健康によい食べ物として日本人の食生活にもすっかり定着したヨーグルト。ヨーグルトは乳酸菌で牛乳を発酵させた食べ物です。最近では腸内環境を整える効果もちろん、乳酸菌の種類ごとに具体的な機能性を訴えるものも増えてきました。花粉症やアレルギー疾患への効果もそのひとつです。
ここでは、ヨーグルトが花粉症対策に良いとされるメカニズムをご説明し、花粉症やアレルギーに効果があると研究結果が報告されているヨーグルトや乳酸飲料をご紹介します。
目次
1.ヨーグルトはなぜ花粉症に効く?
・ヨーグルトの作用
●善玉菌と悪玉菌のバランスが大切
私たちの腸の内には500~1,000種類ぐらいの細菌がつねに100兆個も住みついていることがわかっています。その細菌には体にプラスとなる「善玉菌」とマイナスになる「悪玉菌」があります。細菌の総量もほぼ決まっていて、一般に、善玉菌が増えると悪玉菌が減り、善玉菌が減ると悪玉菌が増加します。腸内での善玉菌、悪玉菌の勢力関係は健康にとても重要なのです。
ところが日常生活のストレスや老化によって悪玉菌が増え、勢力関係が変わってしまうことがあります。腸には身体の60~70%もの免疫細胞が集中していますが、悪玉菌が増え腸内環境のバランスが崩れると腸の免疫機能が乱れ、お通じが悪くなる、風邪をひきやすくなる、花粉症やアトピーなどのアレルギーが発症する、と言われています。
●ヨーグルトは腸内細菌のバランスを整える
ヨーグルトは牛乳などの乳製品に乳酸菌をプラスしてできた発酵食品です。
乳酸菌は、発酵過程で乳酸などの有機酸を作り出し、その有機酸が悪玉菌の増殖を抑えて腸内腐敗を防いだり、腸管を刺激して腸のぜん動運動を活発にします。
また乳製品に含まれる乳糖は、善玉菌の栄養源となってその増殖を助けます。
このようなヨーグルトの作用は腸内細菌のバランスを整えるのに役立つことが研究によって明らかになっています。腸内細菌のバランスが整うと免疫機能の乱れが改善され、さまざまな健康効果が期待できます。花粉症などのアレルギーの症状の予防や症状緩和もそのひとつです。
・たくさんの種類がある乳酸菌
乳酸菌は数千種類もあると言われています。
乳酸菌は種類によって機能性の特長に違いがあります。例えば、コレステロールを低減する乳酸菌、ピロリ菌を抑制する乳酸菌、整腸作用の強い乳酸菌、免疫機能に働きかける乳酸菌です。
花粉症やアレルギーを予防・緩和する免疫調整機能に特長がある乳酸菌として代表的なものには、クレモリス菌、LGG乳酸菌、L-55乳酸菌、L-92乳酸菌、ビフィズス菌BB536、KW乳酸菌などがあげられます。
2.花粉症への効果が報告されているヨーグルト
最近では特別な機能をうたったヨーグルトや乳酸菌入りサプリメントなどがたくさん売られています。ヨーグルト全般に花粉症への効果が期待されるものの、前章であげたような花粉症に効果があると認められた研究報告がある乳酸菌もあります。
そこでここからは、花粉症やアレルギー症状を改善する効果が報告された乳酸菌のヨーグルトをピックアップしてご紹介しましょう。
・New! 森永乳業 ビヒタスヨーグルトKF
「ビヒタスヨーグルトKF」は、花粉、ホコリ、ハウスダストなどによる鼻の不快感を軽減する機能性表示食品のヨーグルトとして、2022年1月に新発売されました。
「ビヒダスヨーグルトKF」は、「ビフィズス菌BB536」を100g(カップ1個の内容量は100g)あたり40億個配合されており、これは「ビヒタスプレーンヨーグルト」の2倍の量です。
・雪印メグミルク 乳酸菌ヘルベヨーグルト
「乳酸菌ヘルベヨーグルト」は乳酸菌ヘルベが含まれでいます。ヨーグルトで初めて、目や鼻の不快感を緩和する機能を表示した機能性表示食品として2020年1月に「乳酸菌ヘルベヨーグルト ドリンクタイプ」(100g)が発売されましたが、昨年2021年10月に食べるタイプの「乳酸菌ヘルベヨーグルト」(100g)が新発売に。また「乳酸菌ヘルベヨーグルト ドリンクタイプ」もリニューアルされました。
