 口の周辺のかゆみや湿疹
  • アナフィラキシー反応

ピーナッツアレルギーの原因

ピーナッツアレルギーの原因ははっきりわかっていません

幼児期に症状が起こることが多いことから、他の食物アレルギーと同様に消化器官が未成熟でありアレルゲンであるタンパク質を上手に消化することが出来ないのが大きな原因の一つであると考えられています。

他の食物アレルギーでは成長と共に消化器官が発達すると、症状が治まる子供が多いのですが、ピーナッツアレルギーは耐性を獲得することが困難であり、大人になっても直すのは困難といわれています。従って今回ニュースになったオーストラリアでの臨床研究の今後の進捗が期待されるわけです。

ピーナッツアレルギーの対処法

ピーナッツアレルギーの治療方法は確立していません

対処方法としては、

ピーナッツを避ける

ピーナッツそのものや加工食品を食べないことが基本になります。ピーナッツの殻を割ったときに舞い上がる粉を吸い込んだだけでアレルギー反応を起こすことや、ピーナッツクリームを食べた人とキスしたらアナフィラキシーショックを起こした人もいるようです。

ピーナッツオイルが入っている化粧品に注意する

皮膚を通して吸収されるので、ピーナッツオイルが含まれる化粧品を避けるようにしてください。

「抗ヒスタミン薬」の服用する

蕁麻疹などの症状がでたら、抗ヒスタミン薬を服用して症状を抑えることができます。

まとめ

過去、専門家はピーナッツアレルギーにならないためには幼少期に食べることを避けるよう勧めていましたが、最近の研究結果では、一定の条件下では早い時期からピーナッツバターや粉末や砕かれたピーナッツを食べてもよいし、少量を摂取する方がアレルギーになりにくいという説もでてきています。

今回ニュースとなったオーストラリアの医療機関の臨床研究のように、これから研究成果が期待される領域ですので、最新の情報を常にウォッチし、医師と相談しながら対処していくのがいいですね。