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【花粉症薬】子ども向け『アレジオン ドライシロップ」を自主回収、遺伝情報の変化を起こす可能性物質が限度を超えて検出

【花粉症薬】子ども向け『アレジオン ドライシロップ」を自主回収、がん誘発リスク物質による

2021年3月15日、主に子ども向けに処方される、花粉症などのアレルギー向け飲み薬「アレジオンドライシロップ1%(エピナスチン塩酸塩ドライシロップ製剤)」から、変異原生(遺伝情報に変化を起こす作用)物質に分類される可能性がある分解質が、許容の限度値を超えて検出されたとして、製造販売する製薬会社の「日本べーリンガーインゲルハイム」とジェネリック大手3社(沢井製薬、東和薬品、日医工)が自主回収することがわかりました。
健康被害は確認されていないということです。

(2021年3月17日編集部注:記事初出時に「がん誘発リスクの物質」と記載していましたが、WAL1725CLの発がん性は確定したものではないことから、「変異原生(遺伝情報に変化を起こす作用)物質に分類される可能性がある分解質」に訂正しました)

自主回収の対象

アレジオン ドライシロップ1%

アレジオン ドライシロップ1%

自主回収の対象は、先発品「アレジオンドライシロップ1%」(日本ベーリンガーインゲルハイム)、後発品である「エピナスチン塩酸塩DS小児用1%「サワイ」」(沢井製薬)、「エピナスチン塩酸塩DS小児用1%「トーワ」」(東和薬品)、「エピナスチン塩酸塩DS小児用1%「日医工」」(日医工)の4製品です。

これら薬は、アレルギー性の鼻炎やじんましん、湿疹などの治療薬として子ども向けに処方されていますが、「日本べーリンガーインゲルハイム」が自主調査を行った結果、変異原生(遺伝情報に変化を起こす作用)物質に分類される可能性がある分解質が許容の限度値を超えて検出されたということです。

各社は、薬の使用が直ちに重篤な健康被害につながる恐れはないが、健康被害が生じる可能性を完全には否定できないことから、2021年3月15日から使用期限内の全製品の自主回収を始め、新規の出荷も停止。現在のところ、供給再開の見通しは立っていません。

各社によりますと、これまでに健康被害の情報は入っていないということで、今後物質が許容の限度値を超えて検出された原因などを調査し、厚生労働省に報告するといっています。

なお、錠剤の「アレジオン錠20」「アレジオン錠10」は許容限度以内であることから、回収の対象ではありません。

「アレジオン錠20」とは

どんな薬?

  • ・第2世代抗ヒスタミン薬のエピナスチン塩酸塩が1錠あたり20mg含まれています。
  • ・ヒスタミンなど体内で放出されたアレルギーの原因物質をブロック(抗ヒスタミン作用)したり、放出自体を抑制(抗アレルギー作用)します。
  • ・好酸球の活性化・遊走を抑えることにより、鼻炎症状の悪化を防ぎます。(抗炎症作用)
  • ・眠気が起こりにくいとされていますが、服薬後の車の運転は禁止されています。
  • 口が渇きにくいです。
  • 空腹時でも服用可能です。
  • スイッチOTC医薬品で、セルフメディケーション税制対象商品(*)があります。

(*)セルフメディケーション税制対象商品については、こちらの記事 https://kafunq.com/selfmedication/ をご参照ください。

アレジオン20

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Point! 抗ヒスタミン薬とは

花粉症の症状は体内でヒスタミンなどの物質が放出されることが契機となっています。抗ヒスタミン薬は放出されたヒスタミンをブロックして症状が起きるのを防ぐお薬です。(抗ヒスタミン作用)

抗ヒスタミン薬の中でも古くに開発された第1世代と呼ばれるお薬は、脳に影響して眠気やインペアード・パフォーマンスなどを引き起こしやすいこと、また抗コリン作用と呼ばれる口の渇きがあることが特徴です。

第2世代の抗ヒスタミン薬では一般的にこれらの副作用を改善しています。また、第2世代のお薬には症状を引き起こすヒスタミンが体内に放出されないよう元から抑える作用(抗アレルギー作用)も合わせもつタイプがあります。

どんな効能や効果?

花粉やハウスダストによるくしゃみ、鼻水、鼻づまりに、1日1回で24時間効果をしっかり発揮します。

注意することは?

主な副作用として、頭痛、眠気、吐き気、胃の不快感、腹痛、口の渇き、発疹、かゆみ、動悸、鼻血、月経異常、むくみなどが報告されています。このような症状に気づいたら、医師または薬剤師さんに相談してください。

肝臓病のある人は、肝障害の悪化や再燃に注意が必要です。

何歳から服用できる?

15歳以上です。

飲む量や回数は?

1日1回1錠、就寝前の服用で1日長く効きます。

➡エピナスチン塩酸塩が含まれるアレルギー性結膜炎向けの点眼薬もあります。

アレジオン点眼液0.05%とアレジオンLX点眼液0.1%

➡花粉症の飲み薬、強くて眠くなりにくいのはどれ?

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