日本で花粉症といえばスギやヒノキの春の花粉症が圧倒的ですが、その40%の人が別の季節でも花粉症で悩んでいることが、花粉症クエストのアンケート調査の結果わかりました。
➡2017年10月に実施した花粉症アンケート結果
花粉症の症状の特徴は?春と秋の花粉症で悩む人が多く、かゆみも多い
花粉症だけでなく、アレルギー疾患で悩む人も若者中心に増加傾向にあるといわれていますが、アレルギー症状は免疫機能の乱れが原因であることから、医薬品などの対症療法でつらい症状を抑えることはできても、なかなか根治に至らないもどかしさがあります。
そこで注目されているのが、免疫細胞の多くが宿る腸の免疫バランスを整えたり、免疫力をアップする効果があるとされる食べ物を積極的、継続的にとることで、体質改善に努める方法です。
中でも、善玉菌を増やして腸内フローラを改善する効果があるといわれる発酵食品は、花粉症だけでなく、インフルエンザや風邪の予防、便秘改善など、さまざまな健康目的で活用されていますね。
そこで花粉症クエスト取材班は2017年11月26日に実施された『レンドルフ大森店・食育セミナー』に参加!乳アレルギーの人でも安心して食べられるヨーグルトの素「菌活ベジ乳酸菌」で作った豆乳ヨーグルトと、代表的な日本食の発酵食品である漬物とのコラボレシピをレポートします。
また、今回の食育セミナーでは、漬物やその野菜を作っている「のらくら農場」代表・萩原紀行さんの農薬を使わない有機農法の講演もありました。そちらのお話もレポートします。
目次
1.「ヨーグルト×漬物」は相性抜群の発酵カップル!
・豆乳でヨーグルトができる
ヨーグルトは牛乳に乳酸菌をプラスしてできた発酵食品で、たくさんの乳酸菌が含まれていることから、腸内の善玉菌が増殖し、腸内環境が整うとされています。花粉症の症状緩和のためにヨーグルトを継続的に食べるとよいといわれますが、乳製品のアレルギーをお持ちの方は手がだせませんでした。
そんな方に朗報なのが、ラクトバチルスプランタムという京漬物すぐき漬け由来の植物乳酸菌を、乳成分を一切使わず製品化した「菌活ベジNEW酸菌」。この菌を豆乳にまぜると自家製豆乳ヨーグルトが簡単にできます。
乳酸菌にはさまざまな種類があることは有名です。中でも、乳酸菌が小さい方が、その菌が腸の中で死んだときに、他の善玉菌の食べ物になって善玉菌が増殖することに役立つといわれています。乳酸菌がナノサイズまで小さいことが特長なのが、「菌活ナノNEW酸菌」です。こちらは乳製品にアレルギーのない方におすすめです。
ヨーグルトの素
実際に、菌活ベジNEW酸菌でつくった豆乳ヨーグルトをいただきました。牛乳の乳臭さが苦手という方や、豆腐の大豆の臭いが嫌い、というどちらの方でもおいしく食べられると思います。
菌活ベジNEW酸菌と豆乳でつくったヨーグルト
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・漬物の中にも発酵食品あり
私たちの身近にある発酵食品のひとつが漬物です。とはいっても、すべての漬物が発酵食品というわけではなく、例えば浅漬けの中には発酵状態にいたっていないものもあります。
では、どんな漬物が発酵食品かというと、
- 沢庵
- いぶりがっこ
- 柴漬け
- 高菜漬け
- キムチ
など、たくさんありますね。
キリン食生活文化研究所の「発酵食品名鑑」に日本の各地の発酵食品が紹介されていますので、よかったらのぞいてみてください。
・「ヨーグルト×漬物」で花粉症対策レシピ
さて、腸内細菌のバランスをよくするヨーグルトと漬物ふたつの発酵食品を使ったレシピがこちら、「ヨーグルトと漬物のカナッペ」です。
ヨーグルトと漬物のフランスパンのカナッペ
今回このレシピを紹介してくれたのは、「レンドルフ大森店」の店長で栄養士・食育インストラクターでもある大西美也子さん。
大西店長
大西店長によると、このレシピのアイデアは、テレビや雑誌で有名な出張料理人「小暮シェフ」こと小暮剛さんからいただいたそうです。
【作り方】
- ヨーグルトを水切りしておきます。
- お好みの漬物をオリーブオイルに漬けておきます。
- フランスパンなどに水切りしたヨーグルトと漬物をトッピング。上からオリーブオイルをかけてさらに風味をアップさせます。
ポイントは、オリーブオイルです。
オリーブオイルは抗酸化作用があり老化防止や美容効果も期待できる食品として人気ですが、そのオリーブオイルに漬物をつけて冷凍保存すると、漬物の長期保存ができるそうなんです!
密封パックから取り出した漬物を全部食べきれないときに、ジプロックにオリーブオイルと一緒に入れて冷凍庫に入れておけば、好きな時に取り出して食べられる!なんとすばらしい!
そして、このカナッペのお味なんですが、お世辞でなく、おしゃれで美味しいんです。和食の象徴の漬物とヨーグルトとはいえ元は大豆。なんか生活臭のあるイメージの食材ふたつなんですが、このレシピにかかると、どこかのビストロかトラットリアで出された一品になっているんです!最近風にいうと「これ、やばい!」って感じでしょうか。
そして、このレシピの美味しさのもうひとつの秘密は、漬物です。
この漬物こそ、今、日本はもとより世界でも注目される農場経営者の萩原紀行さんが作ったもの。野菜はもとより、更にはご自身たちで加工まで手がけた漬物なんです!
