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大気中で悪性化した花粉アレルゲンは呼吸器系疾患の原因に~埼玉大学 王青躍教授(みんなのアレルギーEXPO2018)

アレルギーやシックハウス症候群、化学物質過敏症などの環境由来の健康問題を取り上げるイベント「みんなのアレルギーEXPO2018」が10月15日、16日の2日間にわたって開催されました。エキスポでは、食品やグッズなどの展示に加えて、アレルギーに関係する取り組みや情報をセミナーで紹介。その中から、大気環境問題の国際的な研究者である埼玉大学 王青躍教授のPM2.5や花粉アレルゲンに関するご講演の概要をご紹介します!

1.講演の概要

王青躍教授のセミナーのテーマは、「都市部PM2.5中の有害成分や花粉アレルゲンの挙動」。

PM2.5などの大気微粒子とは何か、どのようにしてPM2.5が発生するのか、それらは大気中でどのような影響を受けているのか、花粉は大気飛散中にどうなるのか、悪化した花粉アレルゲンが身体に及ぼす影響やその対策とは、といった内容です。

2.微粒子の大きさ

都市部の大気中にはさまざまな微粒子が飛んでいます。

王教授「日本では環境省が定める環境基準の粒径10μm以下の粒子を浮遊粒子状物質として環境保全施策をすすめてきましたが、最近ではPM2.5 、更にはPM0.1という”超微小粒子”が都心部で多く観測され、環境基準よりもっと小さい粒子の対策を強化すべきではないかとの議論が高まっています」

髪の毛の直径が約70μm、スギ花粉が30μmなので、PM2.5がいかに小さい粒子かがわかる。

粒子が小さくなれば、私たちの健康にもさまざまに影響を及ぼします。

王教授「花粉などの大きい粒子であれば、鼻の中までしか入れません。しかし微小粒子は呼吸器系、さらには肺胞といった身体の奥まで侵入するという研究結果が報告されています。すると気管支炎や喘息が起こったり、酷い場合には肺がんが起こることもあります。発展途上国では近年、肺がん発症率の上昇がとても問題視されています」

一般の人は、粒子というと球形をした物質を想像するかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。

王教授「PM2.5とは、”大気中で1000分の2.5ミリメートルの粒子のような浮遊をする物質”という意味で、必ずしも球形である必要はありません。また、PM2.5内部の成分に決まりはありません。

以下の写真をみてください。これらの物質はすべてPM2.5に相当します」

3.微粒子の形成

さまざまな形や成分のPM2.5が大気中に浮遊しているわけですが、これらはどのように発生するのでしょうか。

王教授「PM2.5の発生源は複数です。たとえば、車や飛行機などの移動発生源、あるいはボイラーや工場、レストランなどの固定発生源、植物や火山などの自然発生源があります。さらには、農業や野焼きなどの活動から発生したり、黄砂のように遠方から飛来してくるものもあります」

王教授「PM2.5には2系統からなる発生メカニズムがあります。ひとつは例えば工場や自動車から発生するもので、最初から粒子となって発生します。これを一次粒子とよびます。一方、最初はガスだったものが太陽光などの影響で変化して粒子になるものです。これを二次粒子とよびます。

それらの成分をみると、硫酸塩、硝酸塩、アンモニア、塩化物、炭素、化石、金属などから組成されていることがわかります。

最近ではウイルスや花粉、ダニといった生物由来の物質から組成されるPM2.5が多く観測されているのが特徴的です」

『PM2.5と花粉症は関係している』という学説は王先生が初めて発表したものですが、花粉より微小な粒子であるPM2.5と花粉症との間にはどんな関係にあるのでしょうか。

王教授「PM2.5の中には花粉から放出された”花粉アレルゲン”が含まれていることがあります。そして、私の研究結果によれば、花粉症に実際に関係するのは、花粉量よりも、花粉アレルゲンの濃度であるといえます。

例えばスギ花粉でいえば、花粉の表面や内部に、Cry j 1、Cry j 2という花粉症の原因物質が1000分の数パーセントの割合で含まれています。花粉全体がアレルギー物質ではなく、このたった1000分の数パーセントがやっかいなんです

Cry j 1は花粉表面に、Cry j 2は花粉内部に存在する。

花粉表面に存在するユービッシュ小体。その中にアレルゲンが存在する。

花粉表面をさらに拡大したもの

王教授「上のスライド写真をみておわかりのように、アレルゲンは非常に小さい物質です。従って簡単に気管支系などの身体の奥まで入り込みます。それだけでなく、汗をかいたときに毛細血管から浸透することもあります。

