fbpx

お米を食べてスギ花粉症対策!スギ花粉米とは~みんなのアレルギーEXPO2018

アレルギーやシックハウス症候群、化学物質過敏症などの環境由来の健康問題を取り上げるイベント「みんなのアレルギーEXPO2018」が10月15日、16日の2日間にわたって開催されました。エキスポでは、食品やグッズなどの展示に加えて、アレルギーに関係する取り組みや情報をセミナーで紹介。その中から、農業・食品産業技術総合研究機構(以下、農研機構)が研究開発し、現在臨床研究を実施している「スギ花粉米」について、農研機構 高野誠さんの講演概要をご紹介します!

1.花粉症を治すには

高野氏「アレルギーを引き起こす原因物質をアレルゲンといいますが、アレルゲンそのものに毒性があるわけではありません。しかし、一度、体が過剰に反応し免疫反応を起こしてしまうと、スギ花粉症やハウスダストアレルギーになってしまいます。

そこで、私たち農研機構は、免疫系が過剰に反応しなくてもいいように、体の慣れを誘導する、すなわち『免疫寛容を起こす』ことを目的とした研究を行ってきました」

アレルギーは非毒性物質による免疫反応

高野氏「現在すでに免役寛容を用いた治療法が存在しています。皮下免役療法(注射法)や舌下免疫療法と呼ばれる減感作療法です。これらは確かに優れた治療法ではありますが、毎日の手間がかかる、それが3年から5年も続くというように、すべての患者さんが実行しやすいものとはいえません」減感作療法

高野氏「そこで私たちは、患者さんの負担がもっと軽くすむように、スギ花粉のアレルゲンをお米の中に組み込んで、それを食べるだけで減感作療法と同様の効果が得られないかと考えて研究を進めてきました。具体的にはスギ花粉のアレルゲンを安全な形に改変した上で、それを遺伝子組換えでお米の中に導入しました。その結果、食べてもスギ花粉症を起こさずに免疫寛容を誘導できるお米を作ることができたのです」

コメによる経口免疫寛容の誘導

2.なぜお米なのか

高野氏「どうしてお米を食べるだけで免疫寛容が誘導できるかというと、腸管にポイントがあります。

腸には食べ物だけでなく有害な細菌が入ってくることがあります。腸には人の体の60%のリンパ球に集まっており、その免疫機能は体に害が及ぼすと認識したものを攻撃し排除します。しかし体に必要な食べ物や有用な細菌には攻撃しません。このように安全で有用な食べ物に対して攻撃しないで寛容であることを『免疫寛容』といいますが、腸に免役寛容を誘導できればアレルギーの原因物質が体に侵入してもアレルギーを発症せずにすむはずです」

腸管は人体最大の免疫器官

高野氏「免役寛容を引き起こしてアレルギーを治すには継続的な対応が必要になります。そうであれば薬を毎日服用するよりも、日々の生活でやっていることで自然と治れば理想的です」

お米を使う利点

高野氏「そこで注目したのがお米です。お米には優れた特長があります。お米の成分の多くはでんぷんですが、タンパク質も約7%あります。そのタンパク質には、胃や腸で消化されて栄養になるもの(PB-Ⅱ)と、胃で消化されにくいもの(PB-Ⅰ)の2種類があります。腸管免疫を誘導するには、物質が腸まで届く必要がありますが、一般的に食べ物は多くが胃で消化されて腸まで届くことができません。しかしPB-Ⅰであれば腸まで届き、長い腸管を通過している間に一部が体に吸収されていくのです。つまり、免疫寛容を効率よく起こすことができるのです。

まとめると、腸管免疫を誘導するには腸までアレルゲンを届けなければならない。そのために私たちはお米のPB-Ⅰにスギ花粉の改変したアレルゲンを遺伝子組換えで蓄積させ腸まで届くようにしたのです。その結果、毎日のご飯を食べるだけで免疫寛容が効率よく行われるようになるのです」

お米の断面図

3.有効性を確認するために

高野氏「研究開発の結果、スギ花粉米はできましたが、それを皆さんに食べていただく前に安全性を評価しなくてはいけません。そのため動物を用いた安全性の試験を複数行いましたが、すべて問題はありませんでした」

動物を用いた安全性試験

高野氏「安全性に加えて効果があるのかを試す試験も行いました。マウスを用いた有効性評価において、スギ花粉米を食べているマウスはくしゃみが少なかったり、血液検査で有効性が確認ができました」

モデルマウスを用いた有効性評価

高野氏「また、ニホンザルを用いた試験も行いました。花粉症を自然発症したサルにスギ花粉米を食べさせると、何頭かのサルの血液検査で有効性が確認できました」

ニホンザルを用いた有効性の評価

高野氏「動物実験で安全性や有効性が確認できましたので、今度はヒトでの有効性試験を実施しています。東京慈恵会医科大学と大阪はびきの医療センターで、2016年11月から2シーズンに渡って、スギ花粉米のパック米を患者さんに1日1パック食べてもらう研究を行っています。

この研究でスギ花粉米のパック米を食べた人はトータルで60名ほどいらっしゃいますが、少なくとも副作用が出たなどの有害な事象はありませんでした。ちょうど今、花粉症の症状の改善がみられたかどうかの結果を分析している最中です。分析の結果、人への有効性が確認できれば、企業がスギ花粉米を商品として実用化できる可能性が広がります」

ヒトでの有効性の確認

高野氏「今回はスギ花粉米のお話をしましたが、この技術はスギ花粉だけでなくヒノキ、ダニなど他のアレルギーにも応用が可能です。スギ花粉米の先にさまざまな発展ができるものと期待しています」スギ花粉米の発展性

高野さん、貴重なご講演をありがとうございました!

➡スギ花粉米の開発ストーリー(農研機構 高野氏のインタビュー)

スギ花粉米 パック米

【花粉米】「国民病のスギ花粉症対策に日本の農家が役立つことを夢見て」

➡人気の「アレグラFX」と同じ成分で価格が安め!

アレルビ

アマゾンで買う
【第2類医薬品】アレルビ 56錠 ※セルフメディケーション税制対象商品