秋はブタクサ、イネ科、カナムグラ、ヨモギなどの花粉が原因の花粉症や、夏に繁殖したダニの死骸や糞によるダニアレルギーなど、アレルギーの症状で悩む人が多くなるシーズンです。
そこで今回は、アレルギーが発症するメカニズム、アレルギーの種類やその症状、対策法などをお伝えします。
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1.アレルギーのメカニズム
・アレルギーとはなにか?
私たちの体は、細菌、ウイルスなどが体の中に入ってくると異物として認識し、それに対する抗体をつくって排除しようとする仕組みがあります。これを「免疫」と呼んでいます。
細菌、ウイルスであれば問題ないのですが、花粉や食べ物、ハウスダスト(ダニも含まれる)など体に害を与えないものまで誤って異物として認識し、過剰に攻撃して排除しようとし、その結果炎症が起こってしまうのが「アレルギー」です。
アレルギーも免疫反応のひとつですが、異物に対して過剰に反応して自分の体を傷つけてしまう場合をアレルギーと呼んでいます。
・どうしてアレルギーが起こるのか?
アレルギーにはⅠ~Ⅳ型の4つのタイプがありますが、ここではI型アレルギー、または即時型アレルギーとよばれるタイプのものを説明します。
私たちの体には皮膚や粘膜という防御壁がありますが、なんらかの理由でそれが破られて病原菌や花粉などの異物が体内に侵入することがあります。侵入してきた病原菌や異物のこと抗原とよび、特にアレルギーの原因となるものをアレルゲンとよびます。
アレルゲンが体内に入ってくると、最初に体の免疫機能はそれを排除するか受け入れるか判断します。排除すると判断するとIgE抗体というそのアレルゲン特有の抗体をつくります。この段階ではまだアレルギーは発症しません。IgE抗体は皮膚や粘膜に多くあるマスト細胞とよばれる細胞の表面にくっついて待機します。
再び同じアレルゲンが侵入してきて、このIgE抗体が反応しアレルゲンと結合したとき、マスト細胞の中に含まれているヒスタミン、ロイコトリエンなどの化学物質が一気に放出されます。
放出されたヒスタミンなどは鼻や喉などの粘膜にある受容体を刺激します。するとかゆみや鼻水といったアレルギー症状が発症するのです。
2.アレルギーの種類
・即時型アレルギーとは?
アレルギーにはⅠ~Ⅳ型の4つのタイプがありますが、その中でも多くがⅠ型アレルギー、または即時型アレルギーと呼ばれるものです。「I型=即時型」はアレルゲンが体内に入った直後から数時間以内という短い時間で症状が出るタイプで、代表的なものには、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、食物アレルギー、じんましん、アレルギー性鼻炎、花粉症などがあります。
・遅延型アレルギーとは?
「I型=即時型」アレルギー以外のタイプのひとつがⅣ型アレルギー、ないしは遅延型アレルギーとよばれるタイプです。遅延型というように症状が発症するのに半日から数日かかることもめずらしくありません。代表的な疾患には金属アレルギーがあります。
・主なアレルギーの症状や対策
①アトピー性皮膚炎
(症状)
湿疹による皮膚のかゆみが繰り返し起こります。目や耳のまわり、首、ひじ、ひざなどの関節によくできます。アトピー性皮膚炎は何か特別なアレルゲンがあるから必ず発症するという病気ではありません。皮膚のバリア機能が弱いな人に多く発症する皮膚の病気です。
(対策)
バリア機能を補うためのスキンケア、皮膚の炎症を抑えるためにステロイド外用薬やタクロリムス外用薬、かゆみを軽減させる抗ヒスタミン内服薬が治療の基本となりますが、それに加えて、衛生面やストレスなど生活環境の中にある原因を取り除くような対策が大切になります。
②気管支喘息
(症状)
息をする時の空気の通り道(気道)に慢性の炎症がおき、そのために気道がせまくなり、繰り返し咳、ゼ―ゼーヒューヒューという雑音、呼吸困難が生じる呼吸器系の病気です。
小児喘息は特定のアレルゲンに反応して発症するものが多いのに対し、成人喘息では原因となるアレルギー物質を特定することのできない喘息が多いといわれています。
(対策)
気管支喘息の慢性炎症に対しては吸入ステロイド薬が最も効果があるそうです。また喫煙、仕事や勉強などのストレス、ペットやハウスダストといった生活環境の見直しも重要です。