これらの物質が本当に花粉アレルゲンかどうかを特別な顕微鏡を使って調べた結果が下のスライド写真です。アレルゲンでなければ蛍光色に光りません。この試験によってナノレベルの小さい粒子に花粉アレルゲンが存在していることを証明することができました」

王教授「このような現象はスギやヒノキの花粉に限ったものではなく、秋の花粉症の原因となるブタクサなどでも、花粉内部からアレルゲンが放出されることがあります」

王教授「私の研究で、スギ花粉の花粉アレルゲンは黄砂に含まれるカルシウムイオンによって花粉の外に放出されやすい性質であることがわかりました。黄砂が飛んでいる時期に小雨が降ると花粉症の症状が重く感じられるのはそのためです。

雨の水分で花粉が膨張、それに耐えられなくなった花粉が破裂して内部から花粉アレルゲンが放出されたり、花粉表面から花粉アレルゲンが剥離します。こうやって花粉アレルゲンが含まれる微小粒子が発生するのです」

水分で花粉が膨張する様子

雨と花粉の接触でアレルゲン含有粒子が発生するメカニズム

4.健康への影響

花粉アレルゲンに代表されるように、大気中に浮遊する微小粒子は私たちの健康になんらか影響を及ぼします。

王教授「近年、大気中の微小粒子が原因による心臓病や小児の呼吸器系疾患が、途上国だけでなく欧米でも多く報告されています」

王教授「その原因のひとつはディーゼル排気ガスが花粉アレルゲンなどの微小粒子を悪性化するからです。もともとアレルギーの原因物質だったものに毒性の強い物質が付着すると、発がん性物質になることも否定できません。それを身体に吸入しているうちに、身体の中でがんの”イニシエーション”が始まってしまうのです」

大気中のなんらかの原因で花粉からアレルゲンが放出され悪性物質に修飾されてしまう流れ

王教授「花粉症は、原因物質である抗原(花粉アレルゲン)と身体の中にできた抗体が結合すると、発症します。そこで、茨木や多摩など郊外で捕獲したきれいな花粉を抗体と結合させる実験をしたところ、どの花粉でも結合の強さは一緒でした。しかも、一定時間が経過すると抗原は抗体から離れていく、つまり症状が治まるということです。ところが、埼玉でみつけたある花粉はこの結合が他のものよりも1万倍も強かった。さらにいったん結合すると離れない。これほど強い毒性には驚きました。都心部の微小粒子がひどく悪性化していることを示しています」

王教授「都心部の大気中に浮遊している花粉アレルゲンはさまざまな汚染物質によって修飾され、毒性が強くなっています。そのような凶悪なものを吸引していれば、健康へ悪影響を及ぼすことは間違いありません」

5.対策法

大気中に存在している悪性化した大気微小粒子に対して、私たちはどのように対処したらいいのでしょうか。

王教授「日本は環境基準は10μmですが、例えば花粉アレルゲンはPM1.0以下のサイズであるように、環境基準を守っているだけではとても健康被害を防ぎきれません。そこで、みなさん個人でできる対策法をいくつかご紹介します。

呼吸器系の健康を保つには、常に体調管理を徹底することが大切です。その上で、黄砂や花粉が多く飛んでいたり、大気汚染が激しい日には、できるだけ外出を避けてください。幹線道路など交通量の多い場所での運動は避けましょう。室内ではPM2.5対応の空気清浄機などを上手に活用してください。花粉の飛散時期には早めに薬を服用したり、外出時にはPM2.5対応のマスクを着用します。私はトドマツ精油アロマをマスクや車にスプレーして、花粉対策をすることもあります」

王先生とエステー化学が開発したマツの自然成分による空気浄化用のアロマ

王先生「最後にまとめとして、大気微小粒子に関して重要な情報は、量より質です。大気中の粒子濃度を気にすることももちろん大切ですが、それ以上に粒子の中身に注意を払うべきです。花粉情報も、現在提供されているような花粉飛散量の情報だけでなく、花粉アレルゲンの濃度や質に関する情報提供が必要だと考えています」

アレルギー疾患が国民病といわれる背景には、花粉アレルゲンのように大気中で汚染された微小粒子にも原因があることがわかりました。

王先生、貴重なご講演をありがとうございました!

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