【花粉米】農水省など、スギ花粉米などのバイオ農作物・新素材・医薬品を早期に実用化する提言をとりまとめ

第9回農業と生物機能の高度活用による新価値創造に関する研究会

農林水産省は2018年1月5日、経済産業省など運営している「農業と生物機能の高度活用による新価値創造に関する研究会」(座長:高田史男氏・北里大学大学院医療系研究科教授)の第9回会議を開催し、研究会の最終提言をとりまとめた。

この研究会は、生物機能を高度に活用して創出されたプロダクトが早期に社会で実用化されるための環境整備や施策について検討し、提言としてまとめるために約2年前から実施されている。スギ花粉米などのバイオ農産物や遺伝子組み換えカイコが生産する新素材や医薬品の社会実装を強く促進するねらいだ。

研究会は今回が最終で、まとめられた提言は政府が今夏にも策定するバイオ技術の活用戦略に盛り込まれていく見通しである。

➡第8回新価値創造に関する研究会の議事の様子

【花粉米】スギ花粉米や遺伝子組換えカイコ等を早期に実用化するための検討会開催

1.提案骨子と討議の要点

今回とりまとめた提言は以下の9つの章からなる。

  • 提言1 生物機能の高度活用による新価値創造に関する政策の策定と推進
  • 提言2 バイオテクノロジー利用に関する国民理解の推進
  • 提言3 オープンイノベーションの推進
  • 提言4 遺伝子組換え等に関するワンストップ窓口・情報共有サイトの設置・運営
  • 提言5 ゲノム編集に関するルールの明確化
  • 提言6 バイオテクノロジー農作物の実用化の促進
  • 提言7 遺伝子組換えカイコによる医薬品、高機能シルク等の生産による新産業創出
  • 提言8 バイオ分野の民間研究開発投資支援、バイオベンチャー企業支援
  • 提言9 人材育成
●疾病治療や予防のための食品を

提言1『生物機能の高度活用による新価値創造に関する政策の策定と推進』の章の中では、

「スギ花粉米などのバイオテクノロジー農作物については、食品の形態で利用できる利点を活かすべきである」

「バイオテクノロジー農作物について、医食同源の思想に基づき、医薬品規制を受けない、健康の維持・増進効果が期待される食品としての利活用や、医農連携の可能性についても検討すべきである」

とのコメントが含まれた。討議の中では、現状の法律で定められている医薬品と食品の区分にこだわらずに、安全性を担保しながら疾病治療や予防を期待できる食品の実用化を政府や行政で強く推進してほしいという意見がだされた。

●バイオテクノロジーに対する理解促進を

提言2『バイオテクノロジー利用に関する国民理解の推進』の章の中では、政府に遺伝子組み換えやゲノム編集技術の国民理解の促進を強く要求するとともに、そのためには、

「スギ花粉米などの消費者がメリットを実感できる「モノ」を示し、バイオテクノロジー利用のメリットを説明することを通じて、社会受容を促進するころも有用であると考えられる」

というコメントが入れられた。

●幅広いバイオテクノロジー農作物の実用化を

提言6『バイオテクノロジー農作物の実用化の推進』の章についての討議の際には、複数の委員から、当研究会が発足した当初はスギ花粉米が先行していたが、それから2年がたち、現在は遺伝子組み換えやゲノム編集によってGABAトマト、ミラクリントマト、アクリルアミド低減ポテト、多収性イネなどが開発され実用化を目指す段階まできていることから、スギ花粉米だけに言及するのでなく、バイオテクノロジーによる新価値創造農作物を複数とりあげて提言の中に盛り込むべきであるという意見がだされた。

2:今後について

当研究会は今回の会議をもって最終となる見込み。とりまとめられた最終提言は、総合科学技術・イノベーション会議(*1)重要課題専門調査会の下に昨年末に設置された「バイオ戦略検討ワーキンググループ」の中で議論が引き継がれ、政府が今夏にも策定するバイオ技術の活用戦略に盛り込まれていく見通しである。

(*1)総合科学技術・イノベーション会議は、内閣総理大臣、科学技術政策担当大臣のリーダーシップの下、各省より一段高い立場から、総合的・基本的な科学技術・イノベーション政策の企画立案及び総合調整を行うことを目的とした「重要政策に関する会議」の一つ

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