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花粉症が原因のひどい鼻づまり、鼻水に対処する「鼻の手術療法」とは~日医大・松根彰志教授が解説!

花粉症が原因のひどい鼻づまり、鼻水に対処する「鼻の手術」とは~日医大・松根教授が解説!

花粉シーズンにサラサラな鼻水が止まらず、やがて鼻づまりが併発。薬を飲んでみたものの、息苦しい、頭が重いなどつらい症状が治らずに、何かよい対処法はないものかと思案している人も少なくありません。

そこで、花粉症クエストとNPO花粉症・鼻副鼻腔炎治療推進会(http://hanamizu.jp/)との共同連載『名医が教える!花粉症の治し方』(第7回)では、日本医科大学教授であり、日本医科大学武蔵小杉病院の耳鼻咽喉科部長の松根彰志先生に、花粉症が原因の鼻水や鼻づまりに対して確実な効果が期待できる『鼻の手術療法』について、わかりやすく解説していただきました。

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ダニアレルギー性鼻炎向け舌下免疫療法とは?

1.鼻の手術は「最後の砦」

●鼻づまり解消への「最後の砦」

Q:花粉症向けに鼻の手術療法があると聞きました。どのような症状のときに手術を行うのですか。

松根先生「花粉症での頑固な鼻閉などに対して、薬物治療をはじめ保存的治療(*)で治らないときに行うのが鼻の手術で、ある意味『最後の砦』です」

(*)保存的治療:人体を傷付けず、出血させずに治療する方法の総称

保存的な対処法サイクルの図

アレルギーに対する保存的対処法サイクル

●18歳未満の骨は切らない

松根先生「最後の砦といっても、成人と小児とでは手術の内容が異なります。18歳未満の子どもは顔面の発育途上で、骨を切断切除するような手術は通常行いません。あくまで腫れている粘膜を切除するのが小児向けの鼻の手術療法です。一方、成人に対しては、鼻中隔矯正術、下鼻甲介減量術(粘膜切除、鼻甲介骨切除)、後鼻神経切断術など粘膜、骨、神経を切除するような手術法が基本的な選択肢となります。3つすべて行うこともありますし、1つまたは2つを行うこともあります」

●内視鏡手術なので顔に傷はつかない

Q:手術で骨や粘膜を切ると、顔に傷がついたりしますか。

松根先生「そのようなことはありません。手術は内視鏡で行うので、口の中を切ったり、顔に傷が残るようなことはありません。つまり鼻の中以外はどこも切らない手術なのです」

2.鼻の手術の種類や概要

●骨を切除する「鼻中隔矯正術」

Q:鼻の骨を切除する「鼻中隔《びちゅうかく》矯正術」とはどのような手術ですか。

松根先生「鼻中隔がとても曲がっているとか、骨が分厚いことが原因で鼻づまりが起こるような大人には、内視鏡下で骨組みを切断切除して鼻づまりを解消すような手術が可能です。

例えば鼻中隔がくの字に曲がっているところの外側の粘膜を剥離すると、骨が露出します。その曲がっている部分を切除し、粘膜同士を貼り付けるように元の位置に戻します。つまり骨がない粘膜だけの鼻中隔ができるわけです。

鼻骨をいじるわけでなく、鼻の穴の間にある軟骨(および一部の骨)を部分的に切るだけなので、鼻は高くもならなければ低くもならず、顔貌《がんぼう》には何も影響はありません」

鼻の構造(頭を横に切った断層画像)

鼻の構想 頭の断面図

●粘膜を切除する「下鼻甲介粘膜切除術」

Q:なぜ粘膜を切除するのですか。

松根先生「鼻の中にある粘膜の棚のような構造物の中で大きなものを下鼻甲介といいます。大きい骨だけに表面積が広く粘膜の量が多いのですが、その粘膜が肥大化して厚くなると鼻づまりの原因になります。そこで粘膜を減量するために切除するのが下鼻甲介粘膜切除術です。あくまで粘膜を切除するだけで、骨をいじることはありません」

鼻の構造 イラスト

●神経を切除する「後鼻神経切断術」

Q:神経を切除する手術もあると聞きました。

松根先生「鼻水が薬などでもどうにも止まらない場合には、後鼻神経という鼻の神経を切除する手術を行うことがあります。鼻の中には、分布している神経が束になって出てきているポイントがあります。そこを露出させて切断切除するのです。その神経の束は副交感神経を多く含んでいます。副交感神経が活性化すると鼻水が出ますので、その機能を神経レベルで取り除くわけです。

