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秋の花粉症とは《前編:原因花粉の種類・症状の特徴・口腔アレルギー》ふたばクリニック・橋口一弘院長が解説!

なぜだか秋になると、体調がすぐれない、鼻水が出る、喉がかゆい、といったお悩みはありませんか。その原因のひとつが、「秋の花粉症」なんです。秋はブタクサ、ヨモギなど花粉症の原因となる複数の花粉が飛散することから、何に反応しているのかわかりにくい。また、季節の変わり目で風邪の症状と間違えることもあるので、自分が花粉症と気づかない「隠れ秋の花粉症」の人も少なくないようです。

そこで、花粉症クエストとNPO花粉症・鼻副鼻腔炎治療推進会が共同で連載している名医が教える!花粉症の治し方」では、NPO花粉症・鼻副鼻腔炎治療推進会の理事で、ふたばクリニック院長の橋口一弘先生に、「秋の花粉症の種類、症状の特徴、治療や対策法」「風邪やハウスダストアレルギーとの見分け方」について解説していただきました。

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1.秋の花粉症の種類

  • Q:秋の花粉症の原因となる花粉を教えてください。

・ブタクサ/オオブタクサ(クワモドキ)

(橋口先生)

ブタクサオオブタクサは北米原産のキク科の1年草です。ブタクサは明治初期に、オオブタクサは第2次世界大戦の頃に日本に入ってきました。もともと日本にはなかったので外来種ということになりますが、戦後の経済発展とともに日本中に拡大してきて、1960年ごろからブタクサ花粉症が問題となってきています。

欧米で花粉症といえばブタクサが主要な原因花粉です。特に米国では半数以上の人がブタクサ花粉に感作(*アレルギー反応がおこりうる状態)しており、PM2.5などの大気汚染物質とともに気管支喘息の悪化因子として注意喚起されていると報告されています。

日本のブタクサ花粉の飛散シーズンは8月から10月にかけてで、9月にピークを迎える地域が多いようです。また、関西ではブタクサ花粉症の患者さんが最も多いという調査結果があります。

ブタクサ花粉は虫媒花ですが、顕微鏡で見ると花粉の表面がデコボコしています。それは虫が花粉を運びやすいためと言われています。またデコボコしているせいで、花粉が割れて細かくなりやすく、気管支に侵入して咳や喘息の原因になりやすいようです。

ブタクサ

ブタクサ

オオブタクサ

オオブタクサ

・ヨモギ

(橋口先生)

ヨモギはキク科ヨモギ属の多年草の植物で世界中に分布しています。日本でも古来から平地や山野に自生しており、餅、お茶、もぐさなど食用、薬用として活用されてきました。

ヨモギもキク科の植物で、多年草です。世界中に分布していますが、日本でも古来から平地や山野に自生しており、餅、お茶、もぐさなど食用、薬用として用いられていることはよく知られていると思います。

ヨモギ花粉も、先ほどのブタクサ花粉とともに秋の花粉症の原因として有名です。気管支喘息の悪化因子にもなりますし、特に食物アレルギーとの関連性も注意しないといけません。ヨモギ花粉の開花時期は8月から10月で、関東では8月下旬から9月下旬に飛散ピークがみられます。

ヨモギ花粉症の特徴ですが、シラカバ花粉症と同じように口腔アレルギー症候群(OAS=Oral Allergy Syndrome)(*花粉‐果物アレルギーと呼ばれることもある)を引き起こすことがあることです。口腔アレルギー症候群(OAS)については後述しますが、スイカやメロン、きゅうりなどのウリ科、セロリやセリ科のスパイスなどに対して交差反応(*これらの食物を食べると身体がヨモギのアレルゲンと誤って反応してしまうこと)し、口の中が腫れたりかゆくなることがあります。特にヨモギ花粉症など秋の花粉症の人に発症しやすいことが知られていますので、食べ物を食べて先ほどのような症状が出てきたら医療機関を受診してみてはどうでしょうか。

ヨモギ

ヨモギ

・カナムグラ

(橋口先生)