③食物アレルギー
(症状)
その人にとってのアレルゲンとなる食物によってじんましん、湿疹、嘔吐、下痢、咳、ゼーゼー(喘鳴)などの症状が引き起こされる疾患です。症状がひどいとアナフィラキシーと呼ばれるショック症状が起こり、血圧低下や意識障害など生命をおびやかす危険な状態にいたることもあります。
アレルゲンとなる食べ物としては、卵、牛乳、小麦が多くみられます。その他にはサバやイカなどの魚介類、バナナやキウイフルーツなどのフルーツ、大豆、ピーナッツ、ソバなどがあります。これらのアレルゲン食べ物は年齢によって多いものの割合が異なります。
(対策)
原因物質を判明させるアレルゲン検査を行い、その食べ物を安全性を高める調理をしたり、安全に問題のない適切な分量を摂取するような管理を行うことです。
④じんましん
(症状)
皮膚の一部が突然赤くふくらみ、数時間から1日くらいで消えることを繰り返す病気です。多くは強いかゆみを伴います。じんましんと似ている湿疹(しっしん)は、表面がかさかさしたり、何日も同じところに症状が続きますが、じんましんは形や大きさにかかわらず、膨らみが消えた後は全く跡が残りません。
(対策)
肥満細胞から放出されるヒスタミンの働きを防ぐ抗ヒスタミン内服薬や注射などが治療に用いられます。また原因物質や発症のきっかけがわかっているときにはそれをできるだけ避けるような生活習慣の見直しも必要です。
⑤アレルギー性鼻炎
くしゃみ、サラサラした水のような鼻水、鼻づまりを主な症状とする疾患で、風邪でもないのにそれらを繰り返します。主な原因物質は一年を通して症状を起こすダニやペットなどのハウスダスト、一年のある時期だけ症状を起こす花粉です。
(対策)
原因物質を除去したり避けることが予防になります。治療は薬に対症療法が中心ですが、ヒスタミンが炎症を起こすのをブロックする抗ヒスタミン薬、ヒスタミンが放出されないようにする抗アレルギー薬、ステロイド薬などがあります。根治が期待できる治療としてアレルゲン免疫療法(減感作療法ともよばれる)があります。鼻づまりが強い場合には手術も行なわれます。
⑥花粉症
(症状)
原因花粉によって主にくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどが起こります。咳や喉・皮膚のかゆみ、微熱、頭痛が起こることもあります。
(対策)
原因となる植物を避けること、外出時のマスクや縁つきめがねの着用、室内に入るときに花粉を取り払うこと、できるだけ窓を開けないようにしたり、こまめに清掃することなどが予防になります。治療としては抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、ステロイド薬などの使用が中心です。根治や症状の緩和が期待できる治療として舌下免疫療法があります。
⑦金属アレルギー
(症状)
原因となる金属自体でアレルギーが起こるのではなく、 金属と体内のタンパク質が結合した物質がアレルゲンとなります。アレルゲンとなる金属が直接触れた皮膚にかゆみや発疹が発症したり、食べ物や歯のつめもので体内に入った原因物質が汗となって出やすい手足の裏などにかぶれやかゆみが発症します。
(対策)
一度発症するとなかなか治らないといわれています。汗のかきやすい夏のシーズンは金属類の着用を避けたり、アレルギー検査によって原因となる金属をつきとめ、体内に入れないようにすることが一番の予防です。
3.おわりに
近年アレルギー疾患は増加傾向にあります。アレルギーは遺伝も関係して、もともとアレルギー体質がある人に起こりやすいといわれていますが、それだけでなく環境の変化が大きく影響しているといわれています。例えば、スギなどの原因花粉の増加、住宅環境によりダニやカビが増加すること、食品添加物が含まれる食品の摂取、空調などで乾燥環境が増えること、感染症の病気が減り体の免疫反応がアレルギーの起こりやすい方向に傾くこと、などがあげられています。
アレルギー症状によってはアナフィラキシーショックのように命の危険を脅かすこともあります。症状が起こったときには早めに医師の診断、治療を受け、生活環境や習慣の見直しをするようにしてください。
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