ただ、一度切除しても神経が再生することがあります。過分泌状態にある鼻水の量を薬の作用ではなく手術という解剖学的な操作によって減らすことは間違いなくできるのですが、鼻水がどの程度減るのか、いつまで効果が持続するのかは個人差がありますね」

Q:すると鼻水が出なくなり、鼻の中が乾燥して困るうようなことにはなりませんか。

松根先生「今まで後鼻神経手術をして鼻乾燥症になったという報告は聞いたことがありません。その点は心配しなくて大丈夫のようです」

●粘膜を焼く「レーザー手術」

Q:よく耳にする鼻のレーザー手術と粘膜切除術との違いを教えてください。

松根先生「レーザー手術とは、粘膜の表面を炭酸ガスレーザーやアルゴンプラズマレーザーなど様々なタイプのレーザーで焼くものです。鼻の手術法のひとつではありますが、粘膜焼灼するだけなので、これまで説明したような骨や粘膜を切除するものではありません。

耳鼻科の開業医さんで行われる多くの鼻の手術がレーザー手術だと思います。当病院のような大学病院でもレーザー手術を行うことはできますが、大学病院にくる患者さんは症状が重篤な方が多いので、確実かつ長期的に鼻が通る効果を得るために骨や粘膜の切除術をすすめることが多いですね」

●鼻が通るように手術をデザイン

松根先生「これまでご説明した手術以外にも、例えば粘膜下にある下鼻甲介という骨そのものを切除する下鼻甲介粘膜下切除術など、いくつもの手術法があり、その中から患者さんの症状に合う手術法を正しく選択して組合せます。この手術デザインがきちんとできないと鼻が通るようにはなりませんので、耳鼻科医の専門家としての腕の見せ所です(笑)」

3.鼻の手術の流れ

Q:手術をする場合はどのような流れになりますか。

松根先生「初診は、患者さんの過去の診断の確認、CTスキャンによる撮影、採血によるアレルギー検査などを行います。

アレルギー検査の結果が出るのには1週間程度かかるので、その結果が出た後の2回目の受診で今後の治療方針を決める総合評価を行います。

その結果、鼻中隔矯正術、後鼻神経切断術など全身麻酔で手術を行う場合には、手術時間そのものは1時間半から2時間程度ですが、4,5日間の入院が必要です。一方、粘膜切除術のような局所麻酔での手術のときは日帰りが可能です。

手術後または退院後は1週間以内に通院してもらいます。術後の経過が順調であれば月1回のペースで数回通院となります。これがおおよその流れです」

鼻の手術 前後の流れ

4.手術で気になること(痛みや費用など)

Q:鼻の手術をする上で患者さんが気になることの一つが、痛みです。

松根先生「下鼻甲介粘膜切除術のように局所麻酔でできる手術であれば、麻酔をして行う歯の治療と同程度の痛みだと想像してもいいと思います。鼻中隔矯正術などの全身麻酔による手術の場合には、当然のことながら手術中は全く痛みがありませんが、麻酔が切れた後は鼻や喉のあたりになんらか痛みが出ます。その痛みも退院するまでには徐々に引いていくはずです」

Q:スギ花粉症の舌下免疫療法はスギ花粉飛散時は避けて治療開始しなくてはなりませんが、鼻の手術にも時期的な制限はありますか。

松根先生「レーザー手術であれば花粉が飛散する前に行っておく方がいいと思いますが、骨や粘膜を切除する手術であれば花粉飛散の時期に関係なくいつでも行うことが可能です。

骨や粘膜を切除して減量すると症状改善効果が確実に出るので、例えば、スギ花粉飛散のピーク時に薬が全く効かず鼻づまりがつらくてどうしようもない患者さんに、手術を行うこともあります」

Q:手術後には花粉症の薬は不要になりますか。

松根先生「鼻の手術を行ってもアレルギー体質が変化するわけではありませんので、花粉アレルゲンが身体に侵入すればアレルギー反応が起こります。鼻の手術で切除した粘膜や神経は再生することがあるので、アレルギー反応が続いているうちに再び粘膜が肥大化して鼻づまりの症状が再発することもあります。そこで手術後の症状がよくなった状態をキープして、手術の効果ができるだけ持続できるように、点鼻薬などの薬を適宜使用するなどアレルギー治療は継続する方がいいでしょう」