のらくら農場の漬物
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2.「のらくら農場」萩原紀行さんとは?
・萩原代表のプロフィール
最初に、萩原さんのプロフィールから。
~ 萩原 紀行代表プロフィール ~
1971年千葉県松戸市生まれ。
大東文化大学経済学部卒業後、3年間勤務した会社を退職。
26歳で有機農業に飛び込むもその道は平坦では無かった。
今では、グルメ漫画美味しんぼに登場したり、世界の叡智が講演をおこなうTEDでも素晴らしいい栽培理論を提唱し話題を集めている。
講演する萩原代表
『美味しんぼ』第101巻に登場する萩原代表(左ページの頭にタオルを巻いている男性)
・土壌分析と経営マインド
今回のセミナーの萩原代表の講演は、信州北八ヶ岳の標高1000メートルの田畑で農薬を使用せず、有機肥料で野菜を栽培する「のらくら農場」の栽培手法のお話がメインでした。
萩原代表のご実家は農家というわけでもなく、またご自身が農学部出身でもなく、まさに「素人」として有機農法を始めた時は失敗の連続だったそうです。
それが現在では若い従業員10名をも雇用する農場に発展しています。
萩原代表のお話の中で、筆者が感銘をうけたポイントは主に2つ。
土の成分を細かく分析する科学的アプローチと、新しマーケットをつくる経営戦略です。
・土壌分析
農業は、1万年も前から地球上で行われるようになった人類の営み。それがゆえに、これまでの慣習、経験や勘といったノウハウで農業を行っているのでは、と思いがちですが、現代においては必ずしもそうではありません。もっと科学的に農業にアプローチして生産性や品質を向上させる努力をしています。
それを実践しているおひとりが萩原代表です。
それは、土の成分を細かく分析し、栽培する予定の植物に必要な肥料の種類、分量を足していくという、まるで理科の実験のような手法なんです。
土壌分析をする萩原代表ら
萩原代表が農業に従事しはじめて間もないころ、野菜がうまくできたときほど、翌年同様にうまくいくか自信がない状態でした。それが土壌分析を細かくすることで、独自の生育理論が確立し、その結果、成功も失敗もその原因を科学的に把握することができるようになったそうです。
今ではその手法を、仲間の農家の方々と勉強会をしながらシェアしています。
勉強会の風景
・経営マインド
のらくら農場に視察に来た料理人の方々が口をそろえて「うまい!」と絶賛するのが、この春菊です。
一般的に春菊は冬の鍋の具材としてよく食べられますが、残念ながら信州ではその時期は寒くて農作物ができません。そこで6月、7月の夏のシーズンに春菊を生で食べてもらおうと、春菊特有のえぐみをなくし、それでもしっかり香りのある春菊を開発。肝入りで売り出したところ、さっぱり売れず、100万円分もの在庫を処分するはめに。
そこで考えたのが、この春菊の食べ方を画像つきのレシピを作って提案することでした。そうしたろところ、翌年にはなんと2万束完売!今年は4万束売れたとも!すっかり看板野菜にさまがわりです。
のらくら農場のフェイスブックより引用(生春菊たまごサンドのレシピ)
この例は、マーケティング用語でいうところの「ブルーオーシャン戦略」です。既存の市場を攻めるのではなく、これまでにない新しい商品を提案して自ら市場を創造していく。夏に信州産の春菊というこれまでなかった市場をリスクをとって参入した結果、大きなリターンを得ることができたのです。
また、今回のセミナーで使われた漬物も、萩原代表の経営戦略のたまものです。
のらくら農場の漬物
信州は11月にもなればもう農作業はできません。しかし、萩原代表としては、若い従業員を季節労働者にしたくない。通年を通して仕事ができるにはどうしたらいいか考えた結果、解決策の一つが、自分たちで作った農作物を加工食品にすることです。
このじゃがいもスープは雑誌「anan11月15日号」の「カラダにいいもの大賞」にノミネートされているそうです!
今では15品目もの加工食品をてがけているそうです。農作物をそのまま売るだけでなく、付加価値を高めた加工食品を製造し、独自の販売網を確立して販売するその経営は、まさに「6次産業化」(*生産部門の1次産業、加工部門の2次産業、流通販売部門の3次産業の、1、2、3を掛けて6次産業化といわれています)の代表例ですね。
3.おわりに
発酵食品を毎日の食事に上手に取り入れて、免疫力をアップしたり、免疫のバランスを整え、花粉症対策や風邪の予防法は、速効的効果を期待するものではないものの、体質改善になりますし、なにより美味しいものを食べるのはうれしい。筆者も今回のセミナーで、のらくら農場の「たくあん漬け」と「赤かぶ木曽漬け」を購入し、ここのところ毎日家で食べております。白いごはんにとても合います!ほんと美味しいです。のらくら農場の漬物は、有機農法でつくった野菜を、化学調味料、保存料、着色料なしでつくった漬物。美味しいだけでなく、安心な食べ物ですね。
萩原代表と小林社長(レンドルフ)
今回のセミナーで使われたヨーグルトの素「菌活ベジNEW酸菌」や「菌活ナノNEW酸菌」はレンドルフ・オンラインショップでお求めいただけます。レンドルフ大森店ではのらくら農場の野菜や漬物も販売しています。
のらくら農場についてはフェイスブックをご覧ください。
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