アレルギーを検査する方法には何があるの?
アレルギーを検査する方法を教えるよ
- アレルギー検査には、①特異的IgE抗体検査、②皮膚テスト、③リンパ球刺激試験、④ヒスタミン遊離試験、⑤好塩基球活性化試験、⑥特異的IgG抗体検査などがあるよ
- 皮膚テストにはプリックテストやパッチテストがあるよ
アレルギー検査の種類
アレルギー検査の方法の種類には①特異的IgE抗体検査、②皮膚テスト、③リンパ球刺激試験、④ヒスタミン遊離試験、⑤好塩基球活性化試験、⑥特異的IgG抗体検査などがあります。
- ①特異的IgE抗体検査
このアレルギー入門は特に①特異的IgE抗体検査について記載しているので、別の章で詳しく説明します。
- ②皮膚テスト
プリックテストやパッチテストがあります。
プリックテストは疑わしいアレルゲンを皮膚の上に滴下し、針で皮膚に傷をつけてその部分が腫れたり、赤くなってくるかどうかを見る検査です。必ず腫れる液体(ヒスタミン溶液)と腫れないはずの液体(食塩水)も一緒に検査してヒスタミンの腫れ方の1/2より大きく腫れたものは陽性と判断します。観察期間が短く即時型アレルギー(Ⅰ型アレルギー)を見るのに適しています。有用な検査ですが、手間の割に検査で得られる金額が少ないことなどから本気でアレルギー診療をやっている先生でないとやらなくなってきています。
パッチテストは疑わしいアレルゲンを専用の容器(フィンチャンバー)に塗布してそれを背中に張り付けて48時間後に剥がします。剥がしてから2時間後、48時間後、72時間後、5~7日後に判定して赤く腫れていたり、水疱を作っていたものを陽性と判断します。観察期間が長く、遅延型アレルギーを見るのに適しています。主に皮膚科の先生が行っています。
Point! 即時型と遅延型アレルギー
即時型アレルギーはⅠ型アレルギーともいい、IgE抗体が関係しています。主な病気には、食べてすぐ症状が現れる食物アレルギーやアナフィラキシー、花粉症、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、じんましんなどがあります。
遅延型アレルギーは数時間~数週間後に症状が出ます。金属が原因の接触性皮膚炎などがその例です。
- ③リンパ球刺激試験
血液中のリンパ球と、原因となるアレルゲンや薬剤とを掛け合わせたときにリンパ球が刺激されるかどうかを見る検査です。主に薬剤によって皮疹が出た時に検査します。陽性率は30~50%程度と高くないので、結果が陰性であっても完全に否定できるものではありません。
- ④ヒスタミン遊離試験
血液中の好塩基球と、原因となるアレルゲンや薬剤と掛け合わせたときにヒスタミンというアレルギー反応をおこす物質がどれだけ放出されるかを見る検査です。
- ⑤好塩基球活性化試験
血液中の好塩基球と原因となるアレルゲンや薬剤と掛け合わせたときに好塩基球が活性化されるかどうかを見る検査です。陽性と判断する明確な基準がまだ確立されておらず、2018年現在ではまだ保険適応外の検査です。
- ⑥特異的IgG抗体検査
保険適応外の検査であり、採血した検体を海外に送って検査結果を得るために検査費用が何万円もかかります。しかも、食物抗原特異的IgG抗体は食物アレルギーがない健常な人にも存在する抗体です。食物アレルギー確定診断としての負荷試験の結果と一致しません。血清中のIgG抗体のレベルは単に食物の摂取量に比例しているだけです。このため、IgG抗体検査結果を根拠として原因食品を診断し、陽性の場合に食物除去を指導すると原因でない食品も除去してしまうことになります。多品目に及ぶ場合は健康被害も招く恐れがあるとして米国、欧州、日本のアレルギー学会、日本小児アレルギー学会ではこの検査の有用性を公式に否定しています。
特異的IgG抗体検査を食物アレルギーの原因食品の診断法としては推奨しないことを学会の見見解として発表(日本小児アレルギー学会)
(監修者)伊藤潤先生のプロフィール
順天堂大学医学部呼吸器内科学講座 准教授 / 病棟医長 兼任 国立病院機構相模原病院 客員研究員
医学博士。呼吸器、アレルギー、総合内科の専門医資格を持っており、主に喘息やアレルギー疾患の治療と研究を行っている。
- 2002年3月 東邦大学医学部卒業
- 2002年4月 順天堂大学医学部附属順天堂医院 内科臨床研修医
- 2005年4月 順天堂大学呼吸器内科入局
- 2011年4月 順天堂大学医学部大学院博士課程卒業
- 2012年4月 越谷市立病院呼吸器内科 医長
- 2012年7月 国立病院機構相模原病院 医員
- 2014年9月 順天堂大学医学部呼吸器内科学講座 助教
- 2021年6月 順天堂大学医学部呼吸器内科学講座 准教授
東邦大学医学部在籍中は美術部に所属。2009年から2019年まで日本免疫学会主催のイベント「免疫ふしぎ未来」のポスター原案を手掛けている。
(日本免疫学会HPより)
2018年5月には、アレルギー検査結果を医師が患者さんにわかりやすく簡潔に説明するための本『アレルギー検査のミ・カ・タ』を上梓した。
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