和歌山県立医科大学 医学部機能性医薬食品探索講座の宇都宮洋才准教授らの研究グループは、2018年9月25日、住民アンケートと動物実験などを通じて、梅にアレルギーの発症を抑制する作用があることを見出したと発表しました。
➡花粉症によい食べ物はどれ?
1.梅のメカニズム解明のためアンケート実施
宇都宮教授ら研究グループでは、まず、梅の摂取とアレルギー症状との関連性を調べるために、和歌山県の紀南地域の住民を対象にアンケート調査を実施。563人の回答を得ました。
それを分析したところ、特に女性で、梅干しを毎日1粒以上食べるという、梅の摂取頻度が高かった集団では、アレルギー症状を訴えた人の割合が低いことがわかりました。
2.マウス実験で梅由来成分の抗アレルギー作用が明らかに
このアンケート結果から、梅の摂取がアレルギーの発症を抑制した可能性があると研究グループは考え、モデルマウスや培養細胞を用いた実験を実施しました。
すると、梅に「ヒスタミン」などアレルギー反応を引き起こす化学物質が放出される「脱顆粒」を抑制する作用があり、それには梅に含まれる化学物質の「バニリン」や「シリンガ酸」など、梅に由来する5つの成分が関与していることが明らかになりました。
研究グループは、「梅の摂取によるアレルギー症状の予防や改善の可能性を見出すことができました。今後、より詳細な調査の行いたいと考えています」と発表しています。
3.梅には豊富な機能性がある
梅にはたくさんの効能が言い伝えられてきましたが、宇都宮教授らはそれらについて科学的、医学的に研究を進めています。
抗アレルギー作用以外に、これまでに明らかになった梅の健康機能性には、
- 心血管疾患予防
- 糖尿病予防
- 肥満予防
- インフルエンザウイルス増殖抑制
- 胃ガン予防効果
- 骨粗鬆症予防効果
- 不妊症予防改善効果
- 疲労感軽減効果
があります。
「伝統的日本食品梅の 抗アレルギー作用の 生物学的および疫学的証拠」(和歌山県立医科大学広報発表資料より)
4.梅干しや梅酒でも効果が期待できる
今回の動物実験では梅の種を用いているため、梅の種からできた梅果実の加工品、例えば、梅干し、梅ジャム、梅酒などでも抗アレルギー作用があると考えられます。身近な食品で花粉症予防が期待できるのは朗報です。今後の研究成果が期待されます。
➡Amazonで売れ筋ランキング上位の梅干し
訳あり 紀州南高梅 減塩 梅干し つぶれ梅 はちみつ漬け 1kg(500g×2個)
➡30年以上ウイスキーの貯蔵に使用していたサントリー山崎蒸溜所の古樽を焙煎し、梅酒をゆっくりと熟成させた甘さ控えめの大人な酒
➡処方薬と同じタイプの市販薬を知っているとなにかと便利です↓↓
【2022年版】花粉症処方薬の効き目と眠気の比較や同じタイプの市販薬の有無~アレグラ、ザイザル、アレロック、タリオン、ビラノア、デザレックスなど