先日、東京都より10年ぶりの「花粉症患者実態調査報告書(平成28年度)」が発表されました。その結果、都民のスギ花粉症推定有病率が48.8%となり、10年前より約20ポイント上昇。驚きが広がっています。
【衝撃】東京都で花粉症の人が約半数の48.8%という調査結果に?!~「花粉症ゼロ」とは真逆の大幅増加傾向
今回はその「花粉症患者実態調査報告書(平成28年度)」の中から、注目すべきポイントをピックアップしてご説明します。
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目次
1.調査の概要
今回実施された調査の概要は以下の通りです。
・平成28年11月~12月に、都内3か所(あきる野市、 調布市、大田区)に居住する都民の中から無作為抽出した3600人に平成28年の春(2月~4月)における症状などについて質問するアンケート調査票を送付し、2116人から有効回答があった。
・有効回答者を、上記3か所ごとに「鼻アレルギーガイドライン2016年版」に基づきアレルギー性鼻炎の重症度5段階に分類。(3か所×5段階で15グループ)それぞれのグループから70名程度、合計1050人に花粉症検診への参加を依頼。その結果、平成29年3月に410人が実際に検診を受けた。
・花粉症検診によってスギ花粉症の有病判定を行った。スギ抗体検査結果が陽性(クラス2以上)であって 、検診当日に花粉症症状・所見を呈していた者、又は花粉症症状を抑える医薬品を使用していた者を有病と判定したが、過去の調査の判定方法と若干異なる点がある。
・検診の結果判定されたスギ花粉症有病者数から東京都全体(島しょ地区を除く)のスギ花粉症推定有病率を導き出した。
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2.推定有病率が48.8%
今回の調査結果から、東京都民のスギ花粉症推定有病率が48.8%と10年前より約20ポイントもアップしたことがわかりました。
- 第一回:昭和58年度~62年度
- 第二回:平成8年度
- 第三回:平成18年度
- 第四回:平成28年度←今回
今回の調査の有病判定条件は前回までと異なるため、前回までの調査結果と比較できるよう、前回同様の推計方法にて算出したスギ花粉症推定有病率(参考値)は 45.6%であり、17.4ポイント上昇しました。いずれにしても都民の約半数に近い人が推定スギ花粉症患者であることがわかります。
3.注目ポイント
アンケート調査回答や花粉症検診の中で、注目すべきポイントをピックアップします。
・発症平均年齢は27.5歳
鼻炎や目のかゆみ、のどのかゆみなどの症状が最初に現れた年齢では、15~29歳が最も多く、平均年齢では27.5歳という結果になりました。
・10代後半から20代はスギ花粉症の人が多い
都民全体のスギ花粉症推定有病率が48.8%なのに対して、15~29歳の人は61.6%と平均より高いことがわかります。
今回の調査では、0~14歳の推定有病率は40.3%ですが、第1回調査で2.4%、第2回調査で8.7%、第3回調査で26.3%と毎回大幅に増加していることがわかりました。
平均発症年齢が27.5歳であることをふまえると、このままでは10年後の調査において15~29歳の推定有病率は更に高くなっている可能性も否定できません。
・対策は、うがい、手洗い、マスク、眼鏡
花粉飛散シーズンに実行している対策法では、約半数の人が「外出から戻ったらうがい・手洗い・洗顔などをする」(50.7%、)、「外出時にマスクや眼鏡等で花粉を防ぐ」(50.1%)を実行していることがわかりました。
一方、何も行っていない人が約30%いることもわかりました。
・ハウスダストアレルギーに注意
花粉症検診を受けた人に、スギ、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサ、ダニの抗体の陽性率を調べたところ、スギ花粉に抗体陽性の人の約42%がダニにも陽性反応を示していることがわかりました。
アンケート調査の質問の中で、これまでにアレルギー検査をしたことのある人に検査結果を尋ねたところ、以下のような結果になりました。
これら2つの結果をみると、スギ花粉症の人は、ヒノキ・アレルギーとダニなどのハウスダスト・アレルギーになりやすい傾向があるといえるでしょう。スギとヒノキは植物の同じ科なのでアレルギー反応が出やすいことは推測できますが、スギ花粉症の人はハウスダスト・アレルギーにもなりやすいことを留意しておく必要があります。
4.まとめ
東京都の推定スギ花粉症患者が約半数という結果に驚きましたが、0~14歳のスギ花粉症推定患者数が増加していること、平均発症年齢が27.5歳ということを考慮すると、今後もスギ花粉症患者の増加傾向が続くと推測されます。
加えて、ヒノキはもちろん、ダニなどのハウスダストにもアレルギー患者も増加傾向にあると推測され、アレルギー疾患の予防や治療のさらなる向上が望まれます。
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*参照:東京都花粉症患者実態報告書平成28年度