世界で初めて花粉症が発見されたのは、19世紀のイギリスです。「干し草熱 hay fever」と呼ばれ、その原因はイネ科植物の花粉でした。
その後、イギリスだけでなく欧州で広く牧草が原因の花粉症が認識されました。牧草の多くにイネ科植物が含まれており、今でも欧州ではイネ科花粉症が主要な花粉症です。
近年、日本でもイネ科花粉症の人が増えています。都市開発で緑地スペースが推進され、都会の街中でもイネ科雑草が増えていることが背景と考えられています。
そこで今回は、イネ科花粉症の”本場”イギリスで、効果的とされる花粉対策法「鼻バリア」について紹介!もちろん、イネ科花粉だけでなく、ブタクサやヨモギなどの秋花粉の対策にもおすすめです。
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1.「鼻バリア」とは
「鼻バリア」とは、花粉が鼻に侵入するのを防ぐために、ワセリンを鼻の穴の先に塗って、花粉が鼻の中に侵入したり破裂するのを防ぐ花粉対策法です。
ワセリンは鉱物油からできた油で、純度の高いものは医薬品として使用されたり、ヴァセリンという商品名でコンビニなどで売られています。リップクリームの代わりに使っている方も多いですね。
2.「鼻バリア」が効果的な理由
花粉症を起こす原因物質をアレルゲンといい、アレルゲンは花粉の表面や内部に存在しています。
スギ花粉を例に説明すると、スギ花粉の代表的なアレルゲンはCry J1とCry J2です。Cry J1は花粉の外表面に、Cry J2は花粉の内部に存在しています。
植物の生態では、花粉はめしべと触れると、破裂して受精します。
それと同じように、花粉は鼻の中に入ると、弱アルカリ性の鼻水に触れて、割れやすくなります。花粉が割れると、花粉の表面や内部に存在しているアレルゲンが鼻の中に放出され、カラダはくしゃみ、鼻水でそれらを体外に除こうとするのです。これが花粉症の症状です。
ところが、油でできたワセリンを鼻に塗ると、塗った部分に水分がなくなります。
花粉は割れなければアレルゲンがたくさん放出されることはありません。ワセリンを塗った部分に花粉が付着しても破裂しにくいため、花粉症の症状が軽減されるわけです。
さらに、鼻と目の間には神経の反射があります。鼻の穴の先にワセリンを塗ると、鼻の症状だけでなく、目のかゆみや涙目などの目の症状にも効果が期待できるのです。
3.ワセリンの塗り方
「鼻バリア」ためのワセリンの効果的な塗り方をご紹介しましょう!
- ①鼻の穴の入り口(小鼻に)塗ります
- ②綿棒もしくは清潔な指でやさしく塗り広げます
- ③量は綿棒の先が薄く覆われるくらいが目安です
- ④鼻血が出やすい内側は優しく塗ってください。奥まで突っ込みすぎてはいけません。
- ⑤目安は1日3回から4回。ときどき鼻をかんで、花粉がついたワセリンを取り除いてから、再度塗りなおしてください。
- ⑥脂漏性湿疹、脂漏性皮膚炎の方は油で炎症を起こすので、ワセリンを使用しないでください。
- ⑦スーッとするのがお好きな方は、ワセリンにハッカ油をほんの少し足らてから、鼻に塗ってください。
NHK「ガッテン!」で紹介された「鼻バリア」で花粉対策!鼻の穴に塗るおすすめアイテムは?
4.まとめ~花粉が割れない!ワセリンパワー
ここまでお話ししたように、ワセリンは花粉が破裂してアレルゲンが放出されるのを防ぐ効果があります。
秋花粉の対策には、マスク着用にワセリンの「鼻バリア」をプラスするのがおすすめです!
ぜひお試しください!