fbpx

なぜ増える?大人の喘息!ダニ、ペット、カビ、虫など室内アレルゲンの特徴や対策法は?~相模原病院・谷口先生に聞く(前編)

なぜ増える?大人の喘息!ダニ、ペット、カビ、虫など室内アレルゲンの特徴や対策法は?~相模原病院・谷口先生に聞く

近年増加している大人の喘息。喘息の方の気道はとても敏感になっていて、わずかな刺激で気道が狭くなり、発作がおきてしまいます。その成人喘息の原因である「室内アレルゲン」をテーマとした講演会が2018年6月3日、「相模原アレルギーの会」(*1)主催で行われました。講師は、多くの医療テレビ番組にも出演している国立病院機構相模原病院臨床研究センター長の谷口正実先生です。

花粉症クエスト編集部はその講演会を取材。講演内容を、前編、後編の2回に分けてレポートします。

ここでは、前編として、どうして喘息が起こるのかそのメカニズムや、成人喘息の原因アレルゲンとその対策法について、谷口先生が解説したお話をご紹介します。

(後編はこちらをクリック!

喘息と思ったらイネ科やカバノキ科花粉症だった?子どもの舌下免疫療法で小児喘息を予防?~相模原病院・谷口先生に聞く(後編)

喘息と思ったらイネ科やカバノキ科花粉症だった?子どもの舌下免疫療法で小児喘息を予防?~相模原病院・谷口先生に聞く(後編)

1.相模原病院臨床研究センターとは

谷口先生がセンター長を務めておられる「国立病院機構相模原病院臨床研究センター」は、2016年(平成28年)に策定された「アレルギー疾患対策基本法指針」に基づき、『中心拠点病院』として指定されています。アレルギー疾患で重症や難治性の患者さんを受け入れるだけでなく、これから各都道府県に設置されるアレルギー疾患拠点病院のために専門の医師を育成したり、アレルギー疾患の高度な調査研究を担うことを期待されています。

相模原病院は国内においてアレルギー疾患治療のパイオニア。その取り組みは古く、1974年(昭和48年)にリウマチやアレルギー疾患のための国の基幹施設と指定され、1999年には準ナショナルセンターにも指定されました。

また、WAO(世界アレルギー機構)よりアジアで初めて優れた施設”Center of Excellence “に認定されています。

相模原病院臨床研究センターの沿革

2.喘息に対応するには

・増える成人喘息

喘息といえば子どもの病気というイメージがありますが、最近増加しているのが、大人の喘息です。

成人における喘息と鼻アレルギーの頻度

『日本人の約半分がアレルギー』と言われるときに指しているのは主に花粉症ですが、谷口先生は、

「花粉症になるべきひとはすでに罹患し、ならない人はこれからもならないだろうから、花粉症は約50%で高止まりしている感がある。小児喘息も有病率が10%でほぼ一定となり、増えていません。しかし、成人喘息の有病率はこの20年で2~3倍増加し、約8%にもなっています」

と、警鐘を鳴らします。

・喘息にやるべき対応や管理法

喘息における重要な管理・対応

喘息患者さんに必ずやってほしいことは、「原因アレルゲンを知ること。そしてそれを回避することです」と谷口先生。

その上で薬物治療を行ったり、免疫療法(減感作療法ともいう)に取り組んだりしますが、「対症的な治療だけでは増加するアレルギー疾患に十分対応できていないのが実状。ヨーロッパではどうしたら予防できるかの観点で研究が積極的になされています。日本でももっと予防法や根治性がある医療の研究開発が求められています」

また、生活習慣を見なおすことも喘息予防には大切です。喫煙が喘息に良くないことは素人でも想像できますが、「砂糖や人口甘味料も喘息に良くないと最近の研究の積み重ねでわかってきました。また女性にありがちな筋肉量の減少もよくありません」という谷口先生のお話には驚きを隠せません。

3.どうして喘息になる?

