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2018年春の花粉症を振り返り、花粉症年間カレンダーで今後の対策を検討しよう!~大久保公裕教授インタビュー(前編)

名医が教える花粉症の治し方 連載第一回前編 大久保公裕医師 日本医科大学教授

これからもスギ花粉症の患者さん誰もが治る治療法を研究開発することが目標です。

スギ花粉症の治療が完成すれば、免疫の病気を治す上で大きな前進となる。

そのためにはアイデアとテクノロジーをミックスして、今までにない新しい手法を確立したいと考えています。

そう語るのは、スギ花粉症の舌下免疫療法など花粉症治療の第一人者、日本医科大学の大久保公裕教授です。

大久保教授が理事長を、同大学・松根彰志教授が副理事長を務めるNPO法人「花粉症・鼻副鼻腔炎治療推進会」は花粉症市民講座を毎年実施するなど、花粉症やアレルギー性鼻炎の治療に関する啓蒙活動を行っています。

このたび、NPO花粉症・鼻副鼻腔炎治療推進会と花粉症クエストは共同で、大久保教授、松根教授をはじめ花粉症の治療の最前線で活躍する医師に毎月1回インタビューを行う(連載)「名医が教える!花粉症の治し方」をスタートします。花粉症に悩む患者さんや花粉症を予防したいと考えている方々に治療や対策法の参考になる情報をあらゆる角度からお伝えしていきます。

連載第1回目は大久保教授に2018年春の花粉症シーズンの振り返りや、花粉症対策をするための年間カレンダーについてご説明いただきました。前編・後編の2回に分けてお伝えします。

(後編はこちら)

2018年春の花粉症を振り返り、花粉症年間カレンダーで今後の対策を検討しよう!~大久保公裕教授インタビュー(後編)

2018年春の花粉症を振り返り、花粉症年間カレンダーで今後の対策を検討しよう!~大久保公裕教授インタビュー(後編)

1.2018年は「大量!短期集中!強風」だった!

Q:5月に入りスギ、ヒノキともほぼ飛散が終了しました。今年の春の花粉シーズンを振り返えると、どんな特徴があげられますか?

・近年にないヒノキ大量飛散

第一の特徴はなんといっても「ヒノキ花粉の大量飛散」でしょう。スギも大量でしたがそれにも増して3月下旬から4月にかけてヒノキの大量飛散が目立ちました。

気象庁などが実施しているダーラム法と呼ばれる花粉モニタリングでは、1日あたりのヒノキ花粉数が200~300個/cm²の日もありました。シーズン累計数で万に近い方の数千個になる計測地点がいくつもあります。近年にみられない大量飛散です。

・2つの山ができる短期集中型

今年は2月下旬ごろからスギ花粉が大量に飛散開始しました。3月上旬から中旬にかけて飛散ピークとなりましたが、3月中旬ごろ寒気が入り込み3月下旬には飛散量が減っていきました。

その3月下旬頃から今度はヒノキ花粉が飛び始め、気温の上昇とともに一機にピークになりましたが、4月下旬にはそれが収まりました。

2018年花粉飛散量のイメージ グラフ スギとヒノキの2つの山

2018年花粉飛散量のイメージ

今年の花粉飛散量をグラフにすると「2つの山」のイメージです。

年によってはスギとヒノキの飛散時期がほとんど一緒で山が1つになったり、山の曲線なだらかなこともありますが、今年はスギとヒノキの山が3月下旬に少し重なったものの、2つの高い山ができました。飛び始めると一機に花粉量が上昇し、それが短い間で収束する「短期集中型」だったのも今年の特徴です。

・何度も吹いた強風

もう一つの特徴は、春一番に代表されるように3月、4月に強風の日が多かったという気象条件です。

東京地点の2月、3月、4月の平均風速比較

2016年、2017年、2018年 東京の平均風速

風が強いと吸い込まなくても花粉が身体にぶつかってきます。

特に表層に出ている目には花粉が侵入しやすく、目のかゆみなどの症状が出やすいのです。

2.今年の症状の特徴

・目の症状が目立った

Q:「今年の花粉は目がかゆい」という声をよく聞きました。それは強風が影響しているのでしょうか?

その通りです。

花粉症の症状の特徴は、「気象条件」、「花粉の多さ」、「花粉飛散の期間」で変わってきます。目がかゆいという特徴は気象条件によるものです。

スギやヒノキ花粉は空の上から落ちてきます。鼻は空気と一緒にその花粉を吸引するので、風によって症状が影響を受けこるとはあまりありません。一方、目の方は、ふわふわと空気中を舞っている花粉が大量に入ってくるとは考えにくいですが、風が強い時は花粉が目にぶつかってくるので直接侵入しやすい。今年は強風の日が多く、従って目の症状の悪化につながったのでしょう。

・症状がぶり返した

Q:症状にヒノキの大量飛散の影響はあったのでしょうか?

現在全国に約10万人程度、スギ花粉症向けの舌下免疫療法(*1)を行っている患者さんがいますが、治療の効果でスギ花粉飛散の時期には症状が落ち着いていた方が、3月終わりごろから4月に入ってヒノキの大量飛散が原因で症状がぶり返したり悪化するケースがありました。

スギとヒノキは花粉症の原因となるアレルゲン構造が似ているので、スギ花粉症の舌下免疫療法を行っていればヒノキ花粉症対策になることもあるのですが、今年のようにヒノキ花粉が大量飛散すると、誰にでもヒノキ花粉に効果があるとはいえないことがわかります。

(*1)舌下免疫療法とは花粉症などのアレルギーの原因物質(アレルゲン)を含むエキスを舌の下に投与し、体内に吸収させる方法。 この投与を継続的に行うことで症状を軽減させる。

Q:スギ花粉症とヒノキ花粉症で症状の違いはありますか?

