花粉シーズンに喉が痛い、かゆい、咳が止まらないなどの症状に悩む方が少なくありません。花粉症の症状は鼻や目に出ることが多く、喉の症状が花粉が原因であることに気づかないこともあるようです。
ここでは、花粉シーズンに咳や喉のかゆみが起こる原因や症状の特徴、対策法についてご説明します。
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1.花粉症の咳やかゆみの原因
・雨やPM2.5で花粉アレルゲンが放出
花粉症が起こる原因は花粉そのものではなく、花粉の表面や内部にある特定のたんぱく質です。それをアレルゲンと呼びます。スギ花粉ではCry j 1 、Cry j2というたんぱく質が、ヒノキ花粉では主にCha o 1 Cha o 2というたんぱく質が主なアレルゲンです。
花粉研究を行う埼玉大学大学院 王青躍教授によると、雄花から花粉が放出されると大気中を風に乗って飛散していますが、なんらかの衝撃で花粉が破裂してアレルゲンが外に飛び出すことがあります。その衝撃要因として考えらるのは、雨やPM2.5 などの汚染物質です。
✅雨や湿気
✅黄砂
✅ディーゼル車の排気ガス
✅道路の粉じん
花粉は雨の水分を吸収すると膨張し、破裂しやすくなります。破裂すれば花粉からアレルゲンが空中に放出されます。雨の翌日に晴天になると花粉症がつらいのは、空中に放出されたアレルゲンがたくさん舞っているからです。
また、春に大陸から黄砂が飛んでくる九州、排気ガスや粉じんが多い都心部の幹線道路の周辺などで、症状の重い花粉症が多く発症しているのも、花粉が黄砂や粉じんと衝突してアレルゲンが飛び散り、さらに黄砂や粉じんとくっつくことで悪質化しているからです。
・微細な花粉アレルゲンが喉に侵入
スギ花粉の大きさは一般的に30μm(*1μmは0.001 ミリメートル)程度ですが、アレルゲンは0.1μm以下の微小サイズです。アレルゲン物質は花粉よりも極小サイズなので、鼻や目の粘膜を通り抜けて、喉や気管支まで侵入できます。それによって咳や喉のかゆみが起こりやすいのです。
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・空気の乾燥で喉の粘膜がダメージ
冬から春にかけて空気がとても乾燥します。ノドの粘膜の表面には、細菌やウイルス、花粉アレルゲンをブロックする「線毛」がありますが、空気が乾燥するとその動きが鈍ります。そこに花粉アレルゲンが侵入すると喉にかゆみや痛みが起こりやすくなるのです。
すでに花粉症で鼻づまりが起こっている場合には口呼吸になりがちなため、乾燥した空気が喉を直撃し、粘膜を傷つけてしまうこともあります。
また花粉症だけでなくインフルエンザや風邪を併発すると、喉の機能はさらに低下します。喉の痛みや咳などの症状が悪化する原因になります。
2.花粉症の咳や喉の症状の特徴
喉の症状が起こったときに、その原因が花粉なのか風邪なのか迷うことがあります。
一般的に、花粉症の咳の特徴は「コホンという乾いた軽い咳」であることです。それに対して風邪の咳は「ゴホンという痰(たん)が絡んだような重い咳」であることが多いようです。
喉の症状では、花粉症が原因の症状の場合「かゆい・イガイガする」ことが多いのに対して、風邪の場合は「痛い」と感じることがよくあります。ただし花粉症でも喉の症状が悪化すると痛みを感じることがあるので注意してください。
●花粉症と風邪の症状の比較
咳や喉の症状以外でも花粉症と風邪を見分けるポイントがあります。
〔咳〕
- 花粉症:コホンという乾いた軽い咳
- 風邪:ゴホンという痰が絡んだような重い咳
〔喉〕
- 花粉症:かゆみ、イガイガ
- 風邪:痛み
〔鼻水〕
- 花粉症:透明でサラサラな鼻水
- 風邪:白色ないしは黄色の粘り気のある鼻水
〔くしゃみ〕
- 花粉症:1日に何回もでる
- 風邪:頻度はさほど多くない
〔熱〕
- 花粉症:出たとしても微熱
- 風邪:微熱から高熱
➡花粉症と風邪の見分け方
3.対策法は?
花粉症による喉の症状には、抗ヒスタミン薬が入っている内服薬を服用し花粉症の症状を抑えることが必要です。
また喉の炎症を鎮めるには抗炎症成分が入っている喉スプレーや消毒・殺菌成分が入っているうがい薬を使用することがあります。
軽いかゆみや痛みであれば、トローチやのど飴で喉を潤すと喉が楽になります。
喉の症状がひどいときには、飲酒や喫煙を控える、辛いもの・熱いものなどの刺激が強い食べ物を控えるといいでしょう。
また、外出時はもちろん喉が乾燥しないために室内でもマスクを着用したり、加湿器で湿度の調整をしっかり行ってください。
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