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【花粉米】知っておきたい!花粉症対策に期待の花粉米のすべて③「お米のすぐれた機能」(Part 1)

スギ花粉米

第1部では免疫について、第2部では遺伝子組換えについてお伝えしてきました。このふたつは「花粉米」を理解する上で基本になるからです。第3部からいよいよ本題の「花粉米」を徹底解剖お米ならではの機能やそれを上手に活用した免疫療法についてお伝えします。

『知っておきたい!花粉症対策に期待が高まる花粉米のすべて』

【シリーズ目次】

第1部「免疫のしくみと免疫療法」Part 1    Part 2

第2部「遺伝子組換え技術を知る」Part 1    Part 2

第3部「お米のすぐれた機能」Part 1  Part 2

第4部「スギ花粉米ができるまで」Part 1  Part 2

第5部 「国民病のスギ花粉症対策に日本の農家が役立つことを夢見て」【インタビュー】Part 1  Part 2

 

第3部「お米のすぐれた機能」(Part 1)

目次

1.舌下免疫療法のメリットと問題点

2.腸管免疫と経口免疫寛容

3.お米の機能

4.お米を利用した次世代型免疫療法

5.安全性は?

6.まとめ

1から2までが(Part 1)に、3から6までが(Part 2)の記事に掲載されています。

1.「舌下免疫療法」のメリットと問題点

舌下免疫療法スギ花粉症向けのアレルゲン免疫療法のひとつです。

「アレルゲン免疫療法」は、患者にアレルゲンエキスを投与し、免疫反応を示さない状態へと誘導することを目標とした、アレルギー性過敏症の免疫療法です。減感作〔かんさ〕療法ともいわれます。

アレルゲンエキス抗原を低濃度にして体に入れてもアレルギーショックなどが起こるリスクを下げたもの
これを少量ずつ一定期間体に取り入れることによって、体に抗原に慣れさせて過剰な攻撃をしないように誘導していくわけものです。

第1部「免疫のしくみと免疫療法」(Part 2)でお話しましたね。

舌下免疫療法2014年に保険適用になったことやアレルゲンエキスの薬を自宅で服用できるのは大きなメリットです。

しかし問題点が全くないわけではありません。それは約3年にわたって毎日薬を服用しなくてはいけないという点です。なぜこのように長期間治療が必要なのでしょうか。

舌下免疫療法の薬「シダトレン」

鳥居薬品HPより引用

舌下免疫療法では舌の下に薬をたらしますが、最初は少量の薬から始めて徐々に量を増やし体を慣らしていきます。3週目以降はこの写真の1mLを1日1回滴下します。

1mLの薬の中には、2,000JAUという分量のスギ花粉を原料としたアレルゲンエキスが入っています。

シダトレン説明文書

鳥居薬品HPより引用

これをみると10,000JAU/mLのアレルゲンエキスだと「Cry j 1」というスギ花粉中に存在する主要アレルゲンの一つが「7.3~21μg/mL」入っていますので、写真の2,000JAU/mLのボトルには「7.3~21μg/mL」の5分の1入っていることになります。         

1g=1,000mg=1,000,000μgという単位)

皮下注射法でアレルゲンエキスを投与するときは標準最大量として400JAU/mLのですので,皮下注射法の5倍の量を舌下免疫療法では毎日服用することになるのですが、それでも非常に少ないアレルゲンの分量なのです。

少ない分量なのは、ゆっくりと抗原に慣れさせるように誘導するためです。また滴下したときにアレルギーショックが起こらないようにするためでもあります。従って症状が治ったり軽減するのに時間がかかるのです。

つまり少量でゆっくり治療という方法は安全性を重視しているからですが、それはこの薬(アレルゲンエキス)がまさにスギ花粉そのものを原料としているからで、服用すると舌がビリビリする感覚がおきることもあります。

このような舌下免疫療法の問題点を改善できる可能性を秘めているのが実は花粉米なのです。

その花粉米の説明に入る前に、腸管免疫と経口免疫寛容についてお話しましょう。

2.腸管免疫と経口免疫寛容

最近腸の役割の重要性を耳にすることが多いですね。腸は消化吸収や便通に関わるだけでなく、免疫やホルモンバランス、精神など心身の健康に密接に関わる重要な器官です。

人の体の中にある免疫システムの中で、最大の器官は腸管(小腸から肛門まで)といわれています。全身のリンパ球の60%以上が腸管に集中しており、抗体全体の60%が腸管で作られています。

*免疫については、第1部「免疫のしくみと免疫療法」(Part 1)でお話ししまたので、こちらをご覧ください。

この腸管免疫システムには大きな特徴が次の二つあります

♦ 危険な病原細菌やウィルスを排除する

♦ 食品や腸内細菌に安全なものには寛容で、排除しない

ふたつめの「食品や腸内細菌に安全なものには寛容で、排除しない」これがとても重要な点です。

このことを「経口免疫寛容」といいます。

人間にとって「外部から入ってくる食べ物」は、すべて自分の体とは異なる「異物」です。これを攻撃したり排除していたら栄養がとれません。そこで口から取り入れるものだけは、異物として排除しないようにでき上がったシステムが「経口免疫寛容」なのです。この結果安全に食事をとることができているわけです。

花粉症などのアレルギー症状は本来は無害な物質に対して免疫が過剰に反応して起こるものです。
だとすれば、経口免疫寛容という特徴をもつ最大の免疫システムである腸に、花粉のような体が間違って異物と認識しているものを異物ではないと誤解を解くようにすればいいわけです。それには異物とみなされている花粉のアレルゲン物質を口から食べて腸まで届けて免疫寛容を働かせることが肝心です。

ふつう食べ物は腸に届く前に胃でほとんど消化されてしまいます。

胃と腸

ところが、口から食べて胃で消化されずに腸まで届くことができる機能をもっているものがあるのです。それがなんとお米なのです。

(Part 2に続く)

*第2部の「3 お米の機能」から「6 まとめ」までは『Part 2』に掲載されています。Part 2はこちら。

【参照】

アレルゲン免疫療法ナビ

食生活と腸管免疫・アレルギー

腸内フローラ改善計画

リセットクラブ