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アレルゲン免疫療法とは?舌下免疫療法と皮下免疫療法の違いは?~日医大・松根彰志教授がやさしく解説

アレルゲン免疫療法(減感作療法)とは?舌下免疫療法と皮下免疫療法の違いは?~日医大・松根彰志教授がやさしく解説

スギ花粉症を根本的に治したり、症状を軽くすることができる舌下免疫療法の新薬「シダキュア舌下錠」が、2018年6月29日より販売されます。

そこでNPO花粉症・鼻副鼻腔炎治療推進会との共同連載『名医が教える!花粉症の治し方』(第2回)では、日本医科大学武蔵小杉病院の耳鼻咽喉科部長として臨床の最前線にも立つ松根彰志・日本医科大学教授に、舌下免疫療法に関するさまざまなお話を伺いました。

ここでは松根先生のお話の中から「Part2」として、舌下免疫療法もそのひとつであるアレルゲン免疫療法(減感作療法)とは何か、また舌下免疫療法と皮下免疫療法の違いについての解説をご紹介します。

(「Part1」は以下をご覧ください)

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『スギ花粉症の舌下免疫療法』や新薬「シダキュア スギ花粉舌下錠」とは~日医大・松根教授がやさしく解説!

『スギ花粉症の舌下免疫療法』や新薬『シダキュア スギ花粉舌下錠』とは~日医大・松根教授がやさしく解説!

What is アレルゲン免疫療法?

  • Q:「シダキュア」や「シダトレン」を用いるスギ花粉症向け舌下免疫療法はアレルゲン免疫療法のひとつですが、アレルゲン免疫療法とはどんな治療法でしょうか?

アレルギーの原因である「アレルゲン」を少量から投与することで、身体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげたり、治すことができる治療法です。抗ヒスタミン薬などの飲み薬では一時的にアレルギー症状が鎮まっても根本的に治ることはありません。しかしアレルゲン免疫療法は症状を治すことができる治療法です。
アレルギー症状のある疾患のうち、花粉症、アレルギー性鼻炎、気管支喘息などに対してこの治療法が行われています。

(編集部注:シダトレンは2021年3月末で販売終了になりました)

  • Q:アレルゲン免疫療法にはどのような種類がありますか?

アレルゲンを投与する方法として注射によるもの(皮下免疫療法)と、舌の下に入れるもの(舌下免疫療法)があります。

舌下免疫療法ではスギ花粉とダニ向け、皮下免疫療法ではスギ花粉、ダニ、ハウスダスト向けなどがあります。

アレルゲン医薬品
種類 舌下用 皮下用
スギ花粉
ダニ
ハウスダスト
アカマツ花粉
ブタクサ花粉
ホウレン草花粉
真菌類(5種)

(参照:鳥居薬品アレルゲン製品一覧)

また、アレルゲンそのものではなく改変されたペプチド(*)を遺伝子組換えで導入したスギ花粉米のような食べる方法(経口免疫療法)もあります。スギ花粉米は研究開発段階でまだ発売されていません。

*ペプチドとは数個から50個程度のアミノ酸が結合したもの。それよりアミノ酸が多く結合するとたんぱく質と呼ぶ。

  • Q:舌下法、注射法、経口法の作用やメカニズムの違いはどこにありますか?

アレルギーは免疫の過敏反応でおこります。よってアレルギーを抑えるには免疫寛容(*身体に害のない異物を攻撃しないように慣らすこと)を誘導する必要がありますが、その経路の違いです。

舌下法でいうと、口の中の粘膜に存在する「樹状細胞」というスギ花粉などの抗原を提示する細胞が、舌の下に入れた抗原(アレルゲン)を顎下リンパ節まで運んで、過剰な免疫反応を抑える働きをもつ「制御性 T 細胞」を誘導し、アレルギー症状を抑制します。

樹状細胞は皮膚の下にも同様に存在しているので、注射法では皮下注射で皮膚の下に抗原を入れて腋窩(脇)などのリンパ節に運ぶのです。

腸の主な働きといえば消化吸収ですが、実は腸の粘膜には免疫細胞が多く集まっており免疫反応にも深く関わっています。そこでアレルギーの原因となる食べ物を少しずつ摂取して過剰反応しないように身体に覚えさせていく方法が経口法です。

このように、それぞれの方法では免疫寛容を誘導するルートに違いがあるのです。

  • Q:舌下法と注射法で治療法は異なりますか?

舌下法では毎日自宅で薬を投与し、月に1回通院が必要です。注射法は薬の投与はすべて病院で行います。当初は週1~2回通院して注射でアレルゲンエキスを投与し、最終的には月1回のペースになります。(複数の注射スケジュールがあります)

注射法の方が効果が強いですが、注射の痛み等ストレスがあることや舌下法より強い副作用が出る頻度が高いです。

また、舌下免疫法は現時点ではスギ花粉症とダニアレルギーに対してのみ実施可能ですが、注射法ではその他にイネ科花粉症、ブタクサ花粉症など多種のアレルギー性鼻炎、花粉症に対して実施できます。

Point! 舌下免疫療法と皮下免疫療法の比較

舌下免疫療法と皮下免疫療法の比較表 薬の種類、投与方法、通院頻度、くすりの頻度、治療期間、副作用

  • Q:舌下法と注射法はどちらが効果的ですか?

両者を比較した試験はないので、あくまで印象でしかありませんが、注射法の方が舌下法より効果が強い。ただし、患者さんには注射の痛みなどストレスがかかったり、効果が強いだけに、まれに喘息の誘発や(アナフィラキシー)ショック等の全身性の強い副作用が起こることがあります。

Part3はこちら>>ニアレルギー性鼻炎向け舌下免疫療法』とは?小児アレルギーは免疫療法で予防になる?

Part1はこちら>>『スギ花粉症の舌下免疫療法やシダキュア舌下錠とは』

●松根彰志先生のプロフィール
  • 1984年 鹿児島大学医学部医学科 卒業
  • 1988年 鹿児島大学大学院医学研究科 博士課程 修了
  • 1988年~1990年 米国ピッツバーグ大学医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 留学
  • 2000年 鹿児島大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科 助教授 (2007年より大学院准教授)
  • 2011年~日本医科大学武蔵小杉病院 耳鼻咽喉科 部長(臨床教授)
  • 2015年~日本医科大学医学部 耳鼻咽喉科学 教授

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