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(2019年花粉症特集)スギ花粉を減らす取り組みをしています~「花粉発生源対策普及シンポジウム」レポート(前編)

「全林協」(一般社団法人全国林業改良普及協会)は、国や都道府県と協力して花粉発生源対策」を手がけていますが、その活動を広く一般の方々に知ってもらうために、2018年12月15日に新木場にある木材会館で花粉対策に関するシンポジウムを開催しました。

ここではその概要についてレポートします。(前編)

➡どんな薬?いつから?どんな効果?花粉症治療の第一人者、大久保公裕先生がわかりやすく解説↓↓

(2019年花粉症特集)花粉症の早めの対策「初期療法」は花粉症治療の基本です!~日医大・大久保公裕教授が解説 初期療法にはどのような薬を用いて、いつから始めるべきなのか、期待できる効果とは、また、沢山ある第2世代抗ヒスタミン薬のタイプの違いなど

(2019年花粉症特集)花粉症の早めの対策「初期療法」は花粉症治療の基本です!~日医大・大久保公裕教授が解説

1.国土の多くを占めるスギ林、その理由は?

スギ花粉症は日本にしかありません。なぜスギ林が拡大したのか?そうなった背景は?林野庁 森林整備部森林利用課 課長補佐の中村隆史さん「スギ・ヒノキ林 今、昔、そしてこれから」をご説明してくれました。

林野庁 森林整備部森林利用課 課長補佐の中村隆史さん
中村隆史さん

スギは日本固有の樹種でほぼ全国に分布し、縄文や弥生の遺跡から出土するように古代から使われていました。ヒノキは日本とお隣の台湾に自生しており、材の品質が高いことから1300年前の法隆寺建立に用いられていました。また、伊勢神宮の式年遷宮でも毎回使用されています。

日本は国土の約7割が森林で占められていますが、そのうちほぼ4割が人工林です。更にその7割がスギとヒノキの人工林。

スギの人工林が増えた理由は、
・戦後の荒廃した土地の水害などを防止するため緑化運動が行われたため
・高度経済成長期の木材需要にこたえるため
・成長が良く、木材として昔から利用されていたことから森林主さんに好まれたため
・エネルギー転換時にコナラなどの広葉樹からスギなどの針葉樹へ切り替わったため

と言われています。
現在、約50~60年前に植樹されたスギが大きく成長。スギは20~30年生のころから花粉が多く飛散します。今こそ成長したスギ林を伐採して花粉の少ない苗木に植え替える時期にきているのです。このため、木材を利用することにより、森林の伐採を進め、花粉の少ない苗木に植え替えるという施策をもっと推進していきたいと考えています。これからも植え替えの際には花粉が少ないスギ品種を採用してもらうように森林主さんに働きかけていきます」

2.花粉の少ないスギとは

スギやヒノキにはよい性質がたくさんあります。唯一私たちが困っているのが、雄花から出る花粉です。その花粉が少ない品種や無花粉の品種を開発すれば、これを利用することでスギやヒノキの花粉症が減少するのではないか。そのような考えから品種改良に取り組んでいるのが(国研)森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センターです。同センター育種部長の星比呂志さん「いかに花粉の少ない品種を開発するか」をご説明してくれました。

森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター育種部長の星比呂志さん

星比呂志さん

「全国のスギの中から成長などが優れたものを『精英樹』として選びました。その中から花粉が少ないものを選りすぐり『花粉の少ない品種』を開発しています。

当センターではすでに少花粉スギ142品種、少花粉ヒノキ55品種を開発しています。これら以外に都道府県が独自に開発したものもあります」

(以下3点の画像は森林総合研究所林木育種センター資料より引用)

少花粉スギ 森林総合研究所林木育種センター資料より引用

少花粉ヒノキ 森林総合研究所林木育種センター資料より引用

「また雄花をつけても花粉ができない無花粉スギ品種も開発しています」

無花粉スギ 森林総合研究所林木育種センター資料より引用
「こういった品種を各都道府県の採種園や採穂園で育成してもらい、花粉症対策苗の普及を広げていきたいと考えています」