喘息や花粉症などは環境中のアレルゲン物質が鼻や口、目などから侵入することで症状が発症します。同じアレルギーでも食物アレルギーは食べ物を食べるとアレルギー症状が起こりますが、喘息は主に室内に存在している原因アレルゲンに接することが要因とされています。

・「衛生仮説」はもはや真説

喘息発症や重症化の要因として、まずは喫煙が最悪なこと、そして、「住宅の気密性が向上し、暖かい住空間はダニやカビにとっても好都合」という室内環境があげられます。

喘息発症の要因

そして、人間は清潔過ぎるとアレルギーになりやすいという『衛生仮説』について、「これまで仮説とされてきましたが、もやは『確実な説』としてヨーロッパの学会では議論が進行しています」と谷口先生。

「今の40代以下は、全国津々浦々ほぼ道路が舗装された時代に土埃に触れずに育っています。土埃にはカビ、バクテリアなどのエンドトキシンという物質が含まれて、1歳~1歳半ぐらいの間に土埃に接するといい意味で刺激になりアレルギー、アトピー体質になりいくい。とりわけ牛や馬と一緒に育つとアレルギーに極端になりにくくなります。ヨーロッパ中心に複数の研究結果が報告されており、もやは間違いありません。遺伝よりも環境因子の方がアレルギーを左右するのは確実です」。

・腸内細菌と関係性も確実

近年、腸内細菌とアレルギーとの間に関係性があるとみなされ、ヨーグルトや発酵食品などの健康食品はたくさん商品化され人気を集めています。

谷口先生は、「この分野の研究はまだ発展途上。確かに腸内の善玉菌を増やすことでアレルギー発症を抑制できるだろうが、どんな腸内細菌バランスがいいかなど、研究成果が待たれる段階。おそらく10年後ぐらいには腸内細菌によるアレルギー対策方法が確立できるのではないでしょうか」と言います。

・遺伝よりも環境要因が大きい

現代の日本人の遺伝子は江戸時代、明治時代のものとほとんど変わっていないといわれています。しかし、
「アレルギーになる人は昔より10倍以上増えています。つまり遺伝因子より、居住空間や食生活など環境因子の方がより強くアレルギー発症に影響しているのです」と谷口先生。そうであればアレルギー解決の糸口もどこかにありそうな光を感じますね。

4.成人喘息の原因アレルゲンとは

成人喘息における室内の重要アレルゲン

喘息の原因となるアレルゲンには、室内に存在している

  • ハウスダストマイト(ホコリの中のダニ)
  • ペット
  • カビ
  • 昆虫

があげられます。

・【原因アレルゲン①】ダニ

検査すべき室内アレルゲン ダニ ペット

成人喘息の患者さんの60%、小児喘息に至ってはほぼ全員がダニを原因としています。

谷口先生によると、「喘息の原因となるダニの種類は主にヤケヒョウダニとコナヒョウダニの2種類ですが、共通抗原性があるため、アレルギーの原因を検査をする際にはどちらか一方を調べれば問題ありません」

・【原因アレルゲン②】ペット

成人喘息の患者さんの約25%は、ペットがアレルゲンになっています。

「ペットでは犬より猫の方がアレルゲンが強力で原因としても多い。本来小さい動物の方がよりアレルゲン性が強く、猫よりハムスター、ねずみ、うさぎの方がアレルゲンが強いんです。ただし、飼っている人が少ないためデータが少なく表面化していません」と谷口先生は説明します。

「猫のアレルゲンというと毛の部分を想像する人がいますが、毛よりも『毛嚢(もうのう)』(*)という油の部分がアレルゲン性が一番強い。従って、毛がない猫でもアレルギーになります」ということですが、世間ではまだまだ誤解が多いですね。

(*)毛嚢:毛根を包む組織。毛包ともよばれる。毛根を保護し、毛の伸長の通路となる。上部には毛包腺または皮脂腺と呼ばれる腺が開口し、脂肪性の物質を分泌して、皮膚や毛の表面をなめらかにし、また防水にも役立っている。