カナムグラはアサ科の1年草で、秋の花粉症の原因であることが知られています。この草は、日本、中国、韓国などに広く分布しています。強靭な蔓を伸ばし、地面や木、電柱に絡みつきます。花粉飛散ピークは9月中旬から下旬ですが、開花時期は主に8月から10月です。日本では秋にブタクサ、ヨモギ、イネ科など複数の原因花粉が飛散し、患者さんがカナムグラに重複して感作していても主要原因として判別しにくい状況であるため、大きな注意が払われていないのが実状です。

カナムグラ

カナムグラ

・イネ科

(橋口先生)

イネ科は世界中に広く分布しています。今から約140年前に英国でイネ科花粉症が発見され「Hey fever」と名付けられました。欧州や米国では現在でも最もポピュラーな花粉症です。

日本ではイネ科の中でカモガヤ、ハルガヤ、オオアワガエリ(英語名チモシー)、ギョウギシバなどが花粉症の原因として代表的です。これらは明治初期に牧草として渡来し、今でも牧草として栽培もされていますが、雑草として全国で野生化しています。芝生の草の中にもイネ科が含まれていますのでゴルフをする人は気を付けたほうがいいかもしれません。

イネ科全体の開花時期は4月から10月に渡りますが、ピークは4月から6月と8月から9月の2回に分かれるようです。イネ科の花粉症はスギ・ヒノキ花粉症が終わった後の初夏に多く見られることが多く、秋の花粉症の原因としてはそれほど多いという印象はありません。

カモガヤ5月24日撮影 

カモガヤ

オオアワガエリ5月24日撮影

オオアワガエリ

・秋のスギ

(橋口先生)

「狂い咲き」とよばれる季節外れの現象として、7月から12月にスギ花粉の飛散が確認されています。飛散量がごく少量で、ブタクサなどの秋の花粉と飛散時期が重なっていることもあり、スギ花粉症が発症されているとは証明されていません。しかし、臨床の現場では、10月、11月にスギ花粉のみに感作されている患者さんが花粉症の症状を訴えてくることがあるので、秋にもスギ花粉症は起こっているように感じています。

「狂い咲き」とよばれる季節外れの現象として、7月から12月にスギ花粉の飛散が確認されています。この時期のスギ花粉の飛散量はごく少量で、ブタクサなどの秋の花粉と飛散時期が重なっていることもあり、秋にスギ花粉症が発症しているということは今のところ証明されていません。しかし、10月末から11月に花粉症の症状を訴えて外来を受診する患者さんがいらっしゃいます。検査をしてもスギ花粉以外の花粉には感作されていないので、秋にもスギ花粉症は起こっているように感じています。

ひとつ間違いないと言っていいのは、秋にスギ花粉の飛散数が多めだと、翌春の飛散量が多くなる傾向です。昨年の秋は例年よりスギ花粉の飛散数が多かったので、この春の大量飛散もおおかた予想ができました。

スギ

スギ

【8月から11月の花粉飛散時期】

8月から11月の花粉飛散時期 ブタクサ ヨモギ カナムグラ カモガヤ オオアワガエリ スギ

2.秋の花粉症はどんな症状?

  • Q:秋の花粉症はどんな症状ですか?

(橋口先生)

秋の花粉症でも、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみが代表的な症状です。

  • Q:秋の花粉では咳や喉のかゆみが出やすいと聞きます。

(橋口先生)

上述したように、秋の花粉症の代名詞であるブタクサは花粉の表面がデコボコしており、空中で壊れて微細になる傾向があります。細かくなった花粉が気管支に侵入すると、咳や喉のかゆみを生じる原因になります。場合によっては喘息を発症することもあり、ブタクサやヨモギ花粉は気管支喘息の悪化因子とされています。

ただし、鼻の症状が無く喉だけに症状を発症している患者さんは、耳鼻科ではなく内科に受診するケースが多く、耳鼻科ではその実態がわかりにくいともいえます。私のクリニックでも、喉だけの症状の患者さんはほとんど来ることがありません。また、秋は季節の変わり目でもあり、風邪と区別がしにくく、内科では花粉症と診断せずに、抗ヒスタミン薬をとりあえず処方しておくというケースが多いのではないかと推測されます。ドラッグストアで買える総合感冒薬にも花粉症に効く抗ヒスタミン薬が含まれているので、実は花粉症だったのに風邪薬で治ったから風邪だったと思っている人もいます。したがって、秋の花粉による喉の症状の全体像、実態像を把握するのはなかなか困難ですね。

  • Q:皮膚のかゆみや頭痛は起こりますか?

