8月中旬ごろから10月にかけて、ブタクサというキク科の植物による花粉症で悩む方がいます。
ここでは、ブタクサ花粉症の特徴、花粉飛散時期、治療法や対策法、おすすめの花粉症薬などについて、わかりやすく解説します。また、ブタクサと間違えられることがあるセイタカアワダチソウについてもご説明します。
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目次
1.ブタクサとは
●ブタクサとは
画像は、https://www.dailymail.co.uk/health/ より引用
ブタクサは、キク科ブタクサ属の一年草で、高さは30〜150cmぐらいになります。北アメリカ原産の外来種ですが、現在では全国に分布しています。
8月~10月頃に花をつけます。関東周辺では8月下旬から9月上旬に飛散ピークになることが多いようです。
ブタクサ花粉は風媒花(*風の媒介によって受粉が行われる)ですが、同じ風媒花のスギやヒノキの木の花粉のように数十~数百キロと遠くまで飛ぶことはありません。早朝に多く飛びますが、葉などに落ちた花粉が風や乾燥の影響で再飛散することがあるので、午後でも注意が必要です。
ブタクサ花粉の大きさは20μm前後で、30μm程度のスギ花粉と比べると小型です。表面がデコボコしており、破裂しやすいとされています。花粉が小さく、破裂しやすい特徴のせいか、目や鼻の粘膜を通り抜けて気管支に入り、咳やノドのイガイガ、喘息の原因になりえます。
ブタクサ花粉(埼玉大学 王青躍研究室提供)
●オオブタクサとは
クワモドキの別名があるオオブタクサは、ブタクサ同様にキク科ブタクサ属の植物です。北アメリカ原産の一年草で、高さが1~3mにもなります。外来種ですが、全国に分布しています。
花期はブタクサ同様8月~10月です。オオブタクサとブタクサの葉の形は異なりますが、顕微鏡で見た花粉の形はそっくりで、ほとんど同じです。
2.8月~11月のブタクサ飛散状況
ブタクサ属の花粉飛散状況を地域別に確認しましょう。
【地域別】ブタクサ属飛散カレンダー
2020年版鼻アレルギー診療ガイドラインより引用
通常、関東や東北地方では8月中旬ごろからブタクサ花粉が飛び始めます。全国で9月がピーク。10月まで飛散が続き、11月になるとほぼ終息します。
花粉症クエストでは、埼玉大学 王青躍研究室と共同で、毎日、花粉観測データを公表しています。主に都心部でのブタクサ花粉飛散状況のご参考にしてください。
3.ブタクサ花粉症の特徴
季節性アレルギー性鼻炎であるブタクサ花粉症は、スギ花粉症やイネ科花粉症の症状と同じです。
ただし、花粉の大きさが20μmと小さめであることや、デコボコして破裂しやすいことから、咳、ノドのイガイガ、気管支喘息のような症状を起こしやすい傾向があります。
また、草の花粉の特徴として、スギなどの木の花粉のように上から降ってくるのではなく、下から舞い上がるので、背の低い子供がかかりやすい傾向があります。
ブタクサ花粉症の主な症状は以下の通りです。
・鼻水
・鼻づまり
・くしゃみ
・目のかゆみ
・目の充血
・ノドのイガイガや痛み
・咳
・喘息
・皮膚のかゆみ
・果物アレルギー
ブタクサ花粉と似ているタンパク質をもつ果物を食べるとアレルギー反応が起こる果物アレルギー(*正式には「花粉-食物アレルギー症候群」(Pollen-Food Allergy Syndrome-PFAS)という)のことも知っておく必要があります。詳しくは後述の第5章をご覧ください。
●コロナや風邪との違い
ブタクサ花粉の飛散がピークとなる9月は、夏と秋の季節の変わり目でもあり、ブタクサ花粉症の症状を風邪の症状と間違えてしまうことがあるようです。
また、感染拡大しているコロナの症状と見分けるポイントも抑えておきましょう。
①発熱
発熱がある場合には、コロナか風邪を疑います。高熱の場合には、コロナの可能性があります。
②黄色い鼻水
花粉症の鼻水はサラサラした水っぱなです。ネバネバした黄色い鼻水の場合には風邪を疑います。
③目のかゆみ
目のかゆみがある場合には、花粉症を疑います。