・【原因アレルゲン③】カビ

室内アレルゲン カビ

3つ目の原因物質はカビです。

谷口先生によると、「カビは、『水回りカビ』と『ホコリカビ』の二つにわけて考えるべきです」

水回りカビとホコリカビ

谷口先生が、獣医学博士でカビ研究家の高鳥浩介先生らと検討した結果、カビの生息する場所などの特徴から、喘息の原因となるカビは2系列に分類できることがわかりました。

1:水回りかび

風呂場の天井などにあるカビ。小児ぜんそくやアトピー性皮膚炎の重症化になる。
土由来のカビなので、風呂場だけでなく野外にも存在している。

2:ホコリカビ

中高齢の方の気管支を破壊しやすいカビ。
ベッドの隙間や押し入れのホコリの中、布団やまくら、エアコンの中などにある。

「ホコリカビにはアスペルギルスというカビが混じっています。目で見てもわかりませんが、ホコリっぽい臭いがします。ヒトの体温を好み繁殖するので、より曝露しやすい」と、谷口先生はホコリカビの対策が最も重要だと強調します。

・【原因アレルゲン④】昆虫

原因アレルゲンの最後は、昆虫です。

原因アレルゲン 昆虫

谷口先生によると、

「1980年代には『ガ』が、 1990年代には『ユスリカ』がもっぱら成人喘息の原因アレルゲンと言われてきましたが、この5年ぐらいの研究で『ヒラタチャタテムシ』が原因であることがわかってきました。ガやユスリカは室内に入り込むことはあまりありませんが、『ヒラタチャタテムシ』は別名『本しらみ』といわれるように家の中に多く存在します」。

下の画像がそのヒラタチャタテムシです。

ヒラタチャタテムシとは

「ダニの大きさは0.3mm以下でヒトの目では見えません。しかし本しらみは1mmぐらいあるため肉眼でも確認できます。アレルゲン性が強く、絨毯や畳に繁殖します。畳のホコリっぽいところに多くいて、昔から畳生活をしてきた中高年の方の感作率が高い」。

そしてヒラタチャタテムシは、「なぜかホコリカビが好きで、ホコリっぽいところに多く繁殖する」そうです。

アメリカで昆虫のアレルゲンといえばダニよりもゴキブリが圧倒的です。しかし、

「日本人は清潔好きなのかゴキブリが原因であることはまれであるとの研究が報告されています。日本人にはヒラタチャタテムシ対策が重要ですと、谷口先生。

昆虫の中ではヒラタチャタテムシをとにかくマークしましょう。

・検査では必ずこれをチェックしよう!

検査すべき室内アレルゲン

「もし現在鼻アレルギーや喘息の症状がある方で、これまで説明してきたようなダニ、ペット、カビ、昆虫をアレルギー検査でチェックしていなければ、必ず一度検査を行ってみてください」と谷口先生から強いアドバイスがありました。

適切なアレルギー検査が日本であまり行われていない原因のひとつは、「クリニックの医師、また喘息専門医であってもアレルゲンに対する知識や指導が不足しているのが、日本の実状です。ヨーロッパではアレルギー医学が発達していますが、日本の大学の医学部にはアレルギー講座すらない。よってアレルギー医療が遅れている」ことなのです。

また、「成人喘息の重症化に関わる原因アレルゲンはカビ。子どもだけでなく50歳以上の中高年でもアレルギーの陽性率が高いのはカビと昆虫」という谷口先生の説明を聞いて、あらためてダニだけでなくカビやヒラタチャタテムシ対策の重要性がわかりました。

5.各アレルゲンへの対策法とは

喘息の原因アレルゲンがわかったところで、それぞれの原因アレルゲンに効果的な対策法について説明がなされました。

・ダニ対策

ヒョウヒダニとは

ダニ対策には、掃除をよくすることです。しかし

「毎日丁寧に掃除するのは大変ですから、ダニ対策のポイントをよく押さえてください」と、谷口先生。

ダニ対策のポイントとは

Point 1 : 温度25度、湿度60%以上になるとダニが増えるので、それを超えないように室内を調節すること!

Point 2 : 長い時間を過ごす寝室、寝具対策が大事!効果が認められている防ダニシーツを活用したり、寝室のホコリを減らすようにすること!

Point 3 : ダニのアレルゲンは主に『ふん』。重さがあるので床に溜まりやすく、しっかり除去すること!

