スギやヒノキが飛散する春の花粉シーズンに目のかゆみや涙目、充血が起これば、花粉症ではないかと疑います。
しかし、目の炎症の原因は必ずしも花粉とは限りません。そこで今回は目の炎症の原因や対処法についてご説明します。
1.目の炎症の原因
・結膜炎でかゆみや充血
目の構造をみてみましょう。
上の図でブルーの線で囲った、まぶたの裏側と白目の部分を覆っている粘膜を「結膜」といいます。
結膜炎とは外からの刺激によって結膜が炎症を起こした状態のこと。目のかゆみは結膜炎によって引き起こされる症状の1つです。
・アレルギー性と非アレルギー性がある
結膜炎の原因には、アレルギー性のものと非アレルギー性のものがあります。
●アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎は、花粉などアレルギーの原因となる物質によって炎症が起こる症状です。目のかゆみのほかに、くしゃみやサラサラの鼻水、鼻づまりなどの鼻炎症状を伴うことが多いのが特徴です。
原因物質としては、
- スギ、ヒノキ、シラカバ、ブタクサ、イネ科雑草、カナムグラ、ヨモギなどの花粉
- ダニやダニの死骸、ホコリ、カビなどのハウスダスト
- 黄砂、排気ガス、粉じんなどのPM2.5
- 犬や猫などペットの毛、人の毛や垢
などがあげられます。
特定の花粉が原因の場合、ある季節にのみ症状が出ることが多いので、「季節性アレルギー性結膜炎」と呼ばれます。
それに対してダニ、ホコリ、PM2.5 などは季節に関係なく一年中起こるので、「通年性アレルギー性結膜炎」といいます。
➡花粉症のかゆみのしくみ
【花粉症症状】花粉症が原因の「目のかゆみ」(アレルギー性結膜炎)とは?目薬や対策法は?
●非アレルギー性結膜炎
アレルギー反応ではない結膜炎として代表的なものには、「感染性結膜炎」があります。
細菌やウイルスが目に感染し結膜に炎症を起こす病気です。
かゆみもありますが、それよりも、涙が出る、ゴロゴロする、充血する、目ヤニが出る、などの症状が特徴です。
その原因は、
- 細菌(インフルエンザ菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌など)
- ウイルス(アデノウイルスなど)
です。
細菌性結膜炎
細菌性結膜炎の場合、人にふだんから付着している菌で感染力は弱いので、病気や目のケガがあるときや子供を除いて、感染の危険はあまり大きくありません。症状では充血や腫れ、黄色い目やにが特徴です。
ウイルス性結膜炎
ウイルス性結膜炎の原因にはヘルペスウイルスやアデノウイルスなどがあります。
結膜炎を起こすヘルペスウイルスは「単純ヘルペスウイルス1型」と呼ばれる種類で、接触感染を起こします。子供は親などから初めてヘルペスに感染したときにこのヘルペ性結膜炎になることが多く、大人でも体調が弱っているときに発症することがあります。なぜなら、一度感染すると症状がなくとも、ウイルスが体の神経細胞に入り込み、潜伏するからです。
アデノウイルスは感染力が強く、「はやり目」や「プール熱」もアデノウイルスが原因です。プール熱は目のかゆみだけでなく、喉の痛みや発熱といった風邪に似た症状も起こることがあります。
ウイルス性結膜炎は人から人へと感染することが多いので、注意が必要です。
ウイルス性結膜炎の症状は、かゆみはあまりなく、充血や涙目、ゴロゴロ感などが起こります。ヘルペスウイルスが原因のときは目のまわりに小さい赤い水ぶくれができるのが特徴です。水ぶくれは1週間程度で治まることが多いようです。
2.目の炎症の対処法
・アレルギー性結膜炎の場合
花粉やハウスダストなどのアレルゲンが原因のアレルギー性結膜炎の場合、一番の対策法は、原因となるアレルゲンを寄せ付けないことです。
- 花粉やPM2.5 の飛散が多いときは、縁付きメガネやマスクなどをつける。
- 帰宅時には玄関ハンディ掃除機や濡れタオルで衣類やカバンなどを拭く
- 帰宅後すぐにアイボンなどの洗眼薬などで目を洗う。また手や顔を洗ったり、シャワーを浴びましょう。
- 家の掃除をこまめに行う。掃除機だけでなく、濡れ雑巾で拭くのも効果的です。
- 空気清浄機を使う
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・感染性結膜炎の場合
感染性結膜炎の場合、手洗いや洗眼を心がけて細菌やウイルスの感染を防ぎましょう。家族などに感染した人がいる場合はタオルなどの共有物を分けるようにしてください。
ヘルペスウイルスは感染した場所に潜伏しており、免疫力が弱ったときに再度症状が現れます。疲労、ストレス、睡眠不足などで体調を崩し免疫力が低下しないように、日々の生活で心がけてください。
●細菌性の治療
抗菌成分配合の目薬を3~4日使用し、効果がないようなら眼科専門の医師に相談して下さい。
●ウイルス性の治療
ウイルス性結膜炎の場合、治るには感染したウイルスに対する抗体が体内で作られるのを待つしかありません。通常は非ステロイド性またはステロイドの抗炎症点眼薬で炎症を抑え、抵抗力が落ちている結膜に細菌が感染しないように抗菌点眼薬を使用します。また症状によっては抗ウイルス内服薬を飲んだり、点滴治療を併用することもあります。
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3.おわりに
目のかゆみが起こったときには、目をこすりたくなりますが、炎症が悪化する原因になります。洗眼薬や人口涙液で目を洗ったり、冷たいタオルなどで目を冷やすと、かゆみが引くことがあります。炎症に強い効き目のステロイド入り点眼薬は病院の処方薬しかありませんので、症状がつらいときには早めに眼科で診察を受けてみてください。
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