スギとヒノキの花粉の性質に違いはありますが、症状は基本的に同じで違いはありません。

3.2018年は2011年以来のスギ花粉あたり年

Q:昨年末、2つの気象予測団体が出した今シーズンの花粉飛散予測が真逆になり話題になりました。

そうでしたね。2つの団体が予測に用いている因子が異なるのが原因でしょう。

予測をする際には過去のデータを分析しますが、地球規模で気候が変動していたり、道路や建物などの開発によって気象条件が変わってしまいます。気象条件が変化すれば花粉の飛散も影響を受けるので、過去のデータだけで予測は難しい。地震予測ができないのと同じです。

ただし、ここ3~5年の間、スギ花粉の飛散が少なかったので、そろそろ大量飛散がきてもおかしくないと考えていました。

2005年、2011年がスギ花粉の大量飛散年でしたが、2011年からずいぶん時間がたっていたので、仮に天気が悪い、気温が低いなど花粉飛散のための気象条件が整わなくても、スギの木の生態リズムとしてそろそろ花粉を多く放出することは予想できたように思います。

4.抗ヒスタミン薬「デザレックス」が欠品に

Q:治療の面で特徴的なことはありましたか?

一昨年、昨年と花粉症の治療に用いられる抗ヒスタミン薬(*2)に新しい薬が加わりましたが、それらがこの春に多く処方されました。

(*2)抗ヒスタミン薬とは、体内で放出されたヒスタミンをブロックしてアレルギー反応を抑え、花粉症、蕁麻疹、喘息などによる皮膚の腫れや痒み、鼻づまり、咳などの症状を改善する薬

Q:2016年にはデザレックスとビラノアが、昨年末にはルパフィンが発売されましたね。

はい、そうです。

主な第2世代抗ヒスタミン薬

第二世代抗ヒスタミン薬の処方薬リスト 発売年月 後発品有無 市販薬有無

デザレックスやビラノアは眠気の副作用が少ないことや、発売から1年経過して1か月といった長期処方が可能になり、既存の治療薬で効果を感じられなかった患者さんに積極的に処方されたように思います。デザレックスは途中で欠品になり処方が停止されたほどです。

ルパフィンはまだ発売から1年経っていませんので、最大で2週間分しか処方できません。患者さんによっては長期処方を望む方もいるので、おそらく長期処方が可能になる来春のシーズンにはもっと多く治療に用いられるのではないでしょうか。

Q:4月に入って皮膚に貼るタイプの「アレサガテープ」も発売になりました。

「アレサガテープ」は花粉症などのアレルギー性鼻炎薬としては初めての経皮吸収型テープの治療薬です。嚥下が難しいお年寄りや服薬管理が必要なお子さんには飲み薬よりも貼り薬の方が適しているケースがあります。アレサガテープは15歳以上の成人が対象ですが、いずれは子どもにも適当な分量のテープを切って処方できるようになるかもしれませんね。

➡アレサガテープとは

花粉症などのアレルギー性鼻炎に貼って治すテープ剤「アレサガテープ」

【花粉症薬】花粉症などのアレルギー性鼻炎に貼って治すテープ剤「アレサガテープ」発売!サロンパスの久光製薬から

5.高価な花粉対策グッズが目立った

Q:今年の花粉症のトレンドとして、「花粉を水に変えるマスク」のように高機能をうたった高価なグッズが目立ったように思います。

そうですね。ただ、マスクやメガネのようなグッズはコマーシャルなどに左右されずに、安価なものでもいいと思います。

なぜなら、安価なものであれば頻繁に新しいものに交換しやすい。特にマスクは特殊で、実証され得ないような性能にこだわるよりも、新しくて清潔なものを着用することをおすすめします。

(後編はこちら)

2018年春の花粉症を振り返り、花粉症年間カレンダーで今後の対策を検討しよう!~大久保公裕教授インタビュー(後編)

2018年春の花粉症を振り返り、花粉症年間カレンダーで今後の対策を検討しよう!~大久保公裕教授インタビュー(後編)

➡「第5回花粉症市民講座・子どもの花粉症とは」日医大・大久保公裕先生

日医大・大久保公裕先生に教わる!子どもの花粉症の原因、特徴、治療薬

■大久保公裕先生プロフィール

免疫アレルギー性疾患を専門に研究し、花粉症治療において日本を代表する医師。国や企業と共同でアレルギー性鼻炎の新しい免疫療法の開発を積極的に進めている。花粉症の舌下免疫療法の開発では大規模臨床試験の責任者として治療法確立に大きく貢献した。

  • 1984年 日本医科大学 卒業
  • 1988年 日本医科大学大学院 修了
  • 1989年~1991年 アメリカ国立衛生研究所(NIH) 留学

(現在)

  • 日本医科大学大学院医学研究科 頭頸部感覚器科学分野 教授
  • NPO花粉症鼻副鼻腔炎治療推進会 理事長
  • 日本耳鼻咽喉科学会 代議員
  • 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会 理事
  • 日本アレルギー学会 常任理事
  • 第58回日本鼻科学会総会・学術講演会」(2019年 東京)会長

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