「スギ花粉米入りパック米」や「少花粉スギ」もあった!「1月23日は花粉対策の日」知ってた?【みんなのアレルギーEXPO2017レポ】

みんなのアレルギーEXPO 花粉ブース

花粉症はアレルギー疾患のひとつです。2017年10月10日、11日に開催された「第3回みんなのアレルギーEXPO2017」には花粉症の関連企業や団体も多数出展していました。その中から花粉症クエスト取材班がこれは!と思う展示をピックアップしてご紹介します。

1.これがスギ花粉米入りのパック米だ!~農研機構

・スギ花粉米入りパック米はこれ

花粉症クエストではおなじみの農研機構のブースには、現在2つの医療機関で臨床研究がおこなわれているスギ花粉米のパック米が展示されていました。

アレルギーエキスポ スギ花粉米

スギ花粉米が入っているパック米

市販されているパック米の量は200グラムが一般的ですが、スギ花粉米入りパック米はその半分のサイズ。この中にふつうのお米と一緒にスギ花粉米が含まれています。食べ方は1分間チンするだけ。熱を加えてもアレルゲン免疫療法の要である改変型アレルゲン成分が変わらないところも、花粉米の特長のひとつです。臨床研究を実施している東京慈恵会医科大学の齋藤三郎教授によると、治験者の方々にこのパック米はとても美味しいと評判のようです。

➡慈恵医大・齋藤教授のインタビューはこちら

花粉症の症状の根治・緩和に副作用が少ない「スギ花粉米」はスギ花粉症対策食品として実用化を【インタビュー】

・アレルゲン免疫療法を説明

農研機構 お米の成分

お米の構造をわかりやすく解説

アレルギーエキスポ 農研機構ポスター

スギ花粉米のアレルゲン免疫療法のメカニズムを紹介

農研機構のブースではパック米の展示以外にも、アレルゲン免疫療法のメカニズムやそのメカニズムの中で重要な役割を果たすお米の顆粒「プロテインボディⅠ」の説明などを行っていました。

2.1月23日は花粉対策の日~花粉問題対策事業者協議会

1月23日といえば220年に三国志の曹操が死んだ日で、「1(いいE)23(ふみ)」のごろで電子メールの日と制定されています。ところがそれだけではありません。

・1月23日は花粉対策の日

日本記念日協会により認定されたのが「1月23日は、花粉対策の日」。これは花粉問題に取り組む企業や研究機関による協議会「花粉問題対策事業者協議会(JAPOC)」が登録申請し、認定をうけたものです。

春の花粉対策は1月・2月・3月がポイントであることから、123と覚えやすい数字が並ぶ1月23日に決定されたそうです。この日付けあたりから花粉症対策を始めると花粉飛散ピークの時につらい症状が和らぐかもしれません。よく覚えておきたいですね。

・JAPOCは花粉対策製品の認証機関

これまで空気清浄機やマスク、メガネといった花粉対策製品・用品は、メーカー独自の試験基準に基づき製品・用品を提供しており、同一分野の製品・用品同士で比較できる明確な指標はありませんでした。
そこでJAPOCでは、花粉対策をうたっている製品・用品の測定試験の基準を策定し、空気清浄機、マスク、メガネの試験法・基準の規格を基にした認証制度をはじめました。

眼鏡 花粉対策認証

花粉症に悩む消費者にとって、製品や用品を選択するときの目安になって便利です。認証を受けた製品・用品を確認したいときには、こちらのサイト(認証された花粉対策製品)をご覧ください。

3.花粉の少ないスギの開発元~森林研究・整備機構

・地方自治体と共に地域にあった無花粉スギや少花粉スギを開発

2017年衆院選で希望の党が公約のひとつに「花粉症ゼロ」を掲げたことで、無花粉スギや少花粉スギに注目が集まっています。これまでもいくつかの地方自治体の少花粉スギの苗木の生産や植樹について報道がされています。

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これらの無花粉スギや少花粉スギ品種の開発の元を担っているのが、「国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所」です。

森林総合研究所 無花粉スギ 少花粉スギ

森林総合研究所の無花粉スギと少花粉スギ

森林総合研究所が開発した花粉症対策スギをベースにして、北海道を除く全国の地方自治体とその地域にあった新しい花粉症対策スギ品種を開発。2017年3月末の時点において少花粉スギ142品種、低花粉スギ11品種と無花粉スギ3品種が開発されています。少花粉ヒノキも55品種が開発されています。すでに関東では約7割のスギの苗が花粉の少ないタイプのものになっているそうです。これらが順次植え替えられえていけば、春の花粉飛散の低減も期待できそうです。

・飛散予測の裏付けに全国でスギの花のつき具合を調査

2016年春まで環境省より花粉飛散予測が発表されていましたが、現在は民間企業による花粉飛散予測が充実してきたことを理由に終了されています。その2つの民間企業の2018年春の花粉予測が真逆となったことは、大きくニュースで取り上げられ話題になりました。

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2016年春まで発表されていた環境庁の予測に協力してきたのが、森林総合研究所です。スギ花粉が飛散する量は秋から冬にスギの木に花がどの程度ついているかに大きく左右されます。それを全国約20か所の森林において調査し、来る春の花粉量を推測します。花粉飛散の予測は前年の夏の天候の状態が根拠となりますが、それに加えて秋から冬のスギの花のつきかたを調査することで、飛散予測根拠のバックアップができ、精度を高めることができるのです。

環境庁からの花粉飛散予測は実施されなくなりましたが、森林総合研究所では現在も継続的に森林調査を行っているとのことですので、貴重な調査結果をこれからも活用してほしいですね。

4.花粉の少ない森づくり~東京都

・「花粉の少ない森づくり募金」にご協力を

「花粉症ゼロ」を掲げる小池百合子氏のお膝元、東京都では積極的に花粉の少ない森づくりを推進しています。

東京都 少花粉スギ東京都と東京都農林水産振興財団のブース

東京多摩地区の森林の約6割がスギ・ヒノキの人工林。戦後に大量に植林されたものの、貿易自由化で海外から安い輸入木材が入ってきたせいで、人工林の伐採・植え替えが遅れてしまいました。それを新たに開発された少花粉スギに植え替えるべく様々な取り組みをしています。

東京都 小花粉スギ

東京都の少花粉スギ品種

東京都といえば経済規模の小さい国家よりも大きい予算を動かす巨大組織といわれていますが、その予算を使うだけでなく草の根運動的に「花粉の少ない森の募金」活動を行っています。例えば1500円の募金があるとスギ1本を切り出し少花粉スギに植え替えることができるそうです。募金の実績は2017年3月末までで352,710,292円と公表されています。築地豊洲問題のすったもんだがなければ、その資金で東京都の花粉症ゼロがよりスピーディーに実行できたのでは、と思ってしまうのは行政の素人だからでしょうか。

5.まとめ

花粉症クエスト取材班が「みんなのアレルギーEXPO」を取材したのは今年が初めてです。想像してたよりも花粉・花粉症関連ブースが多く出展ていたことに、改めてアレルギー疾患の中で花粉症が占める割合の多さを認識しました。今回ご紹介したブース以外でも興味深い花粉関連製品が展示されていましたので、それらは後日レポートします。