花粉症の辛い症状のひとつが目のかゆみや充血です。病院に行く時間の無い人は、自分に合った市販点眼薬を上手に選ぶことが大切です。そこで点眼薬のタイプの違いを説明し、評判の3つの点眼薬をピックアップして紹介します。
最初に知っておこう、薬のタイプ
花粉症対策の目薬の種類には「抗ヒスタミン薬」「抗アレルギー薬」「ステロイド薬」があります。「ステロイド薬」は症状が重い場合に病院で処方され、市販はされていません。よって、市販薬を選ぶ際には「抗ヒスタミン薬」「抗アレルギー薬」の違いを知っておく必要があります。
人は病原体が体内に入ってくると抗体がつくられ、次にその病原体が入ってきたときは抗体が抗原を攻撃して病気になるのを防ぎます。花粉症などのアレルギー症状を発生している人は、抗体が体が入ってきたアレルゲンに過度に反応してしまい、マスト細胞という細胞からヒスタミンなどの化学物質を放出。それがアレルギー症状を起こします。
目薬を選ぶ上でキーポイントになるのがヒスタミンです。ヒスタミンがアレルギー症状を起こす原因なので、
(1)発生してしまったヒスタミンが症状を起こすのを抑える
のか
(2)ヒスタミンそのものが発生するのを防ぐ
かの観点から検討する必要があります。
(1)のタイプを「抗ヒスタミン薬」、(2)を「抗アレルギー薬」と言います。
「抗ヒスタミン薬」はすでに花粉症によるかゆみなどの症状が発生している時期に使用するものです。即効性がありますが、効果はあまり長く持続しません。
「抗アレルギー薬」は花粉飛散開始1~2週間前より予防のために用いたり、飛散初期の症状が軽い時期にに使用されるものです。
それでは人気の市販点眼薬を紹介しましょう。
リピートも多い「ロートアルガードクリアブロックZ」
目のかゆみなどの症状がひどく、即効性を期待する時は「ロートアルガードクリアブロックZ」がおすすめです。また、爽快感がなくても構わないのであれば「ロートアルガードクリアマイルドZ」でもよいでしょう。
この2つはメントールが入っているか否かの違いなので、根本的な効果は同じ。好みで選んでください。
メーカーの商品説明をみてみましょう。
「アルガード史上、最強の処方設計!」と書いてあります。その理由はかゆみを抑えるクロルフェニラミン、アレルギーの原因物質が放出されるのを防ぐクロモグリク酸、目の炎症を抑えるプラノプロフェンが最大量配合されているからで、目のかゆみや炎症に最も効く薬とメーカーが太鼓判を押しています。またダメージを受けた角膜を保護するコンドロイチンも配合されています。
1回1~2滴、1日4回点眼します。
「そこまでひどくない」という方は、クロルフェニラミンの分量を半分にした「ロート アルガード クリアブロックEXa」(爽快感あり)や「ロート アルガード クリアマイルドEXa」(爽快感なし)でも問題ないでしょう。
3つの働きでブロック「ザジテンAL点眼薬」
「ザジテンAL点眼薬」は花粉症の軽い症状を感じた時から症状がひどくなった時まで使用できる薬です。その理由は、アレルギーを引き起こすことをブロックする抗アレルギー作用、既にあらわれてしまった症状を鎮める抗ヒスタミン作用、症状を繰り返し起こりにくくする抗炎症作用の3つがあるからです。
「ザジテンAL点眼薬」は処方薬のザジテン点眼薬と同じ成分の「ケトチフェンフマル酸塩」を含んでいます。
ケトチフェンフマル酸塩は抗アレルギー成分で、抗アレルギー・抗ヒスタミン・抗炎症の3つの作用でアレルギー症状を抑えます。
1回1〜2滴を1日4回点眼します。
症状の軽い早めの時期から「アイフリーコーワAL」
「アイフリーコーワAL」は処方薬のゼペリン点眼液と同じ成分の「アシタザノラスト水和物」を含んだア抗アレルギー成分の点眼薬です。
「アシタザノラスト水和物」には、細胞膜を安定化して破れにくくする作用があり、ヒスタミンなどが放出されるのを抑えることで目のアレルギー症状の発生を防ぎます。
1回1~2滴、1日4回点眼します。
まとめ
花粉症対策の点眼薬を選ぶには、「発生してしまった症状を抑える」目的なのか、「花粉症発生を防ぐ」目的なのかにより薬のタイプが変わってきます。前者が「抗ヒスタミン薬」、後者が「抗アレルギー薬」です。
今日おすすめした3つの点眼薬では、つらい目の症状には「ロートアルガードクリアブロックZ」、症状の予防には「アイフリーコーワAL」」、軽い症状がひどくなるのを防ぐには「ザジテンAL点眼薬」と覚えておくといいでしょう。
この3つの点眼薬とも「セルフメディケーション税制」対象のスイッチOTC医薬品です。節税効果も期待できますね。
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*写真や図表はメーカーのHPより引用