(橋口先生)

スギ・ヒノキ花粉症では、皮膚のかゆみはもはや一般的です。特に今年の春のように大量に上空から花粉が降り注いでくると、かゆみがひどくなる患者さんも多くいました。一方、秋の花粉症の原因は草の花粉なので、飛んでもせいぜい数百メートルです。もちろん秋の花粉でも皮膚のかゆみは起こりますが、草むらや公園など雑草が多く茂っているところに近寄らなければ、皮膚のかゆみはひどくならずに防ぐことができます。

頭痛の場合は、秋の花粉による直接的な症状というよりも、花粉症がひどくなって鼻づまり起こり、それが原因で頭痛になるような二次的なケースが多いと思います。

花粉症の代表的な症状例 鼻水 鼻づまり くしゃみ 目のかゆみ 喉のかゆみ 咳 頭痛 皮膚のかゆみ 口腔アレルギー

3.口腔アレルギー症候群

  • Q:秋の花粉症でも口腔アレルギー(OAS)になることがあるようです。

(橋口先生)

口腔アレルギー症候群(OAS)とは、ある野菜や果物を食べると口の中が腫れたりイガイガとかゆくなる症状のことをいいます。花粉症の人で同様の症状を発症する場合「花粉‐食物アレルギー症候群;Pollen-food allergy syndrome」と呼んでいます。これは花粉症の原因花粉とある食べ物が似ているたんぱく質を持っているために、身体が花粉と誤ってその食べ物に過剰に反応してしまう(*交差反応という)ことで生じます。

OASはシラカンバやハンノキ花粉症で多く発症することが知られていまが、秋の花粉症でも交差反応する果物や野菜があります。イネ科の花粉症ではトマト、メロン、スイカ、オレンジが、ヨモギやブタクサではメロン、スイカ、セロリなどで交差反応性が多いと報告されています。

症状は、該当する食べ物を口にした直後から、唇、舌、喉などに急激なイガイガ、ビリビリとした刺激、ぶよぶよとした腫れがおこり、時間が経つとともに治まっていきます。

OASと診断されたら、食材によっては調理の仕方次第で口にすることができる可能性もありますが、まれに重篤な症状につながることもあるので、摂取することは避けた方がいいと思います。

【口腔アレルギーに関係のある果物や野菜】

花粉と共通抗原性が報告された主な果物 野菜

(「鼻アレルギー診療ガイドライン2016」より引用)

♦後編はこちらをクリック↓

秋の花粉症とは《後編:風邪やダニアレルギーとの見分け方・治療法》ふたばクリニック・橋口一弘院長が解説!

後編では、

4.秋の花粉症と似た病気との見分け方

5.秋の花粉症の治療法について

6.秋の花粉症の予防や対策法とは

をお届けします。

●橋口一弘先生のプロフィール
  • 昭和57年 慶応義塾大学医学部卒業
  • 昭和57年 慶応義塾大学病院耳鼻咽喉科入局
  • 昭和58年 済生会神奈川県病院耳鼻咽喉科勤務
  • 平成元年  産業医科大学耳鼻咽喉科講師
  • 平成2年  北里研究所病院耳鼻咽喉科勤務
  • 平成12年 北里研究所病院耳鼻咽喉科部長
  • 平成21年 北里大学北里研究所病院臨床教授
  • 平成23年 ふたばクリニック院長

(所属学会・資格)

  • 日本耳鼻咽喉科学会 専門医
  • 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会 評議員
  • 日本口腔咽頭学会 幹事
  • 日本鼻科学会
  • 日本アレルギー学会 など
  • NPO花粉症・鼻副鼻腔炎治療推進会理事
  • NPO花粉情報協会理事

♦参考資料:「花粉症の真実~アレルギー原因植物と花粉症~」(著:佐橋則男・岸川禮子)

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