果物アレルギーについて詳しく解説
果物を食べて口がイガイガしたり腫れたら注意
- 7歳から19歳の食物アレルギーの第1位です。
- 口腔アレルギー症候群を起こしやすいので注意してね。
- 保険診療でアレルギー検査できるよ。
果物アレルギーとは
果物アレルギーになると、フルーツを食べた後に、唇が腫れてしまったり、口の中がかゆくなったり、目や顔が腫れてしまったりする口腔アレルギー症候群が起こります。
果物アレルギーは感作経路の違いによって大きく2つに分けられます。
一つは花粉を吸いこんで感作され、その花粉のアレルゲンと交差反応するアレルゲンを持つ果物を食べたときに発症するもの、もう一つは果物が腸を介して、あるいは皮膚を介して感作されて発症するものです。前者のアレルゲンにはシラカバやハンノキなどのカバノキ科花粉アレルゲンと共通抗原性をもつBet v 1ホモログとプロフィリンがあります。後者にはLipid Transfer Protein (LTP)やGibberellin-Regulated Protein (GRP)があります。
Point! 果物アレルギーが起こるのは?
- すでに感作した花粉アレルゲンと交差反応する果物を食べたとき
- 腸や皮膚を介して感作した食べ物を食べたとき
Bet v 1ホモログとは
Bet v 1は生体防御タンパク質の10群(PR-10)で、多くの植物の中にある生命維持にとって必要なタンパク質です。果肉にも果皮にもあり、果物アレルゲンとしてバラ科(リンゴ、モモ、アンズ、サクランボなど)以外にキウイフルーツなどにも存在しています。熱に弱いので生で食べた時は症状がでますが、加熱処理したジャムや缶詰では症状がでません。
*Bet v 1ホモログはシラカバやハンノキなどのカバノキ科花粉アレルゲンと共通抗原性をもつので、カバノキ科花粉症の方はリンゴ、モモ、アンズ、サクランボ、キウイなどに注意してください。
プロフィリンとは
プロフィリンは真核生物が共通にもつアクチン結合性タンパク質で、花粉、果実、葉、根にあります。バラ科以外の果物ではキウイフルーツ、オレンジ、ライチ、メロン、バナナなどにあります。こちらも熱に弱いので生で食べた時は症状がでますが、加熱処理したジャムや缶詰では症状がでません。
LTPとは
LTPは果皮に分布していて、微生物やカビの侵入を抑えている生体防御蛋白の14群(PR-14)です。果物アレルゲンとしてバラ科だけでなくキウイフルーツ、バナナ、柑橘類、ブドウなどにあります。熱や酵素処理でも変化しにくく、LTPのアレルギーでは加工食品や缶詰でも症状がでることがあります。
GRPとは
GRPはLTPと分子が近く特性も似ています。抗菌活性を持っているジャガイモのsnakinやモモのpeamaclein(Pru p 7)がGRPです。LTPと違って果肉にも果皮にも分布しています。熱や酵素処理でも変化しにくく加工食品や缶詰でも症状がでることがあります。
Point! 交差反応とは
花粉のアレルゲンと果物のアレルゲンの形が似ているために、身体が間違ってアレルギー反応することを交差反応といいます。花粉症をお持ちの方は交差する果物や野菜にご注意ください。
ハンノキ・シラカンバ | バラ科(リンゴ・西洋ナシ・サクランボ・モモ・スモモ・アンズ・アーモンド)セリ科(セロリ・人参)ナス科(ポテト)マタタビ科(キウイ)カバノキ科(ヘーゼルナッツ)ウルシ科(マンゴー)シシトウガラシなど |
スギ | ナス科(トマト)ウリ科(メロン・スイカ)マタタビ科(キウイ) |
ヨモギ | セリ科(セロリ・人参)ウルシ科(マンゴー)スパイスなど |
ブタクサ | ウリ科(メロン・スイカ・カンタローブ・ズッキーニ・キュウリ)バショウ科(バナナ)など |
プラタナス | カバノキ科(ヘーゼルナッツ)バラ科(リンゴ) レタス トウモロコシ 豆科(ピーナッツ・ヒヨコ豆) |
イネ科 | ウリ科(メロン・スイカ)ナス科(トマト・ポテト)マタタビ科(キウイ)ミカン科(オレンジ)豆科(ビーナッツ)などなど |
(「鼻アレルギー診療ガイドライン2020」より引用)
保険診療の範囲内で検査できるフルーツのアレルギーは他にもバナナ、オレンジ、グレープフルーツ、イチゴ、洋ナシ、スイカ、メロン、マンゴー、アボガドなどがあります。
伊藤潤先生がやさしく解説!
それぞれの果物アレルギーについては順天堂大学 伊藤潤先生の解説をご覧ください。(以下の項目をクリックすると解説ページにジャンプします)
●リンゴ・モモ アレルギーとは
果物(リンゴ・モモ) アレルギー |【花粉症クエスト】アレルギー辞典
●キウイ アレルギーとは
果物(キウイ) アレルギー |【花粉症クエスト】アレルギー辞典
●スイカ・メロン アレルギーとは
果物(スイカ/メロン) アレルギー |【花粉症クエスト】アレルギー辞典
(監修者)伊藤潤先生のプロフィール
順天堂大学医学部呼吸器内科学講座 准教授 / 病棟医長 兼任 国立病院機構相模原病院 客員研究員
医学博士。呼吸器、アレルギー、総合内科の専門医資格を持っており、主に喘息やアレルギー疾患の治療と研究を行っている。
- 2002年3月 東邦大学医学部卒業
- 2002年4月 順天堂大学医学部附属順天堂医院 内科臨床研修医
- 2005年4月 順天堂大学呼吸器内科入局
- 2011年4月 順天堂大学医学部大学院博士課程卒業
- 2012年4月 越谷市立病院呼吸器内科 医長
- 2012年7月 国立病院機構相模原病院 医員
- 2014年9月 順天堂大学医学部呼吸器内科学講座 助教
- 2021年6月 順天堂大学医学部呼吸器内科学講座 准教授
東邦大学医学部在籍中は美術部に所属。2009年から2019年まで日本免疫学会主催のイベント「免疫ふしぎ未来」のポスター原案を手掛けている。
(日本免疫学会HPより)
2018年5月には、アレルギー検査結果を医師が患者さんにわかりやすく簡潔に説明するための本『アレルギー検査のミ・カ・タ』を上梓した。
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