ハウスダストやダニによる目や鼻の不快感がある人が、乳酸菌ヘルベを含む発酵乳を12週間飲んだ場合、飲んでいない人と比べて目や鼻の不快感が改善し、くしゃみの回数も少なくなるという試験の結果が得られ、マウスでの試験では花粉アレルギーの症状が減少したそうです。
雪印 メグミルク 乳酸菌ヘルベヨーグルト 100g×12コ 【クール便】食べる
雪印メグミルク 乳酸菌ヘルベヨーグルト ドリンクタイプ 100g
・フジッコ カスピ海ヨーグルト
「カスピ海ヨーグルト」はクレモリス菌FC株という乳酸菌から作られています。その特長は、菌が生きたままで大腸まで届くこと、EPSという独特のねばり成分を産生することです。
カスピ海ヨーグルトを摂取すると、花粉症などのアレルギー症状を起こすIgE抗体の血中レベルを下げたり、アトピー性皮膚炎の症状が緩和されることが人への臨床研究やマウスの試験によって明らかになっています。
参照:「フジッコ・カスピ海ヨーグルトの乳酸菌/カスピ海ヨーグルト研究会」
・森永 ビヒタスBB536
「ビヒタスプレーンヨーグルト」は、生きて腸まで届くビフィズス菌BB536を配合し、特定保健用食品(トクホ)に指定されているヨーグルトです。
ビフィズス菌BB536そのものによる直接的な腸管粘膜刺激作用と、ビフィズス菌BB536による整腸作用の両方によって、抗アレルギー作用があるのではないかと推測されます。
ビヒダスヨーグルトの詳しいことはこちら↓をご覧ください。
花粉シーズンに向けた健康管理におすすめ!と評判の「ビヒダス」はどんなヨーグルト?
・オハヨー ぜいたく生乳ヨーグルト
L55乳酸菌を配合したヨーグルトが「オハヨーぜいたく生乳ヨーグルト」です。
岡山大学とオハヨー乳業の臨床研究では、L55乳酸菌ヨーグルトを摂取するとスギ花粉症のくしゃみや目のかゆみが低下したという結果が得られました。
参照:L-55乳酸菌含有ヨーグルトのスギ花粉症に対する臨床的有効性
・タカナシ おなかへGG!ヨーグルト
特定保健用食品(トクホ)「おなかへGG!」にはLGG乳酸菌とTMC0356乳酸菌というふたつの乳酸菌が配合されています。
LGG乳酸菌は世界でも広く活用されている乳酸菌のひとつで、アトピー性皮膚炎を予防する効果が証明されています。TMC0356乳酸菌は動物試験や人での臨床試験においてアレルギー発症に深く関与するIgE抗体を抑制する結果が得られており、抗アレルギー作用があると考えられています。
・小岩井 Caヨーグルト KW乳酸菌プラス
KW乳酸菌はキリングループの所有する100種類もの中から選ばれた菌です。「小岩井 Caヨーグルト KW乳酸菌プラス」にはこの菌が含まれています。酸に強く、生きて腸まで届き、腸の細胞に定着します。 マウスを対象にした試験の結果、花粉症やアトピーの症状改善に効果を示したと報告されています。
*【販売エリア】東北~関西の宅配商品です。
・カルピス 守る働く乳酸菌L-92
最後にご紹介するのは、ヨーグルトではなく乳酸飲料の「守る働く乳酸菌L-92」です。
L-92乳酸菌はカルピス由来で、免疫に働きかける乳酸菌として、多くの機能性に関する研究結果が学会などで発表され、アトピー性皮膚炎の症状改善、花粉症の症状緩和などの改善効果が確認されています。
3.まとめ
今回ご紹介したヨーグルトに入っている乳酸菌は、動物や人に対する研究試験で花粉症の予防や症状緩和に効果があるという結果が報告されたものですが、これらのヨーグルト以外であっても、ヨーグルトには整腸作用や免疫調整作用などプラスの機能がたくさんありますので、日々の食事の中で継続的に摂取して花粉症対策はもちろん健康にプラスになるよう活用したいですね。
ヨーグルトドリンク以外にも花粉症に効果があると研究報告されている飲み物をまとめました。こちらの記事をご覧ください!
【花粉症対策】花粉症に効く飲み物とは?体質改善におすすめのドリンク・お茶8選
➡花粉症対策に良い食べ物は何があるかな?
➡処方薬と同じタイプの市販薬を知っているとなにかと便利です↓↓
【2022年版】花粉症処方薬の効き目と眠気の比較や同じタイプの市販薬の有無~アレグラ、ザイザル、アレロック、タリオン、ビラノア、デザレックスなど