ちなみに、「たんぱく分解酵素がアレルゲンになりやすいのですが、ダニの糞(ふん)の中にたんぱく分解酵素である消化酵素が残っているからアレルゲンになってしまう」のだそうです。

・ネコアレルゲン対策

ネコアレルゲンの特徴

ネコは油の部分や臭いの部分にアレルゲンがあります。
ダニのメインアレルゲンである糞(ふん)には重さがありましたが、ネコのアレルゲン物資はとても軽いので空中を舞いやすく、様々なところに付着します。

「家でネコを飼っている子どもの洋服にアレルゲンが付いて、その子が行った学校や図書館にもネコアレルゲン物質が広まることがあります」と、谷口先生。

ネコアレルゲンの対策にはネコを避けること一番ですが、家にネコがいなくても、公共施設などでアレルゲンと接触してしまう可能性があることを念頭に入れておく必要がありますね。

・カビ対策

カビ対策

日本は高温多湿の気候である上に、住空間の気密性が高く、カビが繁殖するには好都合な条件がそろっています。

「夏場になればエアコンを使うのは当たり前ですが、そこにカビが繁殖します。また一戸建てよりマンションに住む人が増えていますが、換気が不十分になりカビが生えやすいんです」と、谷口先生は指摘します。ではカビ対策をどのようにしたらいいかというと、

「ダニ対策には湿度60%以下でしたが、カビ対策の場合には湿度50%以下に保つようにしてください」。

「とにかく、通気と換気をよくすること。窓を開けられない場合にはサーキュレーターなど小さい扇風機を回して空気の循環をよくしてください」ということです。

通気、換気がいかに重要かは、「奈良の正倉院をイメージしてください。床を地上から1メートル上げて通気をよくして宝物を保存しています」ということですが、確かにその通りですね。

奈良 正倉院

奈良 正倉院

また、

「加湿器はできるだけ使わないようにしてください」とアドバイスがありましたこが、冬場のインフルエンザ対策などで乾燥を防ぐには加湿を行いたいですよね。その際にも「湿度50%を超えないように調整すること」が大切です。

(後編はこちらをクリック!

喘息と思ったらイネ科やカバノキ科花粉症だった?子どもの舌下免疫療法で小児喘息を予防?~相模原病院・谷口先生に聞く(後編)

喘息と思ったらイネ科やカバノキ科花粉症だった?子どもの舌下免疫療法で小児喘息を予防?~相模原病院・谷口先生に聞く(後編)

●谷口正実先生のプロフィール
  • 1956年 生まれ
  • 1981年 浜松医科大学卒業
  • 1987年 浜松医科大学大学院卒業
  • 1988年 藤枝市立病院呼吸器内科医長
  • 1994年 藤田保健衛生大学 呼吸器アレルギー内科講師
  • 1997年 米国バンダービルト大学肺研究センター研究員
  • 1999年 国立相模原病院アレルギー科医長・気管支喘息研究室長
  • 2008年 同内科系統合診療部長
  • 2011年 同臨床研究センター病態総合研究部 部長
  • 2014年 同臨床研究センター センター長
  • 兼任 藤田保健衛生大学 順天堂大学連携大学院客員教授
●(*1)NPO法人「相模原アレルギーの会」とは

前身の「国立相模原病院アレルギー・喘息患者会」から引継ぎ、平成22年にNPO法人化。慢性病であるアレルギー性疾患および呼吸器疾患をもつ患者の会であり、患者および家族の生活の質(QOL)の向上を目的に、アレルギー医療に関する講演会・相談会・勉強会等を定期的に開催し、アレルギー医療に関する正しい情報を年4回発行する会報を通じて提供しています。(ウェブサイトはこちら http://sagamihara-allergy.org/ )

➡処方薬と同じタイプの市販薬を知っていると何かと便利です!

花粉症鼻炎向け処方薬の効き目と眠気の比較や同じタイプの市販薬の有無~アレグラ、タリオン、ザイザルなど

【2018年版】花粉症処方薬の効き目と眠気の比較や同じタイプの市販薬の有無~アレグラ、タリオン、ザイザルなど

➡人気の「アレグラFX」と同じ効能効果で価格が安め

アレルビ

アマゾンで買う アレルビ
【第2類医薬品】アレルビ 56錠 ※セルフメディケーション税制対象商品

➡ロート自慢の最大濃度がかゆみに効く

ロートアルガード クリアブロックZ

アマゾンで買う

【第2類医薬品】ロートアルガードクリアブロックZ 13mL ※セルフメディケーション税制対象商品

➡茶カテキンで花粉症対策!