(林野庁ホームページより引用)

花粉症対策スギ苗木生産量等の推移

3.菌類を使って花粉飛散を抑える

少花粉スギの苗木を植えるには、現存する木の伐採が欠かせません。それにはハードルがあるのも事実。そこで、今生えているスギ樹の花粉の飛散を抑える方法を研究開発したのがこの「菌類を使った防止剤の開発」です。(国研)森林研究・整備機構 森林総合研究所の研究専門員である窪野高徳さんがご説明してくれました。

森林研究・整備機構 森林総合研究所の研究専門員である窪野高徳さん
窪野高徳さん

花粉発生源に対して即効性のある対策法として開発されたのが、自然界に生存する微生物を使って人為的に雄花を枯死させる『生物防除法』です。シドウィア菌は、スギの雄花を好んで寄生する糸状菌(カビの仲間)の一種で、この菌によって感染して枯死したスギ雄花は開花しないため、花粉が飛散しません。

シドウィア菌を用いて花粉の飛散を防止するためには、菌を効率的にスギ雄花に散布することが必要です。試行錯誤の結果、大豆油と乳化剤を混和することで耐乾性のある防止を作製することができました。

スギは8月下旬から雄花を形成し始め、10月には成熟した小胞子ができます。この防止剤を11月に散布すると、枝レベルではあるが、80%以上の雄花が枯死し、通常のスギに比較して3%程度まで飛散量を抑制することができました。

このように防止剤は完成し、散布に適した時期も判明しましたが、実用化するにはまだ課題が残っています。1つは、農薬登録するために農林水産消費安全技術センター(FAMIC)の検査によって安全性が立証されなければなりません。もう1つが、散布法の確立です。理想的なのは空中散布法ですが、その場合には付近の森林生態系への影響評価が必要になります。

このように、防止剤をスギ林に散布するまでには、まだ、いくつかの調査や研究が必要ですが、それらを1つ1つクリアーして、防止剤の実用化を実現させたいと考えております

4.木材利用促進、東京都の取組み

花粉発生源対策には、雄花が成熟したスギの木を伐採することがそのひとつですが、うまく進んでいないのが実状です。そこで東京都では「木材利用の促進を通して花粉飛散量削減に向けた取り組み」を行っています。東京都農林水産部森林課 課長代理の桜井康裕さんがご説明してくれました。

東京都農林水産部森林課 課長代理の桜井康裕さん

桜井康裕さん

「昨年12月に東京都が発表した調査では、東京都民の約半数が花粉症患者であることがわかりました。花粉症に悩む方に花粉症対策にどんな施策を期待するかをたずねたところ、スギの木を伐採してほしいという要望が高いことも明らかになりました。

東京都は面積の約36%が森林で占められており、自然に囲まれた大都市という世界でも類をみない特長をもっています。その森林の多くが林齢51~60年生のスギ。ところがスギの木の価格がピーク時の3分の1になっていることで、森林所有者による伐採が停滞しています。
樹木は20年生を過ぎると二酸化炭素の吸収機能が低下することからも、今ある木を順次伐採し、そこに新しく木を植栽する森林サイクルが必要です。
現在、東京都の財団は資金を提供して伐採、植栽などの活動を行っていますが、中でも力を入れているのが伐採した「多摩産材」の利用推進です。

例えば、東急電鉄池上線・戸越銀座駅ホームのリニューアルに多摩産材が使われました」

東急電鉄池上線・戸越銀座駅ホームのリニューアルに多摩産材が使われました

東洋経済オンラインより引用

「その他にも、一般の方も利用できる東京都庁内のレストランを木のテーブルや椅子にしたり、公園の遊具、地下鉄の案内板などあらゆるところで木材の利用促進を図っています」

■後編はこちら↓↓をご覧ください。

(2019年花粉症特集)今シーズンの花粉は多い?いつ頃飛散開始?花粉症の治療とは?~「花粉発生源対策普及シンポジウム」レポート(後編)

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