Q:手術のデメリットはありますか。

松根先生「手術のデメリットというより、手術の限界があると考えてもらう方がいいと思います。手術を行うと、ほとんどの患者さん、私の感覚では約9割の患者さんが『鼻がズドンと通った』と効果を実感しています。しかし、まれなケースとして、いくら物理的に粘膜を減量しても、アレルギー反応がひどく粘膜がすぐに肥大化し、効果を感じることができないという患者さんもいます。

つまり、手術は鼻づまりなどの症状をよくすることはできますが、アレルギー体質をそのものを治すものではない、それが手術の限界なのです。言い換えるならば、鼻の手術は患者さんを再び保存的な「対処法サイクル」に戻すためのものなのです。

もう一度、対処法サイクルの図を見てください。鼻の手術はこの対処法サイクルを行っても症状がひどくて治らない患者さんに対して行うものですが、手術を受けたら、再びこの対処法サイクルに戻ってもらいます。せっかく通りがよくなった鼻が再びつまらないように、アレルギー治療や対策をすることが肝心なのです」

保存的な対処法サイクル

アレルギーに対する保存的対処法サイクル

Q:他に手術のリスクはありますか。

松根先生「先ほども言いましたが、手術で鼻の高さが変わる、顔の形が変わるようなことはありません。

鼻中隔の粘膜が薄い人の場合、鼻中隔を切除した後に粘膜を貼り付けても、小さな穴(穿孔《せんこう》)が空くことがあります。だたし鼻の機能的にも、顔の見た目にも問題ありません。

また、鼻の手術に限ったものではありませんが、手術の一般的なリスクとして麻酔の説明を行っています」

Q:費用はどのぐらいかかりますか。

松根先生「保険適用で3割負担の場合、手術と入院費用でおおよそ10万~20万円です。日帰りの手術の場合は10万円に満たない金額になると思います。

患者さんによっては民間の医療保険や生命保険の特約で医療費や入院費をカバーできることもあるようですから、手術を検討する方は、ご自身が契約している保険会社さんに確認してみるといいですよ」

5.鼻の手術のこれから

Q:鼻の手術は今後どのように進化しますか。

松根先生「内視鏡などの光学機器が進歩すればより微細な手術ができ、患者さんの痛みや出血というハードルが下がります。

また、手術の際に鼻に詰め物をしますが、入れっぱなしが可能な特殊な材質ができれば、手術後に取り出す必要がなくなります。

すると、現在は入院が必要だった手術が日帰りでできるようになり、患者さんの時間や費用の負担が軽くなるでしょう」

6.終わりに~松根先生からのアドバイス

Q:最後に、松根先生から鼻の手術を検討している方にアドバイスをお願いします。

松根先生「鼻中隔弯曲がひどい方は、鼻の構造に異常があるので手術を受けることをおすすめします。手術で骨を切除すれば、その後粘膜が少々腫れても鼻が通るので、鼻づまりになりにくくなります。

スギ花粉症のような季節性アレルギーで、花粉シーズンだけに粘膜が腫れる場合には、まずは先ほどの対処法サイクルをやってみてください。花粉だけが原因の患者さんはシーズン時に急性で粘膜の腫れが起こり、シーズンが終わると治癒することを繰り返しているはずです。粘膜にそういう可逆性が残っている方は、さきほどの対処法サイクルでも対応できると考えています。

しかし、花粉症だけでなくダニなどの通年性アレルギーを併発している方は、粘膜が慢性的に腫れていることが多く、その場合には手術で肥大化した粘膜を切除して鼻づまりなどの症状を軽くする方が患者さんの生活が楽になりますので、手術の検討をおすすめします」

Q:松根先生、貴重なお話をありがとうございました!

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●松根彰志先生のプロフィール
  • 1984年 鹿児島大学医学部医学科 卒業
  • 1988年 鹿児島大学大学院医学研究科 博士課程 修了
  • 1988年~1990年 米国ピッツバーグ大学医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 留学
  • 2000年 鹿児島大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科 助教授 (2007年より大学院准教授)
  • 2011年~日本医科大学武蔵小杉病院 耳鼻咽喉科 部長(臨床教授)
  • 2015年~日本医科大学医学部 耳鼻咽喉科学 教授

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