「アレサガテープ」(医療用医薬品、経皮吸収型テープ)は、花粉症などのアレルギー性鼻炎の治療に、皮膚に貼って薬を投与するテープ剤です。2018年に発売されました。
ここでは、アレサガテープの特徴、薬価、子どもへの適用、市販薬の有無、同じ成分(エメダスチン)の経口薬レミカットとの違いなどをご説明します。
また、アレサガテープを使用した方々の評判もお伝えします。
目次
1.アレサガテープとは
「アレサガテープ」とは、アレルギーの「アレ」と久光製薬の九州本社がある佐賀県の「サガ」からとった名前です。
サロンパスに代表されるように、久光製薬は貼って皮膚から薬を送りこむ「経皮薬物送達システム」(TDDS:Transdermal Drug Delivery System)の開発製造に実績があります。
「アレサガテープ」はその経皮薬物送達システム技術を用いて開発した全身に適用できるテープ剤で、エメダスチンフマル酸塩という第2世代抗ヒスタミン薬を皮膚から体内に投与していく薬です。
●TDDS(経皮薬物送達システム)のしくみ
TDDS製剤を皮膚に貼ると、放出された薬物は皮膚に移行します。皮膚では、主に角質層を経て表皮中に送り込まれ、さらに真皮を透過して毛細血管より吸収されることで体内に送り込まれます。
(久光製薬HPより引用)
来週新しく発売のアレルギー性鼻炎の薬。なんとテープ剤!世界初。
1枚で24時間持続。ホクナリンと同じ感じですね。
今のところは成人にしか適応がないけどこどもにも使えるようになったときに未来が変わる。#アレサガテープ pic.twitter.com/FeBxSOhCYL— あいず (@aizuyusuke) April 16, 2018
2.エメダスチン(レミカット)はどんな薬?
アレサガテープに含まれる薬は「エメダスチンフマル酸塩」です。
エメダスチンは以前より処方薬(医療用医薬品)「レミカット」、そのジェネリック(後発医薬品)である「エメロミン」という商品名で経口薬として販売されています。レミカットやエメロミンはカプセル剤です。
エメダスチンは第2世代抗ヒスタミン薬に分類される薬で、第1世代よりも眠気の副作用が弱いものの、同じ第2世代抗ヒスタミン薬であるアレグラ、クラリチン、デザレックスなどと比べると眠気に注意が必要で、添付文書には車などの運転禁止が書かれています。
■自動車などの運転を注意すべき旨の記載なし
- アレグラ、クラリチン、ディレグラ、ビラノア、デザレックス
■自動車などの運転を禁止または注意すべき旨の記載あり(眠気に注意)
- レミカット、アレジオン、エバステル、ジルテック、タリオン、ザイザル、アレロック、ルパフィン、ザジテン
➡処方薬と同じタイプの市販薬を知っているとなにかと便利です↓↓
【2021年版】花粉症処方薬の効き目と眠気の比較や同じタイプの市販薬の有無~アレグラ、ザイザル、アレロック、タリオン、ビラノア、デザレックスなど
3.アレサガテープの服薬方法、レミカットとの違い
●基本情報
アレサガテープの基本情報を確認しましょう。
- 販売名:アレサガテープ 4mg、アレサガテープ 8mg
- 一般名:エメダスチンフマル酸塩
- 効能・効果:アレルギー性鼻炎
- 用量・用法:通常、成人にはエメダスチンフマル酸塩として 1 回 4mg を胸部、上腕部、背部又は腹部のいずれかに貼付し、24 時間毎に貼り替える。なお、症状に応じて 8mg に増量できる。
- 製剤の大きさ: 8cm²(アレサガテープ 4mg)16cm²(アレサガテープ 8mg)
- 薬価:67円(4mg1枚)92.5円(8mg1枚)*2021年1月14日時点
- 対象:成人(15歳以上)。小児は対象に入っていません。
- 後発医薬品(ジェネリック医薬品)や市販薬:無し
- 車の運転:禁止
●レミカットとの違い
カプセル剤のレミカットは1日2回朝食後・就寝前に服用するのに対し、アレサガテープは自分の決めた時刻に1日1回貼付するだけです。
レミカットの効能効果が「アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、痒疹」と記載があるのに対して、アレサガテープの効能効果は「アレルギー性鼻炎薬」のみとされている点が異なります。
副作用としてどちらも眠気や口の渇きがありますが、アレサガテープは貼った箇所にかぶれがでることがあります。
レミカットもアレサガテープもどちらも15歳以上の成人が対象で、小児には適用できません。
4.アレサガテープはどんな人に適している?
アレサガテープに適しているのは、
- 薬を水で飲みこむのが苦手、難しい患者さん
- 服薬状況を目で見て管理したい患者さん
などです。
経口薬には口にいれてスッと溶けるOD錠もありますが、例えば嚥下が難しいお年寄りにはテープ剤の方が便利でしょう。
また、親が子どもの服薬管理をする場合に目で確認できるテープ剤は安心な手段といえます。現在、アレサガテープは小児は対象になっていませんが、将来的にはテープを半分に切って貼付が可能になるような処方を検討してほしいものです。
5.長期処方が可能に!市販薬は無い
アレサガテープは2018年4月24日に発売された新薬なので、処方可能な薬の量は最大2週間分(14枚)のテープでしたが、2019年5月1日から2週間分という制限がなくなり、1か月分などの長期処方が可能になりました。
アレサガテープと同じタイプの市販薬(スイッチOTC医薬品)はまだ発売されていません。(2021年1月14日時点)
6.使用者の評判
アレサガテープを処方した医師の話やネットのつぶやきから、アレサガテープの評判をまとめてみました。(*良い点、気になる点とも個人差があります)
(良い点)
- ・30分程度で効果が現れた。
- ・24時間以上は効果が持続する。
- ・飲む薬よりも貼る方が使いやすい。
- ・半分に切っても効果があった。
(気になる点)
- ・眠気が強く出ることがある。
- ・皮膚がかぶれたり、ピリピリすることがある。
- ・入浴のタイミングが気になった。
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コメント
ありがとうございました。
これは医者で処方してもらうのかな?薬局で売ってるの?
コメントありがとうございます。アレサガテープは病院で処方してもらうお薬です。市販薬ではありません。近い将来スイッチOTC医薬品になるといいですね。
お大事にしてください。