詳しくは、日本医科大学大学院 大久保公裕先生が解説した動画をご参照ください。(*1)
4.ブタクサ花粉症の治療法
ブタクサ花粉症の治療法は、スギ花粉症などのアレルギー性鼻炎と同様に、第2世代抗ヒスタミン薬(飲み薬)、点鼻ステロイド薬(鼻スプレー)、アレルギー性結膜炎向け点眼薬(目薬)による対症療法が中心です。
病院で処方される第2世代抗ヒスタミン薬(飲み薬)にはどのような種類があるのか、効き目と強さで比較しました↓
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また、病院に行きにくい時に、病院の処方薬と同じタイプの市販薬を知っていると何かと便利です。市販の花粉症薬を強さ、眠気、服薬回数、価格で比較しましたので、ご参考にしてください。
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5.花粉-食物アレルギー症候群とは
花粉-食物アレルギー症候群(*口腔アレルギー症候群、果物アレルギーともいう)は、花粉症の人があるフルーツ・野菜・ナッツなどを食べたときに口の中や唇に違和感やしびれ、顔面の腫れ、呼吸困難感が出現する症状のことをさします。
花粉のアレルゲン(*花粉症になる原因物質)のタンパク質と特定の食べ物のタンパク質の構造が似ているため、体の免疫が誤解して反応してしまうことが原因です。これを交差反応といいます。
ブタクサ花粉と交差反応性を指摘されている食べ物としては、以下のようなものがあります。
- ・ウリ科(メロン、スイカ、ズッキーニ、きゅうりなど)
- ・バナナ
- ・セロリ
これらの症状は時間とともに治まっていきますが、反応が強い場合、じんましんや、呼吸困難などの症状がでるアナフィラキシーショックをおこす可能性もありますので、注意してください。
【花粉-食物アレルギーに関係のある果物や野菜】
「鼻アレルギー診療ガイドライン2020」より引用
6.似ている「セイタカアワダチソウ」とは?
セイタカワダチソウは、ブタクサとよく間違えられます。キク科アキノキリンソウ属の多年草で、高さ1~2.5mぐらいになります。北アメリカが原産で、ほぼ全国で繁殖しています。
花期は9月下旬から10月中旬ごろですが、ブタクサと異なり、花粉が虫で運ばれる虫媒花です。花粉の形は突起物がついてデコボコしています。
「花粉症のための花粉検索ハンドブック」(花粉研究会著、昭和56年版)によると、セイタカアワダチソウも花粉症の原因植物のひとつとして報告されています。
また、埼玉大学大学院 王青躍教授は、一般的に花粉が遠くまで飛ばない虫媒花であっても、花粉が破裂して微小粒子になれば風に飛ばされやすく、花粉症の原因になりえると言います。
7.まとめ~予防するには?
日本医科大学大学院 大久保公裕教授によると、かつて日本では、草の花粉が原因の花粉症の中でブタクサ花粉症が最も多かったものの、近年、ブタクサだけを食べる虫が広がり、今はイネ科花粉症の方が増えているそうです。
しかし、ブタクサと同じキク科のセイタカアワダチソウ、ヨモギとは、共通抗原性(*体が誤ってどちらにもアレルギー反応すること)を持つことから、ブタクサ花粉症の方はしっかり花粉対策をして予防しましょう。
対策の第一は、花粉が飛ぶ日中に、河川敷、公園など草むらに近づかないことがです。
外出時には、マスクやメガネを着けてください。
帰宅時には、手洗い、うがい、鼻うがい、目洗いを行ってください。症状が重い方は、すぐにシャワーを浴びる方がいいでしょう。
9月、10月はブタクサだけでなくヨモギやカナムグラ、イネ科花粉も飛散し、それらが原因の花粉症である可能性もあります。アレルギーの原因を特定するにはアレルギー検査を早めに行ってください。
(参考)
「花粉症の真実」佐橋紀男・岸川禮子著
「花粉症のための花粉検索ハンドブック」(花粉研究会著、昭和56年版)
「鼻アレルギー診療ガイドライン2020」
(*1)大久保公裕教授が理事長のNPO花粉症・鼻副鼻腔炎治療推進会YouTubeチャンネルより
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