桜が満開を迎えるころに、スギ花粉の飛散ピークは過ぎ、今後はヒノキ花粉が本格飛散します。
スギ花粉症の人は、スギ花粉のシーズンが終われば一安心と思っているかもしれませんが、油断はなりません。中には、ヒノキ花粉にアレルギー反応し、花粉症の症状が長引く人もいます。
ここでは、スギ花粉症の人がヒノキ花粉にアレルギー反応する理由や、ヒノキ花粉症についてご説明します。
なぜ花粉症が起こる?
花粉症が起こる原因は、花粉の表面や内部にある「アレルゲン」と呼ばれるたんぱく質です。これが体内に入ると刺激を起こし、くしゃみや鼻水、かゆみなどの症状につながります。
スギ花粉の場合には、Cry j 1、Cry j 2という名のアレルゲンが報告されています。ヒノキ花粉のアレルゲンは、Cha o 1、Cha o 2と名づけられています。
スギ花粉症とヒノキ花粉症は交差する
スギはヒノキ科に分類される同じ仲間の植物です。
スギはヒノキ科に分類される植物
同じ仲間だけに、花粉の構造にも似ている部分があり、スギのアレルゲンであるCry j 1、Cry j 2は、ヒノキのアレルゲンのCha o 1、Cha o 2と似ています。
その結果、スギ花粉症の人の体内にヒノキ花粉が侵入すると、体の免疫機能がスギ花粉と間違えて攻撃することがあります。これが「交差反応」です。その結果、ヒノキ花粉にもかかわらず、花粉症の症状が発症するのです。
同様に、ヒノキ花粉症の人がスギ花粉に反応することもあります。
花粉症治療の第一人者である、日本医科大学大学院 大久保公裕教授によると、スギ花粉症の約7割はヒノキ花粉にも反応し、スギには反応せず、ヒノキ花粉症だけの人はほぼいないそうです。
大久保公裕先生が解説するヒノキ花粉症の動画はこちら↓
「ヒノキ花粉症」の特徴は?
●症状の特徴
ヒノキ花粉症の症状は、スギ花粉症と基本的に同じです。
鼻水は、水のようにサラサラです。くしゃみが頻繁に出たり、鼻づまりを起こすこともあります。
目の充血、かゆみ、涙が出るなど、アレルギー性結膜炎の症状もよく見られます。
そのほかに、頭痛、喉のイガイガ、皮膚や耳のかゆみ、頭部を中心にだるい、などの症状が起こることがあります。
●飛散時期
ヒノキはスギと約1ヶ月ピークの時期が後ろにずれて、だいたい3月下旬~4月に飛散します。年によっては5月大型連休明けまで続くことがあります。
治療や対策方法は?
ヒノキ花粉症の治療方法は、一般的な花粉症と同じです。
抗アレルギー作用のある飲み薬や目薬、ステロイド入りの点鼻薬などを用いて症状を抑えます。
ただし症状が治っても、根本的な治療ではないため、翌年の花粉シーズンになると再び症状が現れるという繰り返しになります。
そこで、根治を目ざす治療薬「シダキュア」が広がっています。これはスギ花粉症向けの舌下免疫療法と呼ばれる治療法で、スギ花粉のエキスでできた錠剤を、毎日、舌の下に入れて、体に慣れさせるものです。3年間前後継続する必要がありますが、これまで治療をうけた約80%の人が、スギ花粉症が治ったり、症状が軽くなったと報告されてます。
交差反応のあるヒノキ花粉症に対しては、スギ花粉と同様に治ったという人もいれば、ヒノキ花粉には効果がなった人もいて、効果については確証されていないようです。
Point! スギ花粉症の舌下免疫療法とは
スギ花粉症の根治を目指す舌下免疫療法について、日本医科大学 松根彰志教授がQ&A方式でわかりやすく解説↓
まとめ
3月下旬から、ヒノキ花粉のシーズンになりますが、スギ花粉症の人も油断しないで花粉対策を継続する方がいいでしょう。
一番の対策法は、花粉を体に寄せ付けないことです。
外出時には花粉、メガネ、帽子をつける。衣類はツルツルした生地のものを選ぶ。帰宅時には、玄関前で花粉を払い落す。家に入ったらすぐに手洗い、うがい、目洗いを行う。お風呂に直行がおすすめです。こまめに掃除を行い、加湿器や空気清浄機を活用する。換気時にはレースのカーテンを用いると花粉の侵入を減らすことができます。
しっかり対策をして、花粉シーズンを少しでもラクに乗り切りたいですね。
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