現在検査できるアレルゲンコンポーネントは?
保険診療内で測定できるものが増えているよ
- アレルゲンの構成成分をアレルゲンコンポーネントといいます。
- コンポーネントの検査も組み合わせると検査の感度やアドバイスが高まります。
- 保険適用で測れるコンポーネントが増えてきました。
検査できるコンポーネントは?
2016年に保険適応で測れるようになったアレルギーコンポーネント(*アレルゲンの構成成分)はGly m 4とHev b 6.02があります。
- Gly m 4
大豆由来:ハンノキやシラカバ花粉症が原因で発症しているかどうか推測できます。大豆の粗抗原(*)の中で含有量が少ないため、Gly m 4を検査することで大豆アレルギー検査の感度を上げることができます。
(*)アレルギーの原因を調べる検査に使用されるアレルゲンは、その原料から適当な緩衝液で抽出される。それを粗抗原エキスとよぶ。粗抗原エキスの中にアレルゲンの構成成分であるアレルゲンコンポーネントも含まれている。
- Hev b 6.02
ラテックス由来:特異度が高い(*)ので粗抗原の検査で陽性になった人が疑陽性なのか本当に陽性なのかの補助診断に使用できます。
*特異度が高いと確定診断に有用である。
2015年に保険適応で測れるようになったアレルギーコンポーネントはAra h 2があります。
- Ara h 2
ピーナッツ由来:特異度が高く、Ara h 2が陽性の場合には食事負荷(*食べるなどして試験すること)するとほぼ100%陽性になるため、あえて負荷試験をしなくてもよいです。Ara h 2が陽性の場合には今後の食事指導やアナフィラキシー対策をしっかりする必要があります。
その前から保険適応になっているアレルゲンコンポーネントにはカゼイン(牛乳由来)、α-ラクトグロブリン(牛乳由来)、β-ラクトグロブリン(牛乳由来)、ω-5-グリアジン(小麦由来)、オボムコイド(卵由来)などがあります。
アレルゲンコンポーネントが近年重要視されていて、保険診療内で測定できるコンポーネントが年々増えています。他にも色々検査できますが、上記以外はまだ保険適応ではないため、研究目的などで測定すると1項目につき約5000円の実費がかかってしまいます。
粗抽出アレルゲンによる検査だけでなく、コンポーネントの検査も組み合わせる事で、より細やかなアドバイスができるようになるんだ。保険適応で検査できるアレルゲンコンポーネントが今後はもっと増えてくるかもしれないね。
(監修者)伊藤潤先生のプロフィール
順天堂大学医学部呼吸器内科学講座 准教授 / 病棟医長 兼任 国立病院機構相模原病院 客員研究員
医学博士。呼吸器、アレルギー、総合内科の専門医資格を持っており、主に喘息やアレルギー疾患の治療と研究を行っている。
- 2002年3月 東邦大学医学部卒業
- 2002年4月 順天堂大学医学部附属順天堂医院 内科臨床研修医
- 2005年4月 順天堂大学呼吸器内科入局
- 2011年4月 順天堂大学医学部大学院博士課程卒業
- 2012年4月 越谷市立病院呼吸器内科 医長
- 2012年7月 国立病院機構相模原病院 医員
- 2014年9月 順天堂大学医学部呼吸器内科学講座 助教
- 2014年9月 順天堂大学医学部呼吸器内科学講座 准教授
東邦大学医学部在籍中は美術部に所属。2009年から2019年まで日本免疫学会主催のイベント「免疫ふしぎ未来」のポスター原案を手掛けている。
(日本免疫学会HPより)
2018年5月には、アレルギー検査結果を医師が患者さんにわかりやすく簡潔に説明するための本『アレルギー検査のミ・カ・タ』を上梓した。
➡これ一冊でアレルギーの知りたかったことがわかる!
➡2021年10月発売「解いて学ぶ!おとなの食物アレルギー」は伊藤先生がすべての挿絵を提供!7ケースの執筆も担当しています。
「解いて学ぶ! 「おとな」の食物アレルギー: 思春期~成人の食物アレルギー43のCase Study」
➡伊藤先生の最新本(2020年3月発売) 咳の種類をわかりやすく教えてくれる!
「咳のことはDr.AIちゃんにきけ!!」(著)順天堂大学・伊藤潤先生
➡人気の「アレグラFX」と同じ成分で価格が安め!
【第2類医薬品】アレルビ 56錠 ※セルフメディケーション税制対象商品
➡2022年1月に新登場!アルピタット史上最強