Malus domestica:リンゴ(Apple)
Prunus persica:モモ(Peach)
- 7歳から19歳の食物アレルギーの第1位です。
- 口腔アレルギー症候群を起こしやすいです。
生息地果物(リンゴ・モモなど)
注意する時期一年中
主なアレルゲンPR10 (リンゴはMal d 1、モモはPru p 1、キウイはAct d 8、セロリはApi g1)
LTP (リンゴはMal d 3、モモはPru p 3) プロフィリン(リンゴはMad 4)
何が原因?
果物に含まれるタンパク質です。防御たんぱく質(Pathogenesis-related protein type 10: PR10)やプロフィリンやPR-14に属する脂質輸送たんぱく質(Lipid transfer protein: LTP)が主な原因です。
PR10は植物がストレスを感じるときに増えるタンパク質で、熱や消化酵素に分解されやすい特徴があります。LTPの方は熱や酵素で分解されにいタンパク質です。LTPが関与する場合は症状が重症で、モモの缶詰やアップルパイなど加熱された食品を食べても症状が出てしまいます。
Point! リンゴの栄養
リンゴポリフェノールは抗酸化作用があり、美容や老化防止に効果的です。赤い皮にその成分が多く含まれています。そして、ミネラルのカリウム、ペクチンやセルロースなどの食物繊維が豊富です。 風邪のときに”すりおろしりんご”を食べるのは、ペクチンの粘膜保護作用とリンゴ酸の消炎効果を期待したもの。 消化・血行をよくしてくれます。
リンゴ
モモ
アレルギーの特徴は?
最近フルーツを食べた後に唇が腫れてしまったり、口の中が痒くなったり、目や顔が腫れてしまったりする口腔アレルギー症候群や花粉食物アレルギーと言われるアレルギーの人が増えてきています。
Point! 果物アレルギーとは
果物アレルギーは食物アレルギーです。
果物アレルギーの多くはPR-10というタンパク質が原因になり、PR-10が原因の場合は口に入れてすぐ反応が現れる事が多いので口腔アレルギー症候群(OAS)と言われたり、花粉との交差反応が原因の事が多いので花粉食物アレルギーなどと言われたりします。
口が腫れたり、ピリピリとした違和感を感じるので大量に食べる前に気づく事多いのですが、気づかずに食べると下痢や蕁麻疹などを起こすことがあります。
摂取量が多いとアナフィラキシー(*)になることもあります。(*)アナフィラキシーとは、アレルギーの原因物質(アレルゲン)が身体に侵入したことで、急性の過剰反応が起こり、蕁麻疹などの皮膚反応、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状などが複数おこる症状。アナフィラキシーに血圧低下や意識障害を伴う場合をアナフィラキシーショックと呼ぶ。
対策は?
症状がでるようになったら食べないのが一番です。
加熱しても防げない果物アレルギーもあります。その場合はケーキ、ジャム、缶詰のように加熱加工していても症状がでることがあります。
♥仲良しアレルギー♥
*交差反応を起こしやすいアレルギーを仲良しアレルギーとして紹介しています。
ハンノキなどカバノキ科の主要なアレルゲンとバラ科の果物などに含まれるアレルゲンの形が似ているので交差反応が起きやすいことが理由で、果物野菜アレルギーが起こります。
リンゴ、サクランボ、モモ、ナシ、イチゴ、プラムなどのフルーツ以外にアーモンドもバラ科の食べ物なので注意が必要です。
(編集部注:ヨモギ花粉症でも桃を食べると果物野菜アレルギーが起こると報告されています)

(監修者)伊藤潤先生のプロフィール
順天堂大学医学部呼吸器内科学講座 准教授 / 病棟医長 兼任 国立病院機構相模原病院 客員研究員
医学博士。呼吸器、アレルギー、総合内科の専門医資格を持っており、主に喘息やアレルギー疾患の治療と研究を行っている。
- 2002年3月 東邦大学医学部卒業
- 2002年4月 順天堂大学医学部附属順天堂医院 内科臨床研修医
- 2005年4月 順天堂大学呼吸器内科入局
- 2011年4月 順天堂大学医学部大学院博士課程卒業
- 2012年4月 越谷市立病院呼吸器内科 医長
- 2012年7月 国立病院機構相模原病院 医員
- 2014年9月 順天堂大学医学部呼吸器内科学講座 助教
- 2021年6月 順天堂大学医学部呼吸器内科学講座 准教授
東邦大学医学部在籍中は美術部に所属。2009年から2019年まで日本免疫学会主催のイベント「免疫ふしぎ未来」のポスター原案を手掛けている。
(日本免疫学会HPより)
2018年5月には、アレルギー検査結果を医師が患者さんにわかりやすく簡潔に説明するための本『アレルギー検査のミ・カ・タ』を上梓した。
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➡2021年10月発売「解いて学ぶ!おとなの食物アレルギー」は伊藤先生がすべての挿絵を提供!7ケースの執筆も担当しています。
「解いて学ぶ! 「おとな」の食物アレルギー: 思春期~成人の食物アレルギー43のCase Study」
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「咳のことはDr.AIちゃんにきけ!!」(著)順天堂大学・伊藤潤先生
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コメント
リンゴ🍎を食べて…喉がムズムズ?
しかも、リンゴの実を触った手で、うっかり目を触ってしまった時、何と目のふちから水ぶくれのように(白目の所)嫌な思いをします!
リンゴの汁を触った手はすぐに洗いうように気お付けています!
もう一つ、不思議な事も、
知り合いから、産直の無農薬リンゴ?
農薬を使っていない、自家用リンゴを
綺麗に洗い、皮ごと食べました!
どうした事でしょうか、ムズムズが全くありません…
この違いは残留農薬の有無でしょうか?
コメントありがとうございます。
ひとつひとつのリンゴの中のアレルゲンの量は育成された環境や調理する方法でも異なるようなので、農薬と無関係とはいえないかもしれません。
ただ、鈴木様がリンゴアレルギーでしたら、無農薬であっても食べるのを避ける方がよろしいかと思います。万が一重篤な症状が出ると大変です。
リンゴは美味しいし、栄養価も高いので、食べたくなるのは重々承知の上のお願いです。
どうぞお大事